探訪日 2017年10月9日
※数年前の古い画像になります。
前回紹介した土崎港稲荷町の赤線跡を探索中、幸運な事に色々な条件が重なり大正亭の建物の内部を見学させていただく事が出来ました。
家主のお婆ちゃんは東京都出身で、昭和30年にこの家へ嫁いで来たらしい。
この「大正亭」は名前の通り大正時代からの建物で、昭和4年発行の『全国花街めぐり』でも紹介されています。
旧「大正亭」。土崎で唯一現存する遊廓の歴史を伝える貴重な建物。
2階部分の手摺りと二重庇が美しいです。
玄関の竿縁天井に飾られた硝子グローブは洋風デザイン。
ひょうたんの飾り窓
それではお邪魔します…
漆喰の装飾が遊廓らしさを物語っています。
入り口から左手に2階へ続く階段と丸窓が見えます。
家主のお婆ちゃんは現在独りで住んでいるそうで、息子さんが新しく家を建て同居をすすめられているらしいのですが、お婆ちゃんは、この建物がお気に入りで住み続けているのだとか。
「奥にトイレがあるんだけど、素晴らしいから是非見て来て」とお婆ちゃん、早速見せてもらいました。
トイレへ続く廊下。
更に奥のガラス戸をガラガラガラ…
明かり取りの窓と壁の装飾とタイル…
昔は小石がある所が洗面台だったと思われます。凄くお洒落!
洗面台下の当時物のマジョリカタイルの装飾。
洗面台下の当時物のマジョリカタイルの装飾。
日本では大正初期~昭和初期にかけて多く生産されていたそう。
曲線デザインの漆喰、ひょうたん形の切り窓に洋風タイル、正に妓楼建築。
曲線デザインの漆喰、ひょうたん形の切り窓に洋風タイル、正に妓楼建築。
素晴らし過ぎて感動しました!
トイレへ向かう途中の廊下。窓枠のデザインと磨ガラスの組み合わせも凝っています。
1階部分には、お婆ちゃんが数年前まで開いていた美容院があります。コチラも綺麗にされていてお洒落な雰囲気。
※次回は2階部分を紹介したいと思います。
1階部分には、お婆ちゃんが数年前まで開いていた美容院があります。コチラも綺麗にされていてお洒落な雰囲気。
※次回は2階部分を紹介したいと思います。
撮影日 2017年10月9日
詳しい内容や歴史、インタビューがコチラの本で紹介されています。
詳しい内容や歴史、インタビューがコチラの本で紹介されています。
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「秋田県の遊廓跡を歩く」
文・小松和彦
写真・渡辺豪