ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮、同人誌の話他

「推し」という言葉と歴史創作

2021年09月01日 | 雑記
9月になりました。
ちょっと涼しい?


いつ頃からか、オタクの間で使用されるようになった「推し」という言葉。
古参の自分には抵抗あるというよりも
自分の使う「推し」と意味がズレてたらどうしよう、って考えてしまいます;
そのせいか、気軽に使いづらい。

しかし、もはや普及した「推しは誰ですか〜?」というような質問に
「そもそも推しとは何か」を持ち出すようなのは、これは野暮でしかない。
ですので、そう訊かれた場合はとりあえず
なんとかかんとか;答えはします。


「推し」という言葉は、これは「キャラクター消費文化」から発生しているのでしょう。

「キャラクターを消費しない」つまり、総合的にいろんなもの(グルメだとか、時代背景だとか世界観、文化全般)がただ好きな場合には使いづらいのですが
近年はキャラクター消費が圧倒的に多くなってしまいました。
元々アイドル文化からやってきて実権を握った言葉なので
一応「推し=好き=応援=消費」これがセットになっています。

これは同時に、小さな人間関係に限定しないと落ち着かないオタクにとっては
「相手との距離感を計測する相札」になります。
オタクは人間関係を築くのが下手くそな場合が多いので、そもそもオタクではなさそうな人、自分の世界や価値観と合致しない人はスルーしますが
同じ「村(ジャンル)」でも相手を知っておきたいわけです。
ゆえに「箱推し(全部好き)」は怪しまれがち。

また、推しとは偶像崇拝である必要性があるので
ゆえに、サブカル系はどうなったかというと
「そんなものまで擬人化するんかい!」という、偶像崇拝の極みとなっております。



さて歴史。とにかく範囲が広いので「推し」すなわち
「著作権の存在しない二次創作」的な接し方をするのは自由なのですが。

その対象のなる歴史人物は「消費される為に作られた偶像」ではありません。
なんせ既に鬼籍、死んでます。
作られた2次元アイドルと違う。
今ならとんでもない犯罪に手を染めたこともある
ありえない非道な選択をせざるを得なかったこともある
結婚して子供がいたりする…わけです。

そこで「消費文化」と一体となった「推し」という言葉と
リアル史実の研究対象のままだと
人によって語弊は生じやすいかもしれない。
好きは好き、でいいのかもしれませんが。

仮に歴史で「推しは」と聞かれたら、それは一旦キャラとして成立した架空人物である、という前提です。
例えばドラマの人物像としての、とか。

同様、オリジナルでも「推し」は
一旦作者である自分がキャラ化した人物、という事になりますので
実在の人物、史実は(そりゃあ好きなら調べたりもしましょうが)
異なる次元での話になると思うのです。
お分かりか。


逆に、「創作上のと限定した上での歴史人物」に限定する
なら、「推し」という言葉は便利だし、アリだと思います。

え?
自分の推しっすか。

いやー
「推ししか描いてない」んで;
でなきゃ本とか出さんわよな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

福地桜痴「無駄とする所の者は実は開明の麗華なり」

2021年08月13日 | 雑記
ちょっと炎上している某メンタリスト発言。

「人間は社会にそぐわない人間を処刑して生きてきてる」という彼ですが
ヴィクトル・ユーゴーによれば
「人間は皆、不定期の猶予つきで死刑に処せられている」だそうよ。


その処刑台までの猶予を、今日ホントに感じてしまいました。
精密検査の結果、ガンにはまだなって無いけど異形細胞が見つかりまして
経過観察&定期的に検査です。
良かった〜早期発見でと思う一方で
いきなりの「メメント・モリ」です。色々考えてしまいました。

自分に自慢できることってなんだろう?
家では結構、役立たず扱いだったかもしれない。
だから、福地源一郎のお父さんが「役に立つ人間になれ」と言ってた圧力
あれ、なんとなくわかります。(芸者に逃げる理由もw)

SNSでは日々、どれだけ凄いかの自慢大会になっていて
そんなに自慢するものが無い自分は、戸惑いながらやっています。


昨日、緊張であんまり眠れなくて
メールの整理をしたら、ここ10年間で関わったいろんな企業の方
担当者とのやり取りがあって…100社くらいになりますか
あんなことあったなあ、ここは苦労したなあ、
でも楽しかったな!とか思い出が行き過ぎる(舟唄状態)…。

しばらくコミケには出れなかったけれど、それはそれでいい感じで生きてたかも
ひたすら地道に仕事をしてきた、出世なんかはしてないけども
「地味だけど生きてた」を誇ろうと思いました。


さて、メンタリストさん発言でふと思い出したのが2つあるのですが。
まず1つは
昔、こんな漫画を描いたのでちょっと貼ります。
(本当に下手くそですいません;)
全編は「いりゅみなしおん」の方のPixivに置いています。







これがですね…
続編を描こうと思って2作描いて、描けなくなったです。
理由はなんとなく?かもですけど。


あともう1つは
アール・ブリュット関係の仕事やってたときのこちら。
こちらは協会からご依頼いただいたものですので、シナリオは手掛けていませんが
(これもちょっと前ですいませんけど)







私の家はガチ右翼だったので
実は「優生思想」は全くわからなくも無いです。
学生の頃はずっとそうだったかも。
どこかで、「それでも無条件で愛される」障がい者に嫉妬みたいな感情持ったこともある。努力したってどうせ愛されない感はあったから。

「偽善では無いのか」と
左翼的であることを良いと思わない自分がいるのも否定できない。


けれども、思うんですわ。

有益であろうがなかろうが
とりあえず生きようよと。
未来で何かに化けるかもしれないじゃないですか。

何もなくても良いし
地味でも。


「無駄とする所の者は実は開明の麗華なり」は
福地桜痴の言葉。

「人文」が失われる世界はどんなに便利でも人を幸せにはしないのではないですかね?
個人の感想ですけど。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Twitterは自由な言論の場か?

2021年06月18日 | 雑記
文藝春秋オピニオン
「2021年の論点100」
に、作家の佐々木俊尚さんの「Twitter15年 自由で公正な言論空間は実現したのか」
という記事が載っています。

丁度、町田市の自由民権資料館から
「紀要 自由民権34」を送ってもらいまして、合わせて読んでいました。

明治期に福地源一郎が新聞に何を求めたか。
もちろん正しくスピーディーな情報もありますが、それ以上に、福地は新聞を自由な言論の場として、多くの人が参加する事を目指しました。
福地は一見して官の側の人に見えますが、
まずは政府広報としてでも新聞の地位を向上させたい気持ちはあったと思います。

そんな時代から130〜140年位。21世紀の我々は確かに、
自由なツールを手にしたかにみえます。

佐々木俊尚さんの意見は、Twitterは玉石混交であり、
今この巨大な言論空間は2つの世界に分離しつつある、
使い方次第では冷静で真っ当な議論の場になる可能性もあるが、一方で罵声の応酬にもなる、
「それはあなたがTwitterをどう見てどう参加しているかによる」
だ、そうです。

自由な天国か修羅場か?

私はどう捉えるか。ならば書きますが、あれは2(5)ちゃんねるの掲示板より劣るのではないかと思います。

なぜならまず、議論するにもテーマ、論題が無い。ハッシュタグ?
他のツイートとの差別化はどうすれば。
別アカウント?
(いくつアカウント作らせる気だ)

日々膨大な知識は流れてきます。雑学知識なら私も負けじと流せます。
もしくは推しの宗教画、個人創作のリンク…
Twitterは今何しているかの報告から、15年経過してすっかり個人広告の場になりました。

私は仕事で広告を手掛けてますが、広告に論点を求めるのはお門違いです。政治的なプロパガンダでもない限りはありえません。
広告に議論はあってはならない。
一方的に、「よいサービスを提供します」以外無いのです。
全て、好かれない広告は広告として失格です。早い話、買います、以外の意見を持たれちゃ困るわけ。


その「広告として機能すべし」という仕組みがTwitterにあります。
いいねのボタン、RTのボタン、それから
気に入らないならブロック、リムるという仕組みです。

しかしそれは一方で、人を脅します。

お前余計な事を言ってみろ、気に入らないなら、即さようならだ

だとしたら。

そんな脅迫は自由な議論の場にはあってはならないじゃないですか。気に入らない商品のチラシならば捨ててかまわない。
けれど、意思という中身をもち、何らかについて考える人の言葉をポイポイ捨てていれば、人は考える事自体やめていくのではないかと思います。
そりゃ白痴化しますわな。


Twitterでは。
日常マッタリを共有する所で、政治論なんかは嫌でしょう。
あ、この人面倒な人だな」でしょうよ。
日本人は日常の場で政治的な考えを語ったりすると嫌われがちで、仲良く場を保ちたいなら常に感覚的でいるべきなのです。

その前提には、明治のジャーナリストも苦労しています。

考えを言い、特に争っているつもりはなくても、140字の制限の中では見る側にはイライラしているのかと勘違いされがちでしょうし、
何より
難読漢字や専門用語、横文字を多用した文体よりは、ひらがなで

ラーメンたべたよー
ぬこかわいい♡
おしがてぇてぇ
描きましたー

などとやってる方がよほど
穏やかな安心感の共有さえあればよいという場、
Twitterでは効果的なんではないですか。


あれを議論の場にするには、公式が
いいねを非表示にしない限りムリです。
数を稼いだ意見が常に正しい、正義であり、支持されない意見は言う事すら阻まれる、
そのどこが自由な場なんだろう。

結論、自分としては
議論の場にはしてません。できそうにないから。

まあ、全てがTwitterで賄えるようなら
オフで本出すとかやってないです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

COMITIA136無事終了しました

2021年06月07日 | 雑記
COMITIA
超久しぶりのコミティア。
会場入りしたときは雨はそうでもなかったのですが
途中ちょっとザーと降ったようです。
帰りはパラパラ。


このお天気と、一応は緊急事態宣言下にも関わらず

やっぱりコミティアはいいなあ!!!即売会そうこなくっちゃ!
という感じ
しかしやはり常に「ブレーキ」常に「下げ気味」なノリです。

わかる?


隣はお休みだったのもあり、通路も広くとってあり
1m以上は離れていて、
各サークルさん机上に消毒液という感じでした。


ポスターは持っていってないです。
あまり色々触るの良くないのかなと思いまして。



お昼前には持っていったペーパー、終了いたしました。
皆様ありがとうございます;


新刊は持って行った分は完売しました。
本当にありがとうございました!
描こうか大丈夫なのか迷った部分もありましたが
これで思い切ってぶつけていけそうです。


リアルイベントがどうしてオンイベントと違うのか…?
これ本当にまだわからないです;
人の情報処理や認識に関わってんでしょうか…
価値観の差なのか?
う〜ん。


あと!
個人的なことですいませんが
アニパロコミックス時代の先輩の浪花愛先生が来てくださいました;
(騒いではいけない状況なのでテンション下げるの大変だったです!)
めちゃ嬉しかったです。

更にBelene先生からサインもらいました!
(どんだけちゃっかりしてるんだよ…自分)


これがなあ、本当に新型コロナで無かったらな><
早く終ってくれよ!この悪夢時空。
そしてうちの自治体、ワクチンいつなんだろう…



さて、イベントも一段落しまして
通販の予定ですが
6/10からの予定です。
ちょっと送料を検討しているので
もうしばらくお待ちください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりの国際展示場です

2021年06月05日 | 雑記
東京国際展示場、前回冬コミから
1年半位ぶりですか。

明日のコミティアは青海展示棟ですが



駅の手塚治虫キャラ、どんどん色が褪せていってる気がする。

いつもの光景。おかわりなく…





生まれて初めてりんかい線で座りました!
ギュウギュウ詰めのしか知らないんでな。

人が、というよりオタクがいないビッグサイト前、
中国人がいないホテルロビー…

まるで異世界に迷いこんでる感じ!!
どこの時空なんだろう。



緊急事態宣言中なんで
来て来て!を言い難い。しかも明日
自分にしては珍しく雨。

そんなカムバック初参加だよw


誰も来ないのはわかっているんで
きっと搬入しても丸々全冊家に送り返すだけなんだろうなあ😆と思いますが。

いやもう来ちゃったんで
感染対策きちんとして頑張ります。
サークル初参加だから!

まだこれから、これから。
東京のコミティアの皆様
よろしくおねがいします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メレチャレ-7「教導立志基」犬養毅バージョン完成!

2021年04月29日 | 雑記
小林清親「教導立志基」(きょうどうりっしのもとい)
版画ゆえに版によって刷り色が一致しませんが

ーーーー長くなったんで経緯^^

歴史人物を数名の絵師が描いたこのシリーズで
小林清親は西南戦争の従軍記者、福地桜痴(福地源一郎)を描いています。
明治18年(1885) 10/26御届
(ちなみに横浜ニュースパークで売ってる絵葉書はもっと黄色っぽいです)

ウチの同人誌サークル「田原坂46」で出してる漫画本
「雲よ、伝へて!〜明治報道奮戦記〜」に
同じ戦場ジャーナリストとして、後の首相、犬養毅も派遣されていたんで
主人公のサポート役+福地のライバル役として出しています。

史実でも、東京日日の福地源一郎と、郵便報知新聞の犬養毅は
新聞紙上で論戦、筆戦をやってます。

(其の五 より)



最近私、フェルメールの「ありもしない贋作」に人生をかけた
ファン・メーレヘンの生き様を描いた映画を見まして…

アニパロコミックスというパロディ雑誌に育ててもらった自分は「痛く」感動し
よっしゃ、清親の贋作やろうぜえ!と思い立ったのでございました。

ーーーーーー
チャレンジ続きです。
版画の木目、やっぱり全体にかけたがいいのでは
ということで足しました。

あと、文字はフォントだとやっぱり正方形すぎるので
縦に拡大かけてシャープの繰り返しで調整。
正解がどこにあるかわからないんで…感覚で><



最終的にこうなりました
まだ課題は山積してるのですが

とりあえず第一回チャレンジ終了!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メレチャレその6  テクスチャとの戦い

2021年04月28日 | 雑記
CSPのフォントというのは、ミックスは可能なので
漢字だけ大きさを変えてフォントを指定し
平仮名を草書くずし字に…

と、頭ではできても実際にやると、そう上手く行かなかったです。
どうしたかというと…一字ずつ拡大したり縮小したりで;

解説文はちゃんと犬養毅の、政治家になる前のものですよ。
それでも手書きの元絵には敵わなえ…全く。


今日は、テクスチャを読み込んで
昔に戻す作業です。
テクスチャ自体は「令和」のツールとの戦いです。

周りの飾りを描きまして



砂目を読み込んだら

うにゃー

なんかわざとらしいので、
ダウンロードしてきた「和紙」を読み込むも


う、うーん…?


もういっそテクスチャを重ねるか。

木目を縦に入れたり、紙の目のレイヤーカラーを変えたり


ちょっと古い感じ出てきました??

まだサイン入れないと…


完成品は明日公開です。
Pixivにもあげます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メレチャレその5  くずし字をどうしよう

2021年04月27日 | 雑記
錦絵贋作チャレンジ、最大の難関がやってきました。


 どどど どうしよう!;

明治18年の人のような字は書けん
ていうか

崩し字…あんまり知らん。

そんなわけで仕方ないので教えてグーグル先生。


から崩し字を学びまして。
「いや、一応崩し字のフォントは持っている」
と思ったんですが、フォントの方がいいのか自分でやったがいいのか…
ちょっと今回は「試しレイヤー」として
入れてみます。

もしかしたらフォントで打ち直すかも。
「があた草書」というフォントがありますが。

今日は文字入れで終わりそう;


枠の黄色を入れ、課題の「赤」は糸綴じの糸に。
まだ赤少ないけどどこに置くのか…
目線誘導の色になるんだろうなあ;
落ちてるカバンをいっそ赤にするかもしれん


官軍兵ちょっぴり増やしました。
清親の描き込み具合がすごくて
もうちょっと増やすか…


えー…で

「があた草書」でもやってみましたが、結局「なんか変」でした。
手書きの勢いあるというか…
そこで、メインの漢字はフォントを使い、
ひらがなのくずし字はピッチを調整しながら手書きでどうだろう?

というので


おお!
近くはないがそう遠くもなくなったぞ!

いい感じでは(何やってんだか…)。


だんだん仕上がりに近づいてきました。
テクスチャと外枠で仕上げですね。
外枠も時間かかりそう…


一応
5/16 合わせの
新刊のネームはできてます。
漫画の方もあるんだな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メレチャレその4 描き込み^^

2021年04月25日 | 雑記
ちょっとずつ描き込みを加えていきます。

足元の草はよく見るとべったり塗りでなく
だいぶ手が込んでいる…

あと、チョッキですが
元絵の、福地桜痴のスーツ


タータン生地って…高価なのよ!
今はプリントできるから安モノあるけど
福地くらいの高級取りならいざ知らず、服すらお金借りて買っていた犬養さんが
買えるわけない代物なので

「よし、杉あやにしよう」
そんな感じです。

描き込んだけど見えづらいから後でまたレベル調整します;

肌部分て、ベタ塗りかと思ったけど
別の版を見たら陰影だかちゃんとあったのね;



背景もちょっと塗りまして



後ろ官軍、もうちょっと増やすかどうしようか。
アクセントの赤が課題なのでもうちょっと考えます。
うーん。

あとはテクスチャーを探さねば!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メレチャレその3 「錦絵」勉強してきた

2021年04月24日 | 雑記
明治初期に西南戦争の錦絵とかを出していた出版社
大倉書店の大倉孫兵衛の研究発表があったので
参加してきました。(Zoomだけどな!)

錦絵の色の重さと言うのは、あれは経年劣化による色素変化なので
初版の赤や紫はもっと鮮やかだったようです。
大倉書店は明治8年創業。近代出版業の祖です。
月岡芳年とかお抱えだったようで。
芳年も好きだな。(V系に近いものを感じる)


小林清親はあんまり「赤」を入れませんね…。
アクセントで入れるあたりに清親らしさを感じる。
目的を持った色彩構成…
このあたり、染料の劣化を計算していたのか
それとも、英国の絵画を師匠らしきワーグマンから学んだからなのか?
そこはわかりませんが。

今後、フォトショップあたりで初版に近い画像公開されたりするのかも。
研究が進むといいなあ。



そんで、続きです;
フツーにグラデーションツール使おうと思ったら
そうは行かなかったので
手で…スプレーでやりました。

忙しいからあんまり進んでないです;



あと、ベッタリ塗りに見えた服とか
よく見たら刷りムラ?あるので、これは上から乗算レイヤーで
「和紙ブラシ」で調子をとっていくことにしました。ひい…


焼き込みだのオーバーレイだのレイヤーの選択は難しい。

「赤」はバランス考えて入れてあるんだなとか。
線画も調子を見ながらもうちょっと手を入れたいとこです。

台紙の色をベージュ系にして進めていきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メーレヘンチャレンジ第2回 問題山積!(><;)

2021年04月23日 | 雑記
線画描いてバケツで流せばいいじゃね?版画だし
とか舐めてたよ…

まあ、研究兼ねての「パロディ」です。
そんなシュッとしたイケメンとか描かんよ〜当時の人は。
知ってるさ^^;
言うたらそれっぽいコスプレですな。

線画は描き足しまして
縦横寸法を調整。A4ではないのです。

トレス線画に色をつける段階で

線画どのレベルで出したらいいのかわからんので、
一旦、線画レイヤーを複製して、それにレベル補正とかかけて調整することにしました…

台紙に着色すべきなんだろうな…最後にやるか今やるか…
ちょっと後で台紙色もやってみましょう。

試しに錦絵からサンプリングしてパレット作って見ましたが
これがあまりうまく行かんので
ちょっと考え考えやってます。



まあいい、まだこれからちょっとずつやっていきます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「メーレヘンチャレンジ」を清親でやってみてる

2021年04月21日 | 雑記
エヴァンゲリオンの偽ポスターを販売していた人が逮捕されまして
一瞬、二次創作かとドキッとしましたが;いやはや。

「贋作」には2タイプあります。

1つは丸々既存のコピーです。偽金などはこれに該当します。
そっくりそのまま偽物を作るというものです。

もう1つは「あたかも存在したかのような物」です。創作的贋作。
作者に空白の時期があったり、似たような画題やポーズで数点制作している画家の贋作が作られやすいです。

あるいはまた、「未発見の草稿」なども。
フェルメールの贋作をナチスに売りつけたファン・メーレヘンが有名で、映画にもなりました。
また、中世の詩が発見されたとして自作で詩を偽造した贋作詩人チャタートンは
ラファエル前派が描いたりしています。

ポストモダンでは芸術、とかも言われています。

まあ芸術かどうかでなくて
「技術研究のためにあえて模写」はアリなわけです。

「メーレヘンのようにデッチアゲ贋作やってみます」
と最初に宣言しといて、あえて贋作をやるのを
メーレヘンチャレンジと言います。模写ではない。

というわけで

よしやってみようぜクリスタで。
いいんだよ、贋作だから…そっくりになんかメーレヘンでも作るのに一生かけてんだからw

チャレンジ相手は

恐れ多くも大リスペクトする

小林清親先生

西南戦争時の福地桜痴の錦絵




それならライバルの犬養毅を二幅対っぽくやれんかね
という事でラインだけ取ったけど



アカン!!激むず!

何年やっても才能無いやつはこうだよ!とか
既に白旗立ててる…

あえて薄墨のとことかあるのか〜とか
勉強にはなるかも。
メーレヘンがムキになった気持ちはなんとなくわかります;

(この記事は仕上がるまで、いつとはなしに続きます)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

巻末「日々訥々」ブログ版

2021年02月17日 | 雑記
紙媒体とは別の内容の巻末「日々訥々」をお送りします。


あれもこれも描きたいと思いながら、
でもページ数。
説明不足になっているんじゃないか、でも説明を多くすれば教科書みたいになるし
またはページ数が増えちゃうし。

まあそんな悩みを毎回抱えつつやっています。
「やったところで(無駄?)」というのは目をつぶろう。



さて、谷村計介
私は割と最近まで肥後人だと思ってたのがw宮崎出身。
日向の「諸県郡」出身とかです。

これ

諸県弁あんまり詳しくなくて;
こちらを参考に…
見ていただきたいです。



小倉は東京弁アクセントに近いけど
宮崎の大部分にはアクセントが無く、
特に諸県弁は言葉の最後が全部高いのだそう。

でもこれ厳密にいうと熊本弁と鹿児島弁は全然違うし
大阪でも北摂と泉州は違う。
どんだけ多言語なんだよ日本!

谷村が小倉にいたって言っても、8ヶ月ほど。
しかもアクセントや方言って仮に習得してもかなり意識が必要で
「うっかりした時に出てしまう」もんだと思います。

谷村、身分は下の方の武士、郷士。
薩摩藩のご城下にいる武士ではなく田舎の郷士ということになります。
ヒエラルキーありきの武士の社会では、それとなくdisられる側の身分。

郷士は農民と武士のハーフのような微妙な位置でして。
養子に入ったり、それなり教育も受けてるので
究極のド貧乏武士だったわけではなさげですが
その微妙さがまた…
現代なら親は地方の中小企業サラリーマン
及びシングルファーザー、学費など周囲が支援してはくれたが
特に何かで目立ったり、特待生になったりするほどではない
みたいな感じでしょうか。

言っちゃなんだが、西郷隆盛のような偉人でなくて
あまり伝記にはなり得ないだろうな地味な領域の子。
それをあえて「ヒーロー」とした明治政府て、やるなあとは思うんですが
同時にそれをヒーローだとして教育する目的の先に
「国の為に命を捧げよう!」があったのだとしたら

と、いうのを考えられる分、我々は令和に生きててよかったなとは思います。


漫画って、いろんなタイプがあるんだけど。
広告だの伝記だの色々やってみて、「やりたいのはドラマなんだよなあ」
というのと、
でもそのドラマが難しい。
諦めないでチャレンジだけはしていきたいけど。
「いやだから同人誌で出すって言ってるじゃないですか
迷惑かけないなら何やったっていいじゃないかて諭吉が言ってます」
て、そんなところです。


文章で書いてった方がいいかなと思う部分もあるので
それは間のイベント合わせで副読本として出す事にいたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年とアタラクシア

2021年01月01日 | 雑記
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

昨年はなんだか奇妙な年になり、取り巻く周囲がシュールだなあという感じでしたが
21世紀らしくなってきた気もします。
昔、サイバーパンクで散々描かれた未来に来ているわけです。
(昭和生まれだとそう感じますぜ)

「テレビ電話」で会話して、防毒ではないけど全員マスクをつけて。
通信装置を手に、全てが商品になり得る社会。
新種のウィルスと戦い、数字1つのミスで自分であることが照合されず
温暖化で洪水が起き、火事も起き、ロボットが掃除をし
情報は恐ろしいスピードで人を繋ぎ、一方で情報が見知らぬ人を攻撃する
これがSFでなくて何なんだと。

しかし、シュールでもサイバーでも現実は
思ったよりディストピアではなく、もちろんユートピアでもありません。
受け入れ難い未曾有の何かも、結局は現実
今日何の日で、納品はいつでというスケジュールにのまれながら
「なんとか日々をやりくりする」だけなんではないのか?
とも思えます。


私は相変わらず、漫画をやっております。まあ、金になるならないはともかく
何度かやめようと思いながらもやめずにいます。

で、去年の奇妙な現実の中
今頃になって初めて、「漫画を描いている」ってのは
あ、ここは私の中心地で、揺れないリアルなんだなと気付いたのでした。

もちろん私なんて大したことはなく
フォロワーもRTもいいねも
「数をこそ競え」の世界では、消え入るようなものでしか無いのですが


そういうものとは無関係に
もう30年以上やってきた、当たり前〜なこと。
シナリオをノートにやって、ページ分割をして
ネームをB5の用紙にやって、下書きして…という作業工程のそれ
その繰り返しで日々が過ぎて、また作品ができる。あるいは納品する

もうそれがあればいいじゃないの?

(それ以上でも以下でもないけれど)

これが自分にとってのアタラクシアなんだろうな、と思いました。
心の平穏ってやつですかね。


結局は、作品を完成させる為にいろんなもの取材したり
考えたり、たまにはデッサン練習もしたり
テーマを模索したり、必要な道具を揃えたり、たまには交流もしたり
そういう、制作を取り巻くものは全てひっくるめて結局好きで
現実の大波をかぶっても、大丈夫な場所なんだろうなあと思った次第です。
変な話ですが。


そんなわけで揺るがない所で
自分史上最高のクオリティを追求したいです。

今年もよろしくお願いします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪赤信号になってしまった〜;

2020年12月04日 | 雑記
三浦春馬君が五代友厚を演じるという私向けの映画が公開なんだけど
大阪、不要な外出を控えるようにという事です。

わーん><;

というわけで家です。
まあどのみち仕事のスケジュールが押してるのですが。


頭痛の予兆でイラストレーターさんが亡くなったツイートとか
脅かすね〜
私も頭痛腰痛は常だもんで
コロナとどっちが怖いのか(さあ…)。

シナリオをやりつつ資料探し。


わかんねえわってとこも多いので
とりあえずイメージの羅列です。
しかし出すのかどうかまだわからないです。



あと
チラッとセルゲイ・ロズニッツア「群衆」の紹介を見ましたが
私は「群衆は流されるだけのアホ」という考えにはちょっと待った!です。

流されないよく考えるエリート層と、メディアなどに乗せられ煽られ踊る
「主体性」「考え」の無いモブ

ってさ。

一見そうかもしれないけど
実はそんなにみんなアホでなくて、
ちゃんと考えてたりすると思う。
ただ、個人てのはとても弱い。不安だったり、だから安心できる何かを求めたり
断れない人間関係や、圧力に「仕方なく」だったり
感情的になるトランプ支持者は叩かれるんだけど
感情を人間から取り払うなんて、そっちの方が難しいよ。

で、
このへんは次回の新刊のテーマにもチラチラ織り込んでいきたいところです。

頑張らないとまたどんどん時間が無くなる…

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする