国立劇場の歌舞伎鑑賞教室を観る。
6月は『壺坂霊験記』 -沢市住家の場、壺坂寺観音堂の場、谷底の場
坂東亀三郎(座頭の沢市)、片岡孝太郎(女房お里)
7月は『義経千本桜』 -渡海屋の場、大物浦の場
尾上菊之助(平知盛)、中村梅枝(典侍の局)
この教室は、平日午前の部は高校生、金曜夜の部は社会人向けになっている。
壺坂霊験記は夫婦愛を描いたもの。学校側の思い入れがあるのかもしれないが、貧乏な夫婦の物語りなので衣装が映えない。学生が初めて歌舞伎を見るのに、印象が悪いなあと思っていた。
義経千本桜。前月とは逆で衣装の豪華さに目を見張ってしまう。菊之助は女形が多いのだが、今回の立役はとても格好がいい。知盛が碇を担ぎ上げて海に投じてわが身を海中に引き込む場面に至る大物浦の段では、煌びやかな衣装で目を引き付ける。高校生にはこっちのほうがいいですね。 梅枝は美しい。満員御礼の札が出ていました。