ザ・シューター／極大射程

評価★★★★



前半は、サスペンスタッチ抜群！中盤以降Ｂ級映画に滑落滑走！



アフリカの角にある小国エリトリア。海兵隊の特殊部隊であり狙撃の名手ボブ・リー・スワガーは、相棒のドニーと岩山での偵察任務に就いていた。そこに武装車両の隊列が現れ、スワガーは狙撃を開始する。両軍の衝突が拡大、不測の事態に司令部は敵陣に取り残された２人を見捨てて撤収、混乱の中でドニーは命を落とす。

それから３年後。スワガーは、世間と縁を切り、愛犬のサムとワイオミングの山中でひっそりと暮らしていた。彼の狙撃の腕を見込んで、退役軍人のジョンソンが大統領暗殺計画を防ぐよう依頼してきた。だが、大統領とは別のエチオピアの大司教が射殺され、スワガーは犯人として追われてしまう。

冒頭からのストーリー展開は、近年稀なサスペンスアクションとして観る者をグイグイ引き込んでいきますが、主人公が新人ＦＢＩ捜査官のニック（マイケル・ペーニャ）と組んで国家の陰謀に立ち向かっていく後半は、対する傭兵が戦争映画のようにバタバタ倒れていき、前半で見せた息を呑むような演出が消え、大味な展開となり緊張感が全くなくなってしまうのが残念だ。

そもそも、例の予告編で映っていた小型飛行機をリモコンで爆破させるシーンが無かったことで、この映画は編集段階で大幅にカットされたことが予想できる。そのカットにより、中盤以降は普通のアクション映画のように成り下がってしまった。

もし、あのシーンがあったとしたら、それを説明する前後のシーンが当然あり、ストーリーはもっと膨らんでいたであろうと思われる。

ＤＶＤにてノーカット版を是非出してもらいたいものです。

過去にも「アビス」のように劇場公開版とノーカット完全版では、話の膨らみ方がまるで違っていましたからね。これは実現して欲しいと個人的に切に願ってます（笑）


◆この映画は現代版「ランボー」であり、映画の興奮度の展開は「クリフハンガー」に酷似している。

◆マーク・ウォールバーグは１９７１年生まれの今年３６歳。見た目より若かった（笑）
この映画のちらしを見ると「ディパーテッド」で共演したマット・デイモンに似ている。あちらも「ジェイソン・ボーン」シリーズで骨太のアクションを披露しています。因みに年齢はマーク・ウォールバーグの方が１歳若いです。

「ディパーテッド」のタフな巡査部長の印象と、この映画で今後益々アンチ・ヒーロー的なキャラクターで活躍して行って欲しいものです。

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監督：アントワーン・フークア
脚本：ジョナサン・レムキン
原作：スティーヴン・ハンター
撮影：ピーター・メンジース・Ｊｒ
音楽： マーク・マンシーナ

出演：マーク・ウォールバーグ/マイケル・ペーニャ/ダニー・グローヴァー/ケイト・マーラ/イライアス・コティーズ/ローナ・ミトラ


『ザ・シューター／極大射程』オフィシャル・サイト
http://www.shooter-movie.jp/