無所属市民派の阿部悦子県議が県議会最終日の3月19日に行った反対討論を紹介しておきます。
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まず、定第40号議案、「愛媛県核燃料サイクル地域振興基金条例」に反対いたします。当基金は、MOX燃料の使用を前提に、県が作成する地域振興計画に基づいて交付されるもので、去る2月26日、経済産業大臣が承認し、伊方原発にMOX燃料が装荷されたことから、県に60億円が、交付されることになったものです。
つまり、当基金はプルサーマルを始めたことで得たものであり、県民の命を売り渡すものに他なりません。
これまでも指摘したように、MOX燃料は核兵器の材料となるプルトニウムを混ぜたものである事、その燃料ペレットは、関西電力が問題ありとして、製造したメロックス社に突き返した同じ品質のものであること、そのMOX燃料と被覆官をもろくするといわれる高燃焼度燃料の併用は日本初、そのレベルにおいては世界初であること。使用済みMOX燃料は行き場もなく、永久に伊方にとどまると懸念されること、四電は耐震安全性の過小評価を繰り返して、居直っていることなど、安全性に関する大きな疑問が残っています。しかも、3号炉では、理由の分からない燃料棒の穴あきによる放射能漏れなどの異常が相次ぎ、県民の不安は大きくなるばかりです。
去る3月1日、私はプルサーマルに反対する各地の住民や有識者と一緒に、国の原子力安全・保安院交渉に参加しました。そこで私は、さらに大きな不安を抱えることになりました。安全・保安院の職員は、MOX燃料ペレットから出る揮発性不純物に関しては国の安全基準がないことを認めたうえで、「なぜ安全基準を作らないのか」という問いに対して「まだ実績がないので」と答えました。これは玄海原発や伊方原発でやってみてから基準を作るということで、私たち愛媛県民がMOX燃料の安全性の実験台になっているという事ではありませんか。ちなみに県はたびたび「MOXペレットの安全性は国が保証している」と答えてきたのです。国頼みのプルサーマルがいかに危険か、「永田町で仕事をする人にとっては愛媛や現地の人の命の重さなど考えたくもないものなのだ」と私は実感しました。
ところで当交付金を受けるに当たり、県が作った地域振興計画の内容は、「原子力災害による緊急被ばく医療の充実」や事故時に備えての「緊急避難道路」「消防施設」の整備などです。事故が起こり、人々が被曝することが前提です。本来原発がなければ、さらにプルサーマルなど導入しなければ、いらない事業です。また県は「地域振興計画」のテーマを、「住民の安心・安全」と掲げていますが、まるで冗談かブラックユーモアではありませんか。八西地区に住む人たちを愚弄しています。
これまでも「地域振興」と称して多くの税金が、「電源立地対策交付金」の名前で伊方町に投入され、その総額は、昭和49年度から平成20年度までで、150億6727万円に上ります。これに家庭や企業の電気代への助成や各種補助金をいれると、もっと膨大になるでしょう。そして、このお金で地域は活性化したでしょうか。
それどころか、県内で人口の減少率が最も高いのが伊方町です。少子化も進んでいます。0から4歳児までの人口は、昭和40年に約2200人でしたが今や400人を割っています。また小中学校の生徒数も昭和45年の約5千人から昨年は約800人へと減り、それに伴って小中学校数は昭和45年の32校から現在の12校に激減しています。
これが、40年間の地域振興策の実態です。現地に住む友人は、「多くの人が伊方を出て行った。残ったのは弱者と老人ばかり」と言います。
四電も県もこれまで「原発は安全で、町が活性化する」と喧伝し強引に原発政策を続けてきました。道路は良くなり多くの箱物が作られましたが、学校は相次いで閉校になり町は寂れて子どもたちの遊ぶ姿は消えていきました。これが「地域振興」の姿でしょうか。
今回の「地域振興交付金」をもらって始める危険なプルサーマルは、伊方や八幡浜をさらに寂れさせ人々から未来への希望を奪うことになります。その時、誰がどんな責任を取るのでしょうか。人が被ばくするような事故が起これば、60億円くらいのお金では済まないはずです。このような交付金は即刻返上して、プルサーマルを止めてください。今後は、今ある原発を安全に廃炉にすることにこそ税金やエネルギーが使わるべきだと思います。
次に定第1号議案「平成22年度愛媛県一般会計予算」に反対します。今予算案にも、問題は多くありますが、環境問題で申し上げます。去る3月16日に政府は「生物多様性国家戦略2010」を閣議決定し、本年10月に名古屋で開かれるCOP10の議長国としてリーダーシップを取ることを宣言しました。翻って愛媛県の今予算では、生物多様性保全対策費はたったの91万円で、やる気が見えません。
(議長より、時間が来たので止めるようにといわれ)
「環境先進県」にはふさわしくない、今予算案に反対いたします。
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まず、定第40号議案、「愛媛県核燃料サイクル地域振興基金条例」に反対いたします。当基金は、MOX燃料の使用を前提に、県が作成する地域振興計画に基づいて交付されるもので、去る2月26日、経済産業大臣が承認し、伊方原発にMOX燃料が装荷されたことから、県に60億円が、交付されることになったものです。
つまり、当基金はプルサーマルを始めたことで得たものであり、県民の命を売り渡すものに他なりません。
これまでも指摘したように、MOX燃料は核兵器の材料となるプルトニウムを混ぜたものである事、その燃料ペレットは、関西電力が問題ありとして、製造したメロックス社に突き返した同じ品質のものであること、そのMOX燃料と被覆官をもろくするといわれる高燃焼度燃料の併用は日本初、そのレベルにおいては世界初であること。使用済みMOX燃料は行き場もなく、永久に伊方にとどまると懸念されること、四電は耐震安全性の過小評価を繰り返して、居直っていることなど、安全性に関する大きな疑問が残っています。しかも、3号炉では、理由の分からない燃料棒の穴あきによる放射能漏れなどの異常が相次ぎ、県民の不安は大きくなるばかりです。
去る3月1日、私はプルサーマルに反対する各地の住民や有識者と一緒に、国の原子力安全・保安院交渉に参加しました。そこで私は、さらに大きな不安を抱えることになりました。安全・保安院の職員は、MOX燃料ペレットから出る揮発性不純物に関しては国の安全基準がないことを認めたうえで、「なぜ安全基準を作らないのか」という問いに対して「まだ実績がないので」と答えました。これは玄海原発や伊方原発でやってみてから基準を作るということで、私たち愛媛県民がMOX燃料の安全性の実験台になっているという事ではありませんか。ちなみに県はたびたび「MOXペレットの安全性は国が保証している」と答えてきたのです。国頼みのプルサーマルがいかに危険か、「永田町で仕事をする人にとっては愛媛や現地の人の命の重さなど考えたくもないものなのだ」と私は実感しました。
ところで当交付金を受けるに当たり、県が作った地域振興計画の内容は、「原子力災害による緊急被ばく医療の充実」や事故時に備えての「緊急避難道路」「消防施設」の整備などです。事故が起こり、人々が被曝することが前提です。本来原発がなければ、さらにプルサーマルなど導入しなければ、いらない事業です。また県は「地域振興計画」のテーマを、「住民の安心・安全」と掲げていますが、まるで冗談かブラックユーモアではありませんか。八西地区に住む人たちを愚弄しています。
これまでも「地域振興」と称して多くの税金が、「電源立地対策交付金」の名前で伊方町に投入され、その総額は、昭和49年度から平成20年度までで、150億6727万円に上ります。これに家庭や企業の電気代への助成や各種補助金をいれると、もっと膨大になるでしょう。そして、このお金で地域は活性化したでしょうか。
それどころか、県内で人口の減少率が最も高いのが伊方町です。少子化も進んでいます。0から4歳児までの人口は、昭和40年に約2200人でしたが今や400人を割っています。また小中学校の生徒数も昭和45年の約5千人から昨年は約800人へと減り、それに伴って小中学校数は昭和45年の32校から現在の12校に激減しています。
これが、40年間の地域振興策の実態です。現地に住む友人は、「多くの人が伊方を出て行った。残ったのは弱者と老人ばかり」と言います。
四電も県もこれまで「原発は安全で、町が活性化する」と喧伝し強引に原発政策を続けてきました。道路は良くなり多くの箱物が作られましたが、学校は相次いで閉校になり町は寂れて子どもたちの遊ぶ姿は消えていきました。これが「地域振興」の姿でしょうか。
今回の「地域振興交付金」をもらって始める危険なプルサーマルは、伊方や八幡浜をさらに寂れさせ人々から未来への希望を奪うことになります。その時、誰がどんな責任を取るのでしょうか。人が被ばくするような事故が起これば、60億円くらいのお金では済まないはずです。このような交付金は即刻返上して、プルサーマルを止めてください。今後は、今ある原発を安全に廃炉にすることにこそ税金やエネルギーが使わるべきだと思います。
次に定第1号議案「平成22年度愛媛県一般会計予算」に反対します。今予算案にも、問題は多くありますが、環境問題で申し上げます。去る3月16日に政府は「生物多様性国家戦略2010」を閣議決定し、本年10月に名古屋で開かれるCOP10の議長国としてリーダーシップを取ることを宣言しました。翻って愛媛県の今予算では、生物多様性保全対策費はたったの91万円で、やる気が見えません。
(議長より、時間が来たので止めるようにといわれ)
「環境先進県」にはふさわしくない、今予算案に反対いたします。
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