「人材や技術を生かせたのか」正論大賞受賞記念大阪講演会で櫻井よしこ氏
産経新聞3月31日(木)20時6分
|
第26回「正論大賞」(フジサンケイグループ主催)に輝いたジャーナリスト、櫻井よしこ氏の受賞記念大阪講演会が31日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルで開かれた。「勇気をもって国難を乗り越えよ」をテーマに東日本大震災における政府の対応などを論評。「せっかくの人材や技術を生かせたのか」と、国家の組織を生かしきれない民主党政権を厳しく批判した。
聴衆約1500人を前に櫻井氏は、未曽有の自然災害にもくじけない被災者の勇気や冷静さに感嘆したと語るとともに、救援活動に取り組む自衛隊や消防隊員らの活動ぶりをたたえた。
一方、震災後の政府の対応にはまるでリーダーシップが見られないと批判。国難に対処する際に国家機能をフルに発揮することができる安全保障会議を開かないことに対し、「国家としての組織があったのか」と述べた上で、「開かない理由を尋ねると『忙しすぎて開けない』という。関西流でいえば『あんた、あほとちゃう』というような体たらくだ」と皮肉った。
原発への対処についても、内閣参与を次々に任命したことを挙げ、「助言する人が多く、逆に対応が後手に回っている」と指摘。「米国からも持てる力が発揮されていないと指摘されている」と述べた。
また、空母まで動員して米軍が救援活動に従事する傍ら、領空侵犯に近い行為に及んだロシアの例などを挙げて、「本当の友達がどの国なのかはっきりした」と語った。
櫻井氏の東京講演会は4月27日午後6時から、東京都品川区のゆうぽうとホールで開かれる。
櫻井氏はシンクタンク・国家基本問題研究所を設け「日本人の誇りと志」を取り戻そうと活動。ぶれない姿勢、切れ味鋭い論調が評価され、正論大賞が贈られた。