市川稔の米(マイ)情報

コメ問題は在庫問題

3月7日のブログで国内のコメ消費動向、購買動向のアンケート結果を紹介させていただきました。


どこで買うか?


第一位はスーパーで45%だが、数量ベースで行くと35%ほど。


第二位 購買調査ですが、買っていない、無償でもらっている、比率23、数量24%。


驚くことなかれ、これはだいたいこれくらいで推移しています。

地域によりかなり差がある。

西日本で特に顕著では?

零細の兼業農家多く、地産地消でまわる率が大きい。


生産者から直接購入、率は7,2%くらいだが数量だと13%くらいになる。

アンケートは傾向をみるもの。


これでみると、全体の4割弱がタダか生産者から直接ということに。


このまま受け取れないが、傾向としてそうなっている。


ネット通販が二桁に乗せたのは大きいこと。



今朝のテーマは米生産と流通の問題点。



コメ生産に対しては目の玉が飛び出る程の税金が投入されています。



なぜ税金が投入されるか?



田んぼを守る、景観を守る、地域を維持する。


コメといえば普通、ごはんとして食べるコメを想像します。


主食というか、普通に食べるコメに対しての補助、助成は減らす。


鶏や豚、一部は牛が食べる飼料にコメを使う。

飼料向けにコメを作ると補助金が出る。

捨て作り防ぐために収量により補助金の金額を変えるとか。


タダであげている生産者に補助金出すのは(?)の10乗ですね。






一方、生産農家、農協から販売委託を受けたコメがあります。


一般的にスーパーで売られているコメはそういうものが多い。


全農が売却する玄米です。


そのシェアはどんどん低下して、平成25年産米はおよそ252万トンとか。


主食用米の生産高およそ800万トン(玄米)なのでいかに少ないか分かりますね。


それが売れていない。


1月末現在で前年比61%、数量で63万トン減。

前々年同期比67万トン減。


契約分含みおよそ100万トンしか売れていない。


そのまま行けば、50~60万トン持越し。


24年産米の生産者に支払う概算金を前年比およそ2割引き上げて集荷シェア上げる作戦が失敗した。

小生はその時、これは無謀な政策だと主張しました。


その高値の24年産の在庫で米卸、米会社は評価損などで赤字になっているところが多い。



今日のテーマは在庫です。



在庫のないビジネスはいいね。


保険、マッサージ、塾、教育、お掃除、クリーニング、美容、理容・・・・



穀物は在庫ビジネス


どこかに在庫する必要あり。



他社の荷物を預かる倉庫業とは違います。


預けている側の問題。



全農在庫は誰のものでしょうか?


全面販売委託契約というものを農協へ出荷、全農に委託販売している生産者はよく理解していないかも?


農協や全農は手数料ビジネスです。

倉庫代、入出庫代、仮払いで支払った金額の金利、手数料など。


実際に売れた金額から経費を差し引いて精算する。

その精算が翌年末や翌々年になるのでいったいいくらだったのか計算できない。

手法はいくらでもやり方ありますが、要は在庫リスクは最終的に販売委託した生産者にある。



だから、規模を大きくした生産者は自分で在庫リスク持っても自分で販路を探す。



大きくやればやるほど、在庫リスクが問題になる。


生産者(法人もグループも)


扱う米会社も




米扱う会社が全量買い取り保証するというのは金額記入しなければ可能だがそうでない場合はリスクを背負い込むことになる。


秋の相場で買い、秋の相場で売るビジネスは別です。



コメ問題は在庫が一番の問題です。


足りなければパニックに。

余れば相場暴落に。

税金投入もあるし。



小生の会社ではひとりひとり事情が違うのでそのあたりは生産者と相談して行っている。

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