うちのベランダには、実(ぎんなん)から育てたいちょうの木が鉢に植えてある。
その後、イチョウは中国のあたりで実を食べたり幹を木材として利用したりできることに気付き、中国から日本に伝わったらしい。
あたり前に身近にある木で、あんまり調べようと思ったこともないけど、この本読んだら知らないことだらけ。
「イチョウは、恐竜たちが主役だった時代にもっとも栄えた植物で、『生きた化石』ともよばれる木。
氷河期の絶滅の危機をのりこえて、人とともにくらすことで、現代まで生きのびてきた」らしい。
へえ~。
「今から2億5000万年ほど前、この地球に恐竜が登場しはじめた時代のことです。わたしたちイチョウの仲間は、進化をしながら種類をふやし、広い地域に繁栄していました。
恐竜のかげにかくれて、小さなほ乳類も登場しはじめますが、主役は恐竜や昆虫たちでした。植物ではシダ植物のほか、ソテツやイチョウ、そしてスギやマツなどの木の祖先が栄えていました。
恐竜が地球の主役だった1億数千万年もの長い年月を、わたしたちイチョウの仲間もまた森の主役のひとつとして、いまとはくらべものにならないくらいに栄えていたのです。
そんなわたしたちも、気候の寒冷化など地球の環境が変化する中で、恐竜たちが姿を消してゆくのと歩調をあわせるようにしだいに仲間の数を減らしていきます。
同時に花びらをもつ新しい植物がしだいにふえていきました。
恐竜にかわってほ乳類の種類がふえ、最古の人類が登場する400~ 300万年前になると、わたしたちイチョウは、絶滅の一歩手前にまで追いやられてしまいます。
そして人類が文明を築きはじめるころには、それまで多くいた仲間のうちただ1種だけが、アジアの山奥にひっそりとくらすようになったのです。」
すごー。人間が登場するずっとずっと前から、イチョウはこの地球上に存在していたんだ。
その後、イチョウは中国のあたりで実を食べたり幹を木材として利用したりできることに気付き、中国から日本に伝わったらしい。
「14世紀に中国から日本へ向った沈没船からギンナンがみつかっていることや、各地のお寺や神社にイチョウの古い木が多いことから、薬としてギンナンがお坊さんによって日本にもたらされ、お寺などにまかれたたねが育って日本に広まったのではないか、と考えられています。」
なるほど。
その他にも、イチョウの葉には植物の成長をおさえる成分が含まれている(つまり畑にまけば雑草の成長を抑えられる?)とか、虫よけの効果がある(さっと洗ってから乾燥させて布の袋につめてタンスに入れておくと虫がつかない。)とか。
イチョウの幹はまっすぐで、木材の質もきめ細かく密なので、特にまな板としてプロの料理人から好まれているほか、将棋盤や駒、碁盤としても利用されているとか。
知らないことばかりだった。
おもしろい本だった。
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