西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

現憲法の「お勉強」

2013-08-01 | 時論、雑感
この夏休み、日本国憲法を再度学習してみたい、と思っている。最近、書斎にある過去資料を整理していたら、かっての京都府知事・蜷川虎三さんが広く配布された小冊子『憲法』が出てきた。

胸ポケットに入るぐらいのもので、憲法そのものと共に教育基本法や児童憲章も載っている。「憲法略年表」もついていて全体で64頁、「無視」できないものだ。

蜷川知事の当時のスローガンは「憲法を暮らしの中に生かそう」だった。僕が京大の学生、院生ちょっと飛んで京大助手の時、蜷川さんが京都府知事であった。

かっぷく良く、もう一人の「虎さん」だった。

で、最近、参議院選挙で、改憲を狙う安倍さんの自民党に対して真っ向から対決して、「躍進」していると言われる共産党では綱領で憲法がどう位置づけられているのかネットで調べてみた。全体で17項あるうち、12項に次のようにある。

「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす。」 一寸びっくりした。僕らが学生だった1961年の綱領では、「平和的民主的諸条項の完全実施」は追求するが、天皇条項などは「取り除くべし」」みたいな感じだった。戦前、絶対的天皇制打倒を掲げて運動した共産党として当然かな、と思っていた。

ところが2004年(9年前)の綱領改定で、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす。」 となったのである。これだと第一章で八条ある天皇条項も全体としてまもることになる。 これを読んで皆さんどう思いますか。

・・・「第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴 であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」

「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」が大事、天皇の地位は「国民の総意」に基づくものであって、憲法のベース、国民主権は、ここにも貫徹しているのである。

それゆえ、共産党は、これは「君主制でも何でもなく世界に類をみない、国民主権に基づく象徴天皇」なのである、と分析、認識したものと思う。

・・・「第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」と規定、国政に関する権能(内政、外交等にわたる権限)は「ない」と明確にしているのだ。

まあ、こういう訳で共産党は、ある意味では、やっと蜷川虎三さんに追いついてきた?、とも言えるであろう。今後、憲法論議が展開すると思うが、現憲法が「時代遅れ」ではなく、もっとも「先進的なものだ」という認識からは、あれこれの改正は、全く問題にならない、と思う。

どうか、もう一度、現憲法をじっくり読んで、考えてから「思い」を述べて欲しいな。・・・




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3 コメント

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共産党はいらない (うなぎ)
2013-08-01 15:38:50
共産党は衰退の坂を転げ落ちている。現在、共産党の党員は31万8000人。
最盛期49万人の党員だったことを考えると、党勢は縮小の一途を辿っている。
党員の平均年齢は、50歳を優に超えている。
「生活保護受給の相談に来た高齢者を新しく入党させるくらいで、若い党員は増えていなません」(筆坂秀世氏)
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どうかな (ichiro)
2013-08-01 20:53:42
「統制が縮小の一途を辿っている」なら、どうして国政選挙で投票が515万と150万ほど増えたのでしょうか。

勿論、過去800万以上あったこともあるので、それは未だ「回復」していないと言えます。

僕は、何党であれ無視せず、きちんと主張、政策を見ていくべき、と思っています。

ひるがえって自民党の獲得票は1800万位で「最高」ではありませんし、民主党、みんな維新も「ガタ減り」ですよね。これらをどうみるのでしょうか。
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統制→党勢です (ichiro)
2013-08-01 20:55:28
「どうかな」で変換ミスありました。
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