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満足度:★★★★★【5.0点】
サイコパス兵士、ジェシー・プレモンスの存在感すごいな(笑)
◆
連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。
テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、
各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。
「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」。
就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、
ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。
ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、
14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、
ホワイトハウスへと向かう。
だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくー
<Filmarks>
◆
あたかも、実際に起こりそうな設定だけに、ワタシは期待値が跳ね上がった。
過去映画『クローバーフィールド HAKAISYA』や『世界侵略 ロサンゼルス決戦』など
この手の作品を大好物とするワタシにとって、巨大生物でも宇宙からの侵略者でもなく
ロシアや中国のような独裁政治を推し進めるアメリカ大統領だったら、みたいな感じで
そこに反発する反政府軍がでてきたら、こんな状況もありうるかもしれないのだ。
ということで、設定から世界観までどこも破綻していないのがいい(笑)
さて、では作品として見た場合どうなの?と言われれば、これもまた傑作なのだ。
東海岸ではニューヨーク警察と市民の小競り合いが続くなか
報道カメラマンらプレス4人の御一行様がワシントンD.C.に向かおうとする。
国家が転覆するような事態を引き起こした大統領に直撃インタビューを決行しようと
ワシントンD.C.まで1390キロ余りの道中を進むことを決意する。
そして、ここからロードムービーになっていき、目的地ワシントンD.C.まで
休息を挟みながら進むなか、不穏な緊張感に包まれ、まったく油断ができない。
そんななか、例の赤サンの激ヤバ兵士ジェシー・プレモンスとの遭遇があるわけだが
ここは、もう本当、いつスイッチが入るか分からない恐怖でハラハラしまくり(笑)
この監督のセンスがいいな~と思ったのは、緩急のつけ方やドラマに余白を付け
ときおり、まるで関係のない花畑などの被写体を巧みなカメラワークで追ったり
序盤のローポジションを多用する構図は、もうそこから新鮮で身を乗り出してしまう。
とにかく、どこにも無駄なシーンがなくテンポよく進み
最終的にホワイトハウスに立て籠もっている大統領を《捕捉でなく即射殺》と
言い放つ西部同盟軍と必死に抵抗する大統領のSPたちとの攻防も目からウロコ。
ホワイトハウスの攻防中、新米女性カメラマン・ジェシーの恐れ知らずの行動に対し、
恐怖で固まってしまうベテラン女性カメラマン・リーの対比も、新旧交代を匂わせて
直後の、ある行動でジェシーを救ったリーの姿が哀しくもカタルシスを生んでいる。
エンドクレジットには、ジェシーが撮影した西軍の兵士たちの写真が映し出され、
一人の若手女性報道カメラマンの成長を描く物語となっている。
◆
【今週のひと言】
・現実に、アメリカ大統領選真っただ中でトランプに対しての警鐘なのか。
・しかも、上映前の予告編でトランプの伝記映画『アプレンティス』やってたし(苦笑)
大統領選前に陣営は悪事がバレる?と上映阻止へと動いたらしい。
・シャッターチャンスでジェシーが前に出るたび、首根っこ掴まれて
兵士に「邪魔だ!」と後ろに戻されるシーンは子猫のようで可愛いかった。
・思えば、なかば強引にプレスに同行したジェシーの行動力も流石だな!
・ニューヨークからワシントンD.C.まで直接南下すれば350キロ程度だが
道中が危険なため、中西部のコロラド州方面を経由して1390キロとなる。
・ホワイトハウス突入シーンで西側同盟軍の戦闘ヘリのバルカン砲の美しさや
女性軍曹がエモすぎて結構見どころ満載(笑)
・ソノヤ・ミズノ氏どこに出てた?従軍記者のメガネ女子?軍曹じゃないよね。
・劇中に挿入される70年代の音楽がミスマッチのようで妙に合っている。
この辺りも監督のセンスが伺える。
・日本の戦場カメラマン渡部陽一氏も大絶賛!らしい。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド
音楽:ベン・ソーリズブリー、ジェフ・バーロウ
出演:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
サイコパス兵士、ジェシー・プレモンスの存在感すごいな(笑)
◆
連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。
テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、
各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。
「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」。
就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、
ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。
ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、
14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、
ホワイトハウスへと向かう。
だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていくー
<Filmarks>
◆
あたかも、実際に起こりそうな設定だけに、ワタシは期待値が跳ね上がった。
過去映画『クローバーフィールド HAKAISYA』や『世界侵略 ロサンゼルス決戦』など
この手の作品を大好物とするワタシにとって、巨大生物でも宇宙からの侵略者でもなく
ロシアや中国のような独裁政治を推し進めるアメリカ大統領だったら、みたいな感じで
そこに反発する反政府軍がでてきたら、こんな状況もありうるかもしれないのだ。
ということで、設定から世界観までどこも破綻していないのがいい(笑)
さて、では作品として見た場合どうなの?と言われれば、これもまた傑作なのだ。
東海岸ではニューヨーク警察と市民の小競り合いが続くなか
報道カメラマンらプレス4人の御一行様がワシントンD.C.に向かおうとする。
国家が転覆するような事態を引き起こした大統領に直撃インタビューを決行しようと
ワシントンD.C.まで1390キロ余りの道中を進むことを決意する。
そして、ここからロードムービーになっていき、目的地ワシントンD.C.まで
休息を挟みながら進むなか、不穏な緊張感に包まれ、まったく油断ができない。
そんななか、例の赤サンの激ヤバ兵士ジェシー・プレモンスとの遭遇があるわけだが
ここは、もう本当、いつスイッチが入るか分からない恐怖でハラハラしまくり(笑)
この監督のセンスがいいな~と思ったのは、緩急のつけ方やドラマに余白を付け
ときおり、まるで関係のない花畑などの被写体を巧みなカメラワークで追ったり
序盤のローポジションを多用する構図は、もうそこから新鮮で身を乗り出してしまう。
とにかく、どこにも無駄なシーンがなくテンポよく進み
最終的にホワイトハウスに立て籠もっている大統領を《捕捉でなく即射殺》と
言い放つ西部同盟軍と必死に抵抗する大統領のSPたちとの攻防も目からウロコ。
ホワイトハウスの攻防中、新米女性カメラマン・ジェシーの恐れ知らずの行動に対し、
恐怖で固まってしまうベテラン女性カメラマン・リーの対比も、新旧交代を匂わせて
直後の、ある行動でジェシーを救ったリーの姿が哀しくもカタルシスを生んでいる。
エンドクレジットには、ジェシーが撮影した西軍の兵士たちの写真が映し出され、
一人の若手女性報道カメラマンの成長を描く物語となっている。
◆
【今週のひと言】
・現実に、アメリカ大統領選真っただ中でトランプに対しての警鐘なのか。
・しかも、上映前の予告編でトランプの伝記映画『アプレンティス』やってたし(苦笑)
大統領選前に陣営は悪事がバレる?と上映阻止へと動いたらしい。
・シャッターチャンスでジェシーが前に出るたび、首根っこ掴まれて
兵士に「邪魔だ!」と後ろに戻されるシーンは子猫のようで可愛いかった。
・思えば、なかば強引にプレスに同行したジェシーの行動力も流石だな!
・ニューヨークからワシントンD.C.まで直接南下すれば350キロ程度だが
道中が危険なため、中西部のコロラド州方面を経由して1390キロとなる。
・ホワイトハウス突入シーンで西側同盟軍の戦闘ヘリのバルカン砲の美しさや
女性軍曹がエモすぎて結構見どころ満載(笑)
・ソノヤ・ミズノ氏どこに出てた?従軍記者のメガネ女子?軍曹じゃないよね。
・劇中に挿入される70年代の音楽がミスマッチのようで妙に合っている。
この辺りも監督のセンスが伺える。
・日本の戦場カメラマン渡部陽一氏も大絶賛!らしい。
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監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド
音楽:ベン・ソーリズブリー、ジェフ・バーロウ
出演:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
私も見に行こうかと思っています。
今や、大統領選真っ只中てますし、
事の発端は描かれてませんが、どうも水にかかわることがセリフから分かります。
内戦が起きたらこんな感じになるのかなという意味ではリアルでしたし、
トランプへの見方も考えてしまいます。
コレお薦めです。
おもしろかったです。
ジェシーの撮った写真のクオリティ、嵩かったですよね。映画の中で挟まれるカット、あの手法も良かった。
大統領選、間際ですが、いろいろ考えさせられる映画でした。
ラストの大統領のインタヴュー(一言)、秀逸!
そうそう、ジェシーの写真がことごとく胸を打つモノばかりで、結構な感性を持ってるな~でしたよ。
きっとこの子は、その後に於いてピューリッツァー賞なんか獲ったかもしれませんね。
大統領選前にこんな映画を上映されてトランプも自分をネタにしてるのか気になったでしょうね(笑)
これ、「史上最大規模の内戦」という設定だけでなくって、一人の戦場カメラマンの成長譚として見ることができてそこも面白かったです。
いや~、でもアメリカって怖いなぁ!全土を巻き込んでっていうのではなくっても、田舎町の間のそこここで現実にありそうだもの。
でも、ここまでリアリティな作品となったのは、ある意味、独裁政権を匂わすトランプの存在が大きかったなと思ってしまいました(笑)
プレスに同行した高校生のような女子カメラマンの若気の至りともいえる行動も目が離せなかったです。