秋田県由利本荘市矢島(田中町)にある元妓楼、錦字楼(錦旅館)。「秋田県の遊廓跡を歩く」によると、大正14年に刊行された「裏日本実業案内・羽越版」由利地方の貢に「和洋御料理・錦字楼」の広告があり、旅館のご主人が人づてに聞いた話によると、創業は、明治の終りから大正の初め頃。
往時の錦字楼(玄関前)
料理屋として創業した錦字楼は、昭和26年に旅館に転業し、屋号も錦旅館となった。店には酌婦を兼ねた住み込み女中がおり、旅館のご主人が物心ついた昭和30年代頃にも3、4人の女中がいて、大人の秘め事を何度か目撃した事があったのだとか…
出征兵士の壮行会と思われる写真
錦字楼・きえ子さんのブロマイド
同じ時代の酌婦さんでしょうか…
外の県から来た酌婦さんと養女にした方でしょうか…
裏には山形県の有名な相馬楼の舞妓と書いてある様です。
明治の写真。左側は創業者の方でしょうか…
裏側
錦字楼の大福帳
日付、お座敷の酌婦さんの名前、洋食名やサイダー、ビール、タバコなどが書いてあります。
ライスカレーの文字もあります。
昭和12年の大福帳↓よく見ると「ツキンライス」の文字?チキンライスの事でしょうか?
上の日付と下の酌婦さんらしき名前の間に何ヵ所か「ヒル、2回」と書かれているのが気になりますf(^_^;)
昭和拾四年の大福帳↓右端にある「千代のや」の文字。当時近くにあった料理店に芸妓を派遣させていたとか。錦字楼は置屋としての業務兼ねていたと思われます。
(o・ω・)ノ))次回は、有形文化財に指定されている豪商の建物と洋風建築も建ち並ぶ矢島の古い街並み。先ほど紹介した大福帳にも屋号があった「千代の屋」「牧亭」のあった辺りなどを紹介します。