私は週一回、定期的に指導対局を受けております。
手前味噌ながら、その効果を最近実感しており、居飛車を持った時に仕掛けに成功したり攻めが繋がることが、以前より多くなりました。
尤も、振飛車の方は上達しておりませんが。指導対局で居飛車ばかり指すからでしょうね。
この指導対局について、山田先生の教えを見つけましたので、引用させて頂きます。
「私はけい古将棋で、定跡手順をあまり教えない。不親切のようだが、定跡は本にいくらでも書いてあるのだから、それで勉強すればいいという主義である。(中略)私は、その人に局面を正しくみる「目」、つまり正しい大局観を植え付けようとする。(中略)大局観ー局面を見る「目」は、手を考える(読み)のときの基礎になる。」
(初心ノート、「初心者のため」により[1])
確かに、私の先生の指導方法も、この教えと整合しています。
この山田先生の教えを、コンサル風にチャート図にしてみました(山田先生に怒られるかもしれませんが、今の時代ではこういうのが求められます)。
上図は私自身が意識していることでもあります。上達方法は一つに偏らせるのではなく、複数の方法をバランスよく採用しつつ、それらの相乗効果を意識するのが肝心だと思います。
特に、③自己反省には将棋ソフトを取り入れたいところです。まずは自分で指手を見つけるべきですが、もしそれを将棋ソフトが明らかな悪手判定をすれば、指導対局で試す価値は殆どありません。あなたの貴重な時間とお金を使って指導対局を受けるのですから、こういうチェックは必要です。ただし、たとえ将棋ソフトが好手判定しても、指導対局で有効である保証はありませんが。
それでは、上記①~③を実施するための環境が整っているかといえば、まだまだ課題が多いと言わざるを得ません。
・棋書は正しいことを書いているか?
・指導対局はアマチュアの大局観形成に主眼が置かれているか?
・将棋ソフトは、アマチュアの指手チェックとして有効に機能するか?
残念ながら、上記3つの具体的質問に対して、常に「YES」とは言えないのです。詳細な理由は差し控えますが、一つ言えるのは、将棋業界も商売で成り立っているということです。
すると、将棋業界のビジネスモデルは現状のままで良いのか?という疑問に行きつきます。どうやら、炎上リスクのために避けていた「経済」にまで、話が大きくなってしまいました。
以上は私の個人的な考えですが、将棋上達の一助になれば幸いです。
【参考文献など】
[1]山田道美将棋著作集、大修館書店、第六巻、pp.104 、1980年
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます