「バイオマス原料、作付けしたい」飯舘村長、農相に提案
2011年4月9日19時0分 <script src="http://static.mixi.jp/js/share.js" type="text/javascript"></script> <script type="text/javascript"></script> <script src="http://b.st-hatena.com/js/bookmark_button.js" type="text/javascript"></script>
イネを作付けできない水田で、バイオマス燃料の原料となるヒマワリやナタネなどを作付けしたい――。福島第一原子力発電所から漏れた放射性物質による土壌汚染が確認された福島県飯舘村の菅野典雄村長が9日、同村を訪れた鹿野道彦農林水産相に提案した。
政府は8日、土壌中の放射性セシウム濃度が土1キログラムあたり5千ベクレルを超える水田では、イネの作付けを禁止するという基準を発表した。近く作付け禁止地域を定めるが、飯舘村では基準を超える水田が出ており、村全域の水田が作付け禁止となる可能性がある。
菅野村長は9日の会談で、禁止地域でバイオマス燃料の原料となる農産物を作付けして農地を維持・保全し、農家の営農意欲も支えたいと説明した。鹿野農水相は「どういう作物が(放射性物質を)吸い上げる量が少ないのか研究し、具体的な取り組みをしていきたい」と答えた。
チェルノブイリ原発の事故では、周辺の汚染土壌にナタネを植えた実績がある。農水省内でも、作付け可能な農作物を検討すべきだとの意見が出ている。
菅野村長は「放射能汚染の被災地として、飯舘村が世界のモデルとなる復旧・復興を果たすため、産官学一体で前例のない施策が必要」などとする提言書も提出した。国か東京電力の直轄事業として、バイオマス燃料の製造プラントを村に設けることも提案した。(木村裕明)