こんなことがありました。

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キヤノンの4.1億画素CMOSセンサー

2025年01月27日 | 機材について
キヤノンから4.1億画素CMOSセンサーを開発の発表がありました。

35mmフルサイズにおいて世界最高画素数の4.1億画素CMOSセンサーを開発 | キヤノングローバル

キヤノンから裏面照射積層センサ採用のカメラが発表されるという噂がありましたが、ちょっと疑問を感じていました。というのは裏面照射センサというのは、通常のセンサと同じようにセンサを作り、その後で裏面から露光できるように、裏面を削って作られます。最初裏面照射センサの実用化のニュースを聞いたときは、エープリルフールかと思いました。原理的にはシンプルですが、歩留まり良く作るのはたいへんな作業です。
なぜこのような難しい工程を行うかと言えば、センサ上の配線は、センサ上に金属を蒸着させて作りますが、この配線パターンは光を通しません。センサーの1セルの大きさが小さくなっていっても、配線に必要な大きさは変わらないのでセンサとして利用できるエリアはどんどん小さくなってしまいます。裏面から照射すれば、配線の影響は受けません。スマホのセンサは限られたスペースに実装しなくてはいけないので、大きなサイズのセンサは使えません。そのためスマホ用のセンサとして裏面積層センサは良く採用されました。
キヤノンはEOSR5で8K対応しましたが、こちらは通常センサです。センサのダイナミックレンジもフルサイズとしてはトップクラスです。つまりこの程度の1ピクセルのサイズであれば、裏面照射センサにする必要はないことになります。またこれ以上高解像度にするニーズも最終的に人が見る写真であれば、あまり必要がないはずです。実際2000面画素以上の画素数差は、プリントした写真で見分けるのは困難です。
EOSR5ⅡやEOSR1は裏面照射センサを採用しましたが、これは積層センサを採用するためと思われます。積層センサはセンサ上に高速動作のための別チップを載せたものですが、今のところ高価なカメラにのみ採用されています。
これをより低価格にするためには、大きな設備投資をかけて、歩留まりを上げていく必要がありますが、今からスマホセンサの市場に参入するのは厳しいし、カメラ市場もこれからの成長はあまり期待できないので、何を目指しているのかと思いました。
今回のセンサは、監視カメラや産業分野をターゲットとしています。この市場であれば、見るのは人ではないので、今まで光学的なズームや、分割露光が必要だった分野で1回の露光で可能になるなどより高画素の需要はありそうです。
キヤノンは将来の事業として監視カメラを上げているので、そちらへ展開のために投資するというのは十分可能性ありでしょう。
その結果として、APS-Cなどより広い範囲で積層センサが採用されるのであれば、大いに期待できます。

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