今年はFT8で2mバンドでもFT9に出る方が増えているようですがIC9700自身はどうもこのようなデジタルモードには十分ではないようで周波数変動を気にしている方も多いと聞いています。
ローカルのOMさんとIC7900につぃおて情報交換しているときにOMさんのシャックの写真にこんなのがあった。
この写真の説明にはこんな解説があり、気になったので早速調べてみました。
「リグの上のOCXOはJA4BUAさんから頒布されていたものを購入したものです。1200MHZでFT8を運用するには必須なものと考えております。」
早速調べてみたら
JA4BUA、桑原OMのホームページはこちら
http://ict-kuwa.net/10mhz_std.html
桑原OMのホームページにはいろんな知識が満載で大変勉強になりました。特に無線機の周波数安定度に関して、
「私が求める精度は、50MHzで5Hz未満の 誤差=0.1ppm なら良いだろう。
ちなみに最近のRIGのスペックで周波数精度を⾒ると()内は50MHzでの誤差
Kenwood TS-990と890︓0.1ppm(5Hz)、TS-590G,TS-590︓0.5ppm(25Hz)
ICOM IC-7800,7851,7700︓0.05ppm(2.5Hz)、IC-7610,7300,9700︓0.5ppm(25Hz)
IC-9700は、V,UHFで使うのに周波数精度±0.5ppm(435MHzで217.5Hz以内)は、ひどいですね。
仕様承認者、設計者の理解度は︖︖︖
Yaesu FT-5000(MP-Limited)︓0.05ppm(2.5Hz)、他の5000,3000︓0.5ppm(25Hz)
SunSDR2proとMB1は、仕様を⾒ると0.5ppmになっています。中級機なみです。
さすがに各社のフラグシップ機は良いがOCXOを使っている事から安定するのに電源ONから
3分程度は待たないとON直後は数100Hzの誤差になっているでしょうね。」
とのことで、IC9700でFT8を運用するには周波数変動が気になるところでした。ホームページを読んでいくとさらに、
「問題の周波数安定度は、10MHzでの周波数変化は0.1Hz/1昼夜です。100Mhzで1Hz以内の誤差。 0.01ppm=10ppb !!
TS-990より一桁良い結果です(^o^)。
145MHzでも2Hz未満の周波数誤差!! トランシーバーの周波数精度としては十分ですね。
当初は、C/Nが悪化を覚悟のうえでGPS+PLLでやらないとダメかなと思っていましたがこれでOKです。
ルビジュウム同期の10MHz基準信号発振器を常時電源ONで使っている方も一部にいるが、とにかく電気を食うので持っていても、
私は常時ONで使う気がしなかったがこれで解決です。周波数の微調整をすると
精度0.002ppm(1GHzで2Hz誤差)程度まで追い込めます。(頒布物は作成時0.002ppm以内に調整済み)。
そこらの周波数カウンターより高精度です。周波数カウンターの基準Clockとして使うのにも良いですね(^o^)
HF(1.8~50Mhz帯)のトランシーバーに接続すれば周波数誤差なし(0Hz)で気持ち良く使えますね!!」
などいろいろ勉強させていただきました。
早速桑原OMへメールして1セット注文しました。
私に送られてきたのはNDKのENE3311を使用したもので、写真にある基板の内の右側のものです。接続するリードもすべて繋いで確認してあるようでしたので理解できました。
回路の概要等は桑原OMのホームページをご覧ください。
ホームページには回路図もありました。
三つの出力ポートの内、Out3は約+5dBm,Out1,2は-10dBm程度の出力でした。使用するトランシーバーの要求項目を確認したら、
IC9700: 10MHz, 50Ω、-10dBm 端子はSMA
TS890S: 10MHz, 50Ω、0±10dBm 端子はBNC
とあったのでOut3をTS890に、Out1をIC9700に繋ぐことにしました。 さらに、一つ余ってるので今後の事も考えて1ポートを正面に出すことにしました。
電源はほかの無線機などと共通にするために13V供給とし、IC9700と一緒に電源が入るようにしたところ立ち上げ時にエラーを起こしてしまいました。そのために標準周波数発振器を別の12V、1Aのアダプターを用いて電源供給し、メイン基板の隣に以前秋月で入手して手持ちにあった村田のDC-DCコンバーターOKL-T/6-W12N-Cを入れました。
外部に出す端子はSAMで背面に二つ、正面にひとつ、それに電源をつなぐジャックです。
また、ケースはタカチの YM-100 (100x30x70)を使いました。
正面のSAMは現在周波数カウンターの確認用に使っています。
波形が実は矩形波だという事だったので10Sの9MHzコイル(手持ちにあった10Sボビンに手巻きで作った)を使って200pFで同調をとり、少しはサイン波に近づくかと思い挿入しました。
接続ケーブルは手持ちの同軸を使いました。これは以前のハムフェアーで入手したものです。
これで見ると1.5Dのケーブルがなんとも太い感じですが何とか収まりました
正面パネルの端子に以前アイテック電子で販売していた周波数カウンターで測定してみました。電源を入れて2時間ほどたった後にカウンターのゼロ調整を取り、放置していましたが梅雨明けで気温も上がり、どちらかは不明ですが朝10時から4時間のあいだ、1時間に1.5Hzの割合で表示が上がって最大+6Hzまで担ってしまいましたが3時ごろ私が暑さに耐えかねて(30℃越えだった)部屋のクーラーを入れたところ2時間で誤差1Hz以下にまで収まってきました。
これで144MHz, 430MHzあるいは1200MHzでもお相手があればFT8に出られるようになりました。
このような標準周波数発振器はネットで調べてみたのですが素子だけでも5~6000円もするようで、桑原OMには安価なシステムをご提案いただき感謝です。これで国内のFT8などデジタル信号もUHFで広がることを期待しています。
あまり交信相手が見つかっていませんが今回の工作で精神安定度が少しは上がったのかと思っています。
End: Aug. 2, 2020
9700の設定で基準周波数調整(外部基準に同期中)の表示が知りたいのですが?
ユニットを取り寄せてみましたが
同期中 上段が 45.9%
下段(FINE)が72.5%
最初は99%まで上がりましたが、56%にダウンしてアップダウンを繰り返しています。
デルタループアンテナから、此方にたどり着きました。
ところで、10MHz取り出しの部分に付いているIFTコイルの様な物は、何ですか?
又その目的は?
いろいろ想像して、妄想しています。
私のでは標準発振器は常時電源ONですが
外部基準に同期中の表示が出て、46.3%、 51.4%で落ち着いています。
もしかしてリグと同時にONにしておられませんか?さすがにすぐだと安定するまでには30分程度は必要だと思います。
この発振器は矩形波らしくサイン波にすべく少しでも純度を上げるために10Sボビンを使ってFCZコイルのデータで10MHzの同調コイルを作成して入れています。どの程度効果があるのか自信はありませんが気休めです。
多分コイルを挟むことで少しでもサイン波になってくれればと思って挿入しました。
10MHz基準周波数発振器は、電源ON3分後には正確な10.000000MHzの出力になります。
一般的な周波数カウンターより1桁は確実に10MHz基準周波数発振器の方が正確です。
私もその後BlileyのN26Q621発振器などと並べて切り替えながら確認しました。すべて周波数カウンターの変動が原因でしたのでまるで周波数カウンターの温度特性を見ているようでした。
電源開始時にロックに少し時間要するのでIC9700 に一時的なエラー表示がされてしまいます、私はこれを回避するために常時電源ONで使用しています。
いずれにしろなにか標準と思える基準が入手できたと感激しています。ありがとうございました。