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剣道の全日本選手権

2005-11-05 23:16:17 | 剣道
11月3日の文化の日は、剣道の全日本選手権大会が開催されました。これは全国の都道府県を勝ち抜いた選手達によって、大きな玉ねぎでおなじみ(?)の日本武道館で天皇杯をめぐり繰り広げられる大会で、剣道をやっている人にはプライドやK-1をしのぐ、毎年一番の楽しみなのです。

自分も今回、出場してきました。...いや選手ではありません、大会の係として(笑)朝早くから来場している方はよくご存知だと思うんですけど、選手入場とともに薄暗かった会場内がパッとライトアップされるんですよ。それがボクシングのリングを思わせるようなまばゆいばかりの光で。沢山の観客を前に、この最高の舞台で試合ができる事は剣道家にとって一つの夢なんじゃないかと思います。(上の写真は日本武道館の天井部)
そして、今年はまれに見るドラマチックな展開でした。冗談、いや上段の選手が2人も上位に残ったのも珍しかったのですが、最終的に決勝に残ったのは、東京警視庁のベテラン・原田悟選手と同門の警視庁のホープ、内村選手。延長の末、裏から竹刀を押さえて内村選手の起こりを誘い、見事なコテを決めて初優勝を飾りました!

優勝した原田選手、ここまでの道のりは本当に長く、そして厳しいものでした。
今からさかのぼること9年前。初出場で初めて全日本に出場した原田選手は、23歳という若さにして決勝の舞台にたち、準優勝になっています。その後何度となく上位に食い込み、その実力を認められながらもあと一歩のところで手が届かずにいました。
去年の決勝は8年ぶりに決勝の舞台に立ち、誰もが、放送局であるNHKのカメラワークさえも「優勝」を確信した撮り方でした(一方の勝ち上がった鈴木選手はそんなにアップがなかった...)。試合も原田優位かと思われる中、意表をついた面を打ち込まれ涙を飲んだのでした。8年という年月をかけて登り詰めた決勝での敗北は、悲痛さを感じさせるほどでした。

そして...今年度の悲願の優勝。この会場に足を運んでいる人は皆、原田選手のそんな歩みを知っているからか、相撲の千秋楽の優勝決定戦のような惜しげも無い拍手と歓声が。自分も今まで何度も大会に足を運んでいますが、おそらくあの歴史的名一番(と勝手に思っている)、栄花×宮崎戦以上のものだったと思います。中には「いいぞー原田ー!」というおやぢ、いやおっさんの声もちらほら。最後のインタビューで笑顔を見せるシーンを間近で見て、思わず涙が出そうになってしまいました....。

一瞬の打突で勝敗が決まってしまう剣道、並みいる強豪ぞろいの都道府県の予選を勝ち抜くだけでも半端な事ではありません...普通なら妥協してしまうところですが、この日の一瞬のために9年という時間を賭けて来たそのストイックな姿は、剣道をやる人以外にも感動をよんだ事と思います。だって9年といったら、0歳の赤ちゃんが小学3年生になってしまいますからね。原田選手も32歳、剣道ではベテランとよばれる世代に突入しました。
翌日の新聞に掲載されてましたが、原田選手が自身の子供に関して「剣道は子供にはやらせたくない、厳しい道だから」と語られているのを読んで、一般人として楽しみながら稽古している自分と比べても...毎日どれだけ苦しい稽古を積まれているのかが想像できます..。

その日の夜、テレビのスポーツニュースではほとんど取り上げられずに(放送したNHKですら)、一つの局で「勝ったのはどっちだ~?」みたいなくだらないふれこみでチラっとだけ放送されてました。やっぱり剣道の世間的な認知って、こんなものなんですかね...。
いつもこのブログを読んでいただいている方には、オチもなく、そしておそらく知識のないであろうマニアックな事をつらつらと書いて、全く楽しめない内容になってしまったと思いますが....すみません。
おわびといってはなんですが、下のトントン剣道でもダウンロードして遊んでみて下さい。

トントン剣道

次回は、もう一度剣道の話で...行きたいと思います。

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2 コメント

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感動しましたよ (matsumo)
2005-11-06 22:24:15
chocomamaさん、こんばんは。自分はリアルタイムで原田さんのこれまでの経緯を見ているので、その感動もひとしおでした。

勝って学ぶ事よりも、負けて学ぶ事の方が多い、との言葉通り、その敗北を糧にして一回りのふた回りも強くなっていく過程に心打たれましたね。

これを機に、剣道ファンが増えてくれればいいんですけど..。解りにくいですからね、判定も。
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Unknown (chocomama)
2005-11-06 03:32:33
もう、そんな時期だったんですね。

原田選手よかったですね!



苦しい思いをして勝利を手にした人は本当の意味での敗北を知っているのだと思う。



苦労もしないで優勝したときよりも

沢山の敗北をしたときの方が学ぶことはたくさんあって、敗北の数を成長に変える努力さえ怠らなければ、



私は真の勝利を手に入れられる人だと思っています。





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