学生軟式野球全力応援! のブログ

学生軟式(高校、大学)を中心としたブログ。主に記録等を載せていきたいと思います。不定期更新です。

ある高校球児の秋から夏までの1年弱-6

2014-12-11 00:00:00 | 高校硬式野球
○この打席への思い

実際の画像である。

9回表、マウンドには田嶋くん。

そしてバッターには彼である。

実際、興奮していて途中の経過は覚えてません。

涙も重なって、頭の中は真っ白になってました。



ただ、最後の投球。

スライダーで空振り三振だったのは覚えています。




田嶋くんとしてみれば、

・・・スライダーに磨きをかけたい

そんな言葉をどこかで聞いていた。

だからこそ、この彼に磨きをかけたスライダーを見てもらいたかったのかもしれません。

彼はその成長を快く引き受けたのかもしれません。

立派になったな。

そんな声が聞こえてくる気がしました。




その後、佐野日大は作新学院に決勝で敗れ、

田嶋くんは、JR東日本に進みます。




あの試合が終わった翌日。

たまたま、彼の学校の近くを通ると、

部員のみんなと一緒に自転車に乗る彼の姿がありました。

どことなく寂しげだった記憶があります。




そんな彼も、あとわずかで卒業します。

そして、就職の内定ももらったそうです。




実は、インターンシップ研修後に職場内の人からこんな話を聞いていた。




「彼、将来はパティシエになりたいんだって」

実は彼、そのために貯金をしていて、学校に通うお金にするんだそうです。

芯の通っている彼です。

多分、その夢を叶えることでしょう。

野球で身に着けたブレの無い心。



そんな彼を今後も親心として見届けたいと思ってます。

約1年間追っかけてきた彼の青春。

いい好青年として、いつかどこかで会えたらと思ってます。

(おわり)
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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-5

2014-12-09 00:00:00 | 高校硬式野球
○対決の時



佐野日大先発は、稲葉くん。

センバツ大会以降、2番手投手を育成が課題だった佐野日大。

秋の関東大会で先発したのだが、初回に大炎上を起こし、

センバツでは守備、打撃に徹した稲葉くん。

春の大会、作新学院戦では好投していた。



先制は佐野日大。試合の落ち着いていない初回に

見事2点を取る。




その後、彼の高校も追撃を図る。

ヒット攻勢で、1点ずつ取り、佐野日大をおびやかせる。

スタンドも盛り上がっている。




そして、田嶋くんはブルペンでピッチングを始める。

夏休みの始まるころである。

小学生が田嶋くんのいるブルペンに集まり、注目している。

彼はというと、相変わらずの裏方だった。




7回、いよいよ田嶋くんがマウンドにあがる。

ここは逃げ切りたい佐野日大。

エースを登場させた。




そんな田嶋くんを、ベンチで見ていた彼。

何を思っているのだろう。

彼と勝負したい気持ちは絶対にあるはず。



どこかで勝負させたい気持ちがあった。



8回裏、佐野日大が追加点をあげ、いよいよ

佐野日大が勝ちに王手をかけた。

残るは9回表の攻撃のみ。



その9回表、彼の高校のスタンド方面から、

歓声が沸いた。

「○○くんに代わりまして・・・」

代打が告げられた。

彼がバッターに立つときが来た。




いよいよ、願いがかなう時がやってきた。

ボーイズバッテリー対決。

その時の手の振るえは今でも覚えてます。




注目の時がやってきた。

約1年間待っていた時が今そこに。



(つづく)
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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-4

2014-12-07 00:00:00 | 高校硬式野球
○思いよ、届け!



春の県大会のベンチ入りメンバーを、再度確認してみた。

彼の名前は載っていたが、二桁背番号、外野手であった。

何があったのかは、今でもわからない。

それを聞くのも悪い気がして、今でも心の底で眠っている。




やがて、夏の大会になる。

春の県大会では温存していた田嶋くん。

甲子園でベスト4という成績をおさめ、

関東大会推薦が決まっていたためか、

彼を休ませていたが、夏の大会、いよいよ登場してきた。




そんな中、彼はベンチ入りメンバーには入っていたが、

2桁の番号であった。

最近ではスターティングメンバーの中には、

フツーに2桁の背番号をしている選手がいるが、

彼は違っていた。



ヒットを打った選手のフットガードを取りに行ったり、

打った選手のバットを取りに行ったりしていた。

ただ、見ていて思ったのが、手際がよかった。

場の空気、周りの空気を読めているのか、

舞台裏の仕事をきっちりこなしているようにも見えた。

そんな彼がレギュラーじゃないのはもったいない。

つくづく思っていた。




これじゃ、願いはかなわないかもだ。




ボーイズバッテリー対決。

今年、一番見たかった場面である。

決勝戦、甲子園なんかは2の次。

一番観たいのは、その場面。

ある意味、親心みたいなものが出てしまい、

なんとしても、彼をグラウンドに引きずり出したかった。





ただし、夏の大会にはチャンスがあった。

佐野日大と彼の高校のトーナメント表の山が近くであった。

うまくいけば3回戦で当たる。

そして、その試合の予定は休みと重なる。

1年間追い続けた甲斐がある。




そして、その舞台が整ったのである。

3回戦、いよいよプレイボールである。


(つづく)

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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-3

2014-12-05 00:00:00 | 高校硬式野球
○彼の実力



話を秋の県大会2回戦当時に戻します。



ちょうど休みの機会と重なったので、

彼の試合を観に球場に出向いた。

守備練習から、一番声が出ていたのが彼であった。

気合も充分である。




スターティングメンバーが発表された。

最初3番といっていた彼だったが、

この試合の時は4番に座った。

4番、ファーストである。




ボーイズリーグの時はキャッチャーを務めていた彼だが、

エースとキャッチャーが同じ中学校だったこともあったのか、

彼は野手を選択したみたいだった。



のらりくらりとした相手ピッチャー。

1つのプレイごとに守備をがらりと変えてくる。

正直、引き締まったプレイに水を差すような相手ではあった。

味方チームの度重なるエラーで、監督のゲキがスタンドまで届いた。

しゅんとなるチーム一同。



ただ、彼だけは違っていた。

打席に入る前の素振り、屈伸運動。

それ自体で、野球の経験を積んでいるなと分かるオーラが漂っていた。



大切なことは、どんな状況下であってもブレないこと。



僕自身、その言葉をこの試合で学んだ気がする。

結果、4打数3安打。2塁打1本。

後半の1打席では、ヒットで塁に出た後、たった2球で2盗、3盗を決めてしまう。




彼のプレイに目を見張るものがあった。

この試合のベストプレイヤーは彼だった。




秋の県大会は残念ながら、次の試合で敗戦することになる。

ただ、この時点では彼の来季のプレイが非常に期待出来るものであった。




しかし、春の県大会。

スコアボードに彼の名前が刻まれることは無かった。


(つづく)
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ある高校球児の秋から夏までの1年弱-2

2014-12-03 00:00:00 | 高校硬式野球
○田嶋大樹くん




田嶋くんが2年生の時の夏。

準決勝で作新学院と当たる。

その試合を球場で観ることとなった。



作新が決勝に進むのであろうこの試合。

簡単に試合をさせなかったのが、田嶋くんである。



140km台のストレート、キレのあるスライダーを決め、

点数も序盤の1点のみに抑える。

作新も相当苦戦していたが、

田嶋くんの特徴でもある振りかぶりが大きい為か、

ダブルスチールを2回ほど決められてしまう。

それでも、しのぎを削り、追加点を許すことはなかった。



結果として、作新学院が勝利を収めたが、

頭に残ったのは田嶋くんだった。



よくよく調べてみると、

U-15代表で世界選手権に出場。

ボーイズ時代に世界大会の代表に選ばれている。

彼は大きくなるよなと、思った一日であった。




その年の秋の県大会。観る機会が訪れた。

相手は宇都宮南。



田嶋くんの投球を5回まで観させてもらったが、

落ち着いて投げているという印象だった。

間違いなくその当時の県No.1の投手である。




そんな田嶋くんの女房役であった彼。

どんなプレイをするのか。

出来れば、田嶋くんと彼との対決が見たい。

ただし、約60校あるうちの対戦する確率は、

優勝候補筆頭で無い限り厳しい。

実際、その年の秋に対戦が無かった。



でも、そんな日が来ると信じて、彼を約1年間追ってみた。



(つづく)
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