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小さき花-第4章~4

2021-09-28 17:05:03 | 小さき花
 ところが、この時、私は一生涯の中において、一番優れた一つの恩寵を受けました。私はその時まだ今日のように、天の光を浴び心が照らされておりませんでしたが、「唯一の真の榮譽というのは永遠に続くところの榮譽であって、これを受けるには強いて優れたわざをするとか、人目を惹くような事をする必要がない、ただこれに必要なのは、却って反対になるべく一目を避けるよう、また自分自身にも知られないようにして、ただ天主さまのために力を尽くすという事である」という事を悟されました。それで私は榮譽を受けるために生まれた者であると思い、この目的に達する方法を探しておりますと「私にとっての榮譽はこの世間の人々の目に現れない榮譽であって、聖女になるに限る」というお諭しをも受けました。その時分、私は殊に欠点の多き者で、また数年間修道院生活をしている今日でも、やはり不完全なものであると想うと、聖女に倣うなどと望むのは、いかにも大胆であると思われるかもしれませんが、実際、私はなお今日でも続いて大聖女になろうと大胆な希望を持っているのであります。

読んでくださってありがとうございます。yui


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