犬小屋の中へ

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中国インディペンデント映画祭

2008-09-01 01:12:46 | 映画
中国インディペンデント映画祭に足を運んできました。これは国内での検閲を受けていない映画を上映するイベントで、それだけに自由な表現で辛辣なテーマを扱ったものもあり、非常に見応えがあります。
以前幕張の海洋映画祭でみた中国映画「海鮮」もとても中国国内で上映できないような代物でしたが、それだけにリアリティを感じ印象に残っています。
今回はこちらの映画を見てきました。

草芥
(公式サイトより抜粋)
引越屋で働くさえない男のマーイーは、ある日娼婦のフーディエに一目惚れする。二人は次第に打ち解け、親戚に紹介するまでになるのだが、彼女の夫の出現によって淡い夢は打ち砕かれ……。
社会の底辺で生きる者たちの鬱屈した世界観が巧みに描かれている。主演はロック歌手で作家の麦子。

非常にさえない青年が主人公、近くに住む女性に横恋慕して身も心もボロボロになり、救いのない展開で終わる。。といった映画でした。これは国内じゃ流せないでしょうね。とにかく主人公が、絶対にこうはなりたくない典型のような人物なのですが(女性の家に盗聴器はしかけるわ、とにかくいつも足下がおぼつかずフラフラしている)、それだけに生々しさをも感じました。音楽は主演の男性を演じたミュージシャンの方が作られたそうですが、全体の世界観を包み込むような、薄暗く低くうなるようなベースの音はパリ・テキサスあたりをちょっと意識したんでしょうか、作品とぴったり合っていました


馬烏甲
(公式サイトより抜粋)
中学生の馬烏甲は、教師の母親と病気の幼い弟の3人暮らし。素直な彼は、理不尽な母親の要求も、弟への輸血も当然のように受け入れてきた。しかし、クラスの女の子に恋をした時から、彼は自分の境遇を疎み始める。
思春期の繊細な感情を、美しい映像で綴った瑞々しい作品。

低予算でありDVカメラで撮られているせいか、かえってその場の自然にあふれた空気感が色濃く出ている作品。兄弟のやり取りにもリアリティがあり弟の、兄が女友達と遊んでいるのを見て嫉妬して暴れたりするシーンにはぐっとくるものがありました。主人公・馬烏甲の置かれている境遇は辛くもありながら、家族たちを見守るような叙情的な映像で展開されていく。。
と思いきや最後に事態は急展開、ここでオープニングの映像がこの展開の伏線だった事に気づかされます。そしてその顛末が放置されたままエンディングを向かえる。。いや、読解力がないだけでひょっとしたらちゃんと結末になっていたのかもしれないですが、かなり唐突な感じで終わってしまったので、それだけに予定されていた監督とのトークイベントが中止になってしまったのは残念でした
あと。。中国って一人っ子政策で兄弟NGなんじゃなかったでしたっけ?その辺詳しくないんでちょっと理由が解らなかったですが。

今回は時間の都合でこのラインナップを見ましたが、他の作品もかなり評判が高いようです。そんな訳で今週末まで上映されているので、興味を持たれた方はぜひ

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