評価:★★★★★[5/5]
シリーズ化にしても良いくらいの出来かもしれない。
『堕ちた』シリーズなんてどうでしょう・・・。
クライヴ・オーウェンの出演する映画に外れなし。
ということで、チョット褒めすぎな感もあるけれど
『トゥモローワールド』辺りから、このひとの
等身大的なリアル感はなかなか良い感じだと思い始めたのである。
昨今、某国での金融恐慌をそのまま映し出したかのような
リアルな題材は、公開時期にしてタイムリーな印象を受けた。
世界で起こっているテロや陰謀のカラクリの一部を
本作は、まるで動くテキストのような感覚で
私たちにスリルと興奮を織り交ぜて提供してくれたのだ。
と、あまり自慢げに言い切るのもどうかと思いますが
とりあえず、そんな感じで楽しむことが出来ましたね^^
◇
インターポール捜査官ルイ・サリンジャーは、
ニューヨーク検事局のエレノア・ホイットマンと共に、
ある重要案件の捜査に当たっていた。
そのターゲットは、
世界中の富裕層から莫大な資金が集まる欧州拠点の国際銀行IBBC。
そこではかねてより不審な資金の流れがあるとの
極秘情報を得ていたのだ。
サリンジャーはベルリンを皮切りに、
リヨン、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨークといった
各地を飛び回り、内部告発者や情報提供者と接触しながら
IBBCの実態を探っていく。
<aiicinema>
◇
本作は冒頭からの意味深な展開から始まっている。
車内の運転席と後部座席で密談するふたりの人物。
運転席の男はミラー越しに顔が見える程度で
言葉少なに、なにやら重要な証言をしている。
そして、その光景を道路の反対側から立って見つめている男。
証言をしている男は巨大銀行IBBCの関係者だ。
そして、その証言をもとに証拠となる書類の提供を
取り付けた直後に起こる証言者抹殺など
よくあるパターンではあるが、本作の凄いところは
その手口が実に巧妙な所だ。
ストーリーがシンプルであるため
その分、それぞれの人物や企業絡みの相関図などが
非常に丁寧に説明されていて、脚本に破錠がないので
鑑賞中に???マークが一切出てこなかったのが
ワタシにとって高評価となったところかもしれない。
◇
巨大銀行が、誘導ミサイルを買い付け売りさばく。
また、一方ではその誘導ミサイル防衛システムを買い
売りさばくと云う、ある種、銃と防弾チョッキをバラバラに
して欲しがっている所に売っているというところが
笑ってしまう。
こういったところは意外と単純な商売なんだが
動く金額が半端じゃないからとても恐ろしいのである。
開発は某諸国で製造は中国に依頼しているらしい。
人件費が安いからということで、
中国の失業者は存在しないのではないかと思えるくらいだ。
本作の見どころは
序盤の暗殺者による望遠ライフルでの
狙撃シーンですかね。
狙撃手の呼吸音まで聞こえる細かい描写には感激でしたね。
ここでも巧妙に仕組まれたトラップが実はあったりして
観ている者に「あっ!」と言わせるような展開が待っている。
そして、なんといっても凄かったのは
終盤のNY・グッデンハイム美術館での銃撃戦。
それまで観てきた数々の映画のなかに於いても
その緊迫した超リアルな演出は群を抜いているかもしれない。
◇
今回、クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツ以外は
まったく知らない俳優さんばかりでしたが
彼らをサポートをしたりする捜査官など
脇を固める俳優陣の演技が主演を食うくらい素晴らしく
こういうところからも映画の質を押し上げていたように感じた。
おまけ)
・全編通して緊張感が途切れなかったというところで
満点評価となりました。
『ボーン』シリーズと『バンテージ・ポイント』を足して
2で割ったような、そんな映画だと思いました。
・狙撃現場検証でホイットマン(ナオミ・ワッツ)が
地面に落ちていた小道具をさりげなく使ったシーンでは
その機転の良さに思いっきり感心したものである。
・撮影監督のフランク・グリーベには今後、要注目したい。
----------------------------------------------------
監督:トム・ティクヴァ
脚本:エリック・ウォーレン・シンガー
撮影:フランク・グリーベ
音楽:トム・ティクヴァ/ジョニー・クリメック/ラインホルト・ハイル/
出演:クライヴ・オーウェン/ナオミ・ワッツ/アーミン・ミューラー=スタール/
ブライアン・F・オバーン/
『ザ・バンク 堕ちた巨像』
シリーズ化にしても良いくらいの出来かもしれない。
『堕ちた』シリーズなんてどうでしょう・・・。
クライヴ・オーウェンの出演する映画に外れなし。
ということで、チョット褒めすぎな感もあるけれど
『トゥモローワールド』辺りから、このひとの
等身大的なリアル感はなかなか良い感じだと思い始めたのである。
昨今、某国での金融恐慌をそのまま映し出したかのような
リアルな題材は、公開時期にしてタイムリーな印象を受けた。
世界で起こっているテロや陰謀のカラクリの一部を
本作は、まるで動くテキストのような感覚で
私たちにスリルと興奮を織り交ぜて提供してくれたのだ。
と、あまり自慢げに言い切るのもどうかと思いますが
とりあえず、そんな感じで楽しむことが出来ましたね^^
◇
インターポール捜査官ルイ・サリンジャーは、
ニューヨーク検事局のエレノア・ホイットマンと共に、
ある重要案件の捜査に当たっていた。
そのターゲットは、
世界中の富裕層から莫大な資金が集まる欧州拠点の国際銀行IBBC。
そこではかねてより不審な資金の流れがあるとの
極秘情報を得ていたのだ。
サリンジャーはベルリンを皮切りに、
リヨン、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨークといった
各地を飛び回り、内部告発者や情報提供者と接触しながら
IBBCの実態を探っていく。
<aiicinema>
◇
本作は冒頭からの意味深な展開から始まっている。
車内の運転席と後部座席で密談するふたりの人物。
運転席の男はミラー越しに顔が見える程度で
言葉少なに、なにやら重要な証言をしている。
そして、その光景を道路の反対側から立って見つめている男。
証言をしている男は巨大銀行IBBCの関係者だ。
そして、その証言をもとに証拠となる書類の提供を
取り付けた直後に起こる証言者抹殺など
よくあるパターンではあるが、本作の凄いところは
その手口が実に巧妙な所だ。
ストーリーがシンプルであるため
その分、それぞれの人物や企業絡みの相関図などが
非常に丁寧に説明されていて、脚本に破錠がないので
鑑賞中に???マークが一切出てこなかったのが
ワタシにとって高評価となったところかもしれない。
◇
巨大銀行が、誘導ミサイルを買い付け売りさばく。
また、一方ではその誘導ミサイル防衛システムを買い
売りさばくと云う、ある種、銃と防弾チョッキをバラバラに
して欲しがっている所に売っているというところが
笑ってしまう。
こういったところは意外と単純な商売なんだが
動く金額が半端じゃないからとても恐ろしいのである。
開発は某諸国で製造は中国に依頼しているらしい。
人件費が安いからということで、
中国の失業者は存在しないのではないかと思えるくらいだ。
本作の見どころは
序盤の暗殺者による望遠ライフルでの
狙撃シーンですかね。
狙撃手の呼吸音まで聞こえる細かい描写には感激でしたね。
ここでも巧妙に仕組まれたトラップが実はあったりして
観ている者に「あっ!」と言わせるような展開が待っている。
そして、なんといっても凄かったのは
終盤のNY・グッデンハイム美術館での銃撃戦。
それまで観てきた数々の映画のなかに於いても
その緊迫した超リアルな演出は群を抜いているかもしれない。
◇
今回、クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツ以外は
まったく知らない俳優さんばかりでしたが
彼らをサポートをしたりする捜査官など
脇を固める俳優陣の演技が主演を食うくらい素晴らしく
こういうところからも映画の質を押し上げていたように感じた。
おまけ)
・全編通して緊張感が途切れなかったというところで
満点評価となりました。
『ボーン』シリーズと『バンテージ・ポイント』を足して
2で割ったような、そんな映画だと思いました。
・狙撃現場検証でホイットマン(ナオミ・ワッツ)が
地面に落ちていた小道具をさりげなく使ったシーンでは
その機転の良さに思いっきり感心したものである。
・撮影監督のフランク・グリーベには今後、要注目したい。
----------------------------------------------------
監督:トム・ティクヴァ
脚本:エリック・ウォーレン・シンガー
撮影:フランク・グリーベ
音楽:トム・ティクヴァ/ジョニー・クリメック/ラインホルト・ハイル/
出演:クライヴ・オーウェン/ナオミ・ワッツ/アーミン・ミューラー=スタール/
ブライアン・F・オバーン/
『ザ・バンク 堕ちた巨像』
オーウェンが後頭部に銃口を突き付けられてるカットやら、
に「ええかもー」と直感的に好感を得ました。
そういや、映画好きのとある先輩が「『シューテム・アップ』が最悪につまらんかった!」とこぼしてました(・ω・)
ワタシが(そう)思う『スズメバチ』みたいな感じの作品なんでしょうか、、
あと『キング・アーサー』も殆ど内容を忘れますた(×_×)
※ウィキで調べたら『ベント/堕ちた饗宴(1997)』って作品にも出たはるんですねー。
タイトルこそ似とるけど、どんな映画やろ?
>「ええかもー」と直感的に好感を得ました。
案外、地味目な宣伝で損をしている印象を受けました。
と言っても観てから思った訳ですけどね^^
>「『シューテム・アップ』が最悪につまらんかった!」とこぼしてました(・ω・)
見逃した作品です。
クライヴ・オーウェンにスーパーヒーローは似合わないということでしょうね^^;
あの微妙に垢抜けてないお顔から言ってもクールな表情より、
切羽詰まって緊張している方が似合ってる感じですもんね^^
そういや、その作品でも妊婦が絡んでいるらしいですね^^
出産に立ち会ってたりして^^;
>あと『キング・アーサー』も殆ど内容を忘れますた(×_×)
ワタクシ、クライブさんをまともに知ったのはほんの数年前という未熟者です。
『キング・アーサー』のジャケットの画を見ましたが観たことないです^^;
>『ベント/堕ちた饗宴(1997)』って作品にも出たはるんですねー。
あらすじ読んだらチョット引くかもしれませんよ。
「アウシュビッツの収容所で同性愛を貫いた男たちを描く異色のラブ・ストーリー。」
クライヴさんも売れる前は、やっぱり大変だったんでしょうかね~(汗)
見終わって鉛を飲まされたように胃が重かった。
そういえば、クライヴ・オーウェン主演の前作の『トゥモローワールド』も
後味の面から言えば、意味深でスッキリしなかったです^^;
>見終わって鉛を飲まされたように胃が重かった。
たしかに、結局サリンジャーらの捜査は何だったの?という絶望感に近いものがありました。
個を潰しても、別の誰かが引き継ぐというテロの原理に近いものを感じました^^;
ハッピーエンドにしなかったのは最後までリアル志向に徹した監督さんの考えだったかもしれませんね^^
遂にご覧になられたんですね^^
グッゲンハイムって油断していると舌を噛みそうです^^;
何発の銃弾痕があったのか現場で数えてみたいワタシです^^