国立劇場(小劇場)5月公演。文楽の初体験であります。
脳梗塞による療養から復帰された竹本住太夫さんが出演するというので、見逃してはならじと勢いでチケットを購入した。初日が5月11日、千穐楽が5月27日、その千穐楽の第二部、つまり5月公演のほんとの最後でありました。(住太夫さんの写真はmsnニュースから)
▼第一部
『一谷嫩軍記』(11:00~12:53)
『曽根崎心中』(13:23~15:03)
▼第二部
『寿式三番叟』(16:00~16:40)
『心中天網島』
・北新地河庄の段(16:50~18:23)
・天満紙屋内より大和屋の段(18:53~20:13)
・道行名残りの橋づくし(20:16~20:32)
住太夫さんの出演は『寿式三番叟』。テレビでみたことのあるお顔とは違って、やつれた感じがした。声も若干ではあるけれど、弱いような気がする。早く元気になってほしい。三番叟は歌舞伎の演目としてみたことがあるが、人形浄瑠璃では飛んだり跳ねたり・・見慣れた歌舞伎とはまったく異なった別ものだった。人形浄瑠璃は別の芸術として惹かれるものを感じました。
二つ目の演目は『心中天網島』。近松門左衛門の名作として名前は聞いていたが、見るのは初めて。
東京新聞5月5日に、豊竹咲太夫さんが「天満紙屋内より大和屋の段」を通しで語るのが51年ぶりとの記事があった。「通しで語ることで、妻子ある紙屋治兵衛の遊女小春への思いが高まり、心中に至る心の動きがより深く描かれるという」と書かれていたが、ぐいぐいと引き込まれていってしまった。
公演解説(写真:左)は600円。とても素晴らしい出来です。付録もついてました。この付録は心中天網島の人物相関図です。
登場人物はそれほど複雑ではないが、紙屋治兵衛の亡父と治兵衛の妻おさんの母は兄妹の関係。治兵衛とおさんはいとこ同士の夫婦であり、二人の子供 勘太郎とお末がいる。治兵衛と遊女小春との恋仲を心配する治兵衛の兄が粉屋孫右衛門。小春に横恋慕するのが江戸屋太兵衛。治兵衛とおさんを力づくで引き離そうとするおさんの父が五左衛門。それぞれの個性が太夫によって演じわけられる。
見終わったあとは疲れがどっと、どっと出てきてしまったけれども、また見たい!!
これだけ堪能できるなら観劇料はとても安い。一等席6500円、二等席5200円、三等席1500円。