評価:★★★★★【5点】
これぞ、大人のヒューマン・サスペンスだ!
緻密に練られた脚本に突っ込む隙などどこにもないのだ。
演じる、“動”の父親役ヒュー・ジャックマンと
“静”の刑事役ジェイク・ギレンホールの対比がすばらしい。
◇
ペンシルヴェニア州ののどかな田舎町。
感謝祭の日、工務店を営むケラーの6歳になる愛娘が、
隣人の娘と一緒に忽然と姿を消してしまう。
警察は現場近くで目撃された怪しげなRV車を手がかりに、
乗っていた青年アレックスを逮捕する。
しかしアレックスは10歳程度の知能しかなく、
まともな証言も得られないまま釈放の期限を迎えてしまう。
一向に進展を見せない捜査に、
ケラーは指揮を執るロキ刑事への不満を募らせる。
そして自ら娘の居場所を聞き出すべく、
ついにアレックスの監禁という暴挙に出てしまうケラーだったが…。
<allcinema>
◇
まず、良いのが、どのシーンに於いても構図が完璧。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の前作『灼熱の魂』 (2010)も
関係各所で高い評価を得ている(これ未見^^;)
撮影監督のロジャー・ディーキンスも本作でアカデミー撮影賞に
ノミネートされていて、それまでもほぼ毎年のように
良作にかかわり彼の作品は各アワードにノミネートされている。
そして重厚な効果音楽が素晴らしく、物語と一体となって
登場人物の心の葛藤を表現するのに絶大な効果を生み出している。
時に、耳を澄まさなければ聴こえない地を這うような重低音が
観客への不安感をさらに煽る形となり演出効果は抜群だ。
先の読めない展開とは、この映画のことを言うのだろう。
映画ファンなら、こぞって推理を始めるだろうし
過去の映画作品などを思い出し、結果を求めようとすると
それは必ず外れると断言したい(って、なにをえらそうに)
展開が二転三転するたびにヒューの行動は正当化できるか否かで
かなり動揺してしまうのだった(笑)
伏線の張り方からラストの回収まできっちりこなし見事な脚本。
久々にパーフェクトな作品と出逢えたな~という感じだった。
【ネタバレ画像あり要注意!】
【今週のツッコミ】
・またも、やってくれましたポール・ダノ!
『それでも夜は明ける』に続き、彼が出てくるだけで犯罪の臭いがし
どうしようもないやるせなさだけが心に残る。
今回は主役を食うくらいの名演技炸裂でしたね(笑)
・昆虫のような大きな眼鏡についた雨粒、その奥に見えるダノの目。
不気味というより哀れさが漂う。これも彼のキャラならでは^^
・10歳児のIQで運転免許が習得できる州の教習所に
いちど見学に行ってみたいわ(笑)
・『とらわれて夏』の高校生役のヘンリーくんが息子役で出てた。
↑の作品でCGでなかったことを証明してくれた(アホかいな)^^;
・本編で雨のシーンが比較的多かったのは、傘やカッパ、
車のワイパーなどのアイテムを使わせることで相手との距離感ができ
感情を悟られない効果があるひとつの演出法なのね。
・年間80万人もの幼児誘拐のあるアメリカ社会っていったい。。。
・容疑者宅から見つかった血痕付き衣服確認で
普通、親父ってそこまで知らないよね^^;
でも、靴下のワンポイントキャラで我が子のモノと動揺する父。
・厚手の靴下に刺繍してあったワンポイント見せられ
ん?それって「紙兎ロぺ」なのか?と一瞬吹く寸前だった^^
・少年院に6年も入っていても刑事になれるんですね。
常に冷静なロキ刑事の手や首のタトゥを入れた時期が気になった。
・工務店を開業してる主人公ならではの監禁方法がなかなか!^^
・Q:我が子を必死になって救おうと自ら疾走する主人公が
どこか『96時間』のリーアム・ニーソンを彷彿させますが
元CIAと現役工務店では、スキルに差がありすぎのような気が?
A:工務店をバカにしてはいけません。↑でもあるように
リーアム・ニーソンには絶対にできない芸当やってます。
・ヒュー一家と家族ぐるみの付き合いをするテレンス家族。
今回、ヒューの暴走に対し、否定できず、したいようにさせろと
夫に囁くテレンスの妻が怖かった。
・もっと怖かったのは「トランザムを買わないなら人の土地に何しに来た!」
このシーンのダノの叔母さんだった^^;
迫力ある叔母さんだなー!と思っていたらメリッサじゃん(笑)
・暴走する父親シリーズ『96時間』のメガヒットで火が点きましたね。
次はケヴィン・コスナーの『ラストミッション』か(笑)
---------------------------------------------------------
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:アーロン・グジコウスキ
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:ヒュー・ジャックマン/ジェイク・ギレンホール/テレンス・ハワード/
メリッサ・レオ/ポール・ダノ/ヴィオラ・デイヴィス/マリア・ベロ
『プリズナーズ』
これぞ、大人のヒューマン・サスペンスだ!
緻密に練られた脚本に突っ込む隙などどこにもないのだ。
演じる、“動”の父親役ヒュー・ジャックマンと
“静”の刑事役ジェイク・ギレンホールの対比がすばらしい。
◇
ペンシルヴェニア州ののどかな田舎町。
感謝祭の日、工務店を営むケラーの6歳になる愛娘が、
隣人の娘と一緒に忽然と姿を消してしまう。
警察は現場近くで目撃された怪しげなRV車を手がかりに、
乗っていた青年アレックスを逮捕する。
しかしアレックスは10歳程度の知能しかなく、
まともな証言も得られないまま釈放の期限を迎えてしまう。
一向に進展を見せない捜査に、
ケラーは指揮を執るロキ刑事への不満を募らせる。
そして自ら娘の居場所を聞き出すべく、
ついにアレックスの監禁という暴挙に出てしまうケラーだったが…。
<allcinema>
◇
まず、良いのが、どのシーンに於いても構図が完璧。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の前作『灼熱の魂』 (2010)も
関係各所で高い評価を得ている(これ未見^^;)
撮影監督のロジャー・ディーキンスも本作でアカデミー撮影賞に
ノミネートされていて、それまでもほぼ毎年のように
良作にかかわり彼の作品は各アワードにノミネートされている。
そして重厚な効果音楽が素晴らしく、物語と一体となって
登場人物の心の葛藤を表現するのに絶大な効果を生み出している。
時に、耳を澄まさなければ聴こえない地を這うような重低音が
観客への不安感をさらに煽る形となり演出効果は抜群だ。
先の読めない展開とは、この映画のことを言うのだろう。
映画ファンなら、こぞって推理を始めるだろうし
過去の映画作品などを思い出し、結果を求めようとすると
それは必ず外れると断言したい(って、なにをえらそうに)
展開が二転三転するたびにヒューの行動は正当化できるか否かで
かなり動揺してしまうのだった(笑)
伏線の張り方からラストの回収まできっちりこなし見事な脚本。
久々にパーフェクトな作品と出逢えたな~という感じだった。
【ネタバレ画像あり要注意!】
【今週のツッコミ】
・またも、やってくれましたポール・ダノ!
『それでも夜は明ける』に続き、彼が出てくるだけで犯罪の臭いがし
どうしようもないやるせなさだけが心に残る。
今回は主役を食うくらいの名演技炸裂でしたね(笑)
・昆虫のような大きな眼鏡についた雨粒、その奥に見えるダノの目。
不気味というより哀れさが漂う。これも彼のキャラならでは^^
・10歳児のIQで運転免許が習得できる州の教習所に
いちど見学に行ってみたいわ(笑)
・『とらわれて夏』の高校生役のヘンリーくんが息子役で出てた。
↑の作品でCGでなかったことを証明してくれた(アホかいな)^^;
・本編で雨のシーンが比較的多かったのは、傘やカッパ、
車のワイパーなどのアイテムを使わせることで相手との距離感ができ
感情を悟られない効果があるひとつの演出法なのね。
・年間80万人もの幼児誘拐のあるアメリカ社会っていったい。。。
・容疑者宅から見つかった血痕付き衣服確認で
普通、親父ってそこまで知らないよね^^;
でも、靴下のワンポイントキャラで我が子のモノと動揺する父。
・厚手の靴下に刺繍してあったワンポイント見せられ
ん?それって「紙兎ロぺ」なのか?と一瞬吹く寸前だった^^
・少年院に6年も入っていても刑事になれるんですね。
常に冷静なロキ刑事の手や首のタトゥを入れた時期が気になった。
・工務店を開業してる主人公ならではの監禁方法がなかなか!^^
・Q:我が子を必死になって救おうと自ら疾走する主人公が
どこか『96時間』のリーアム・ニーソンを彷彿させますが
元CIAと現役工務店では、スキルに差がありすぎのような気が?
A:工務店をバカにしてはいけません。↑でもあるように
リーアム・ニーソンには絶対にできない芸当やってます。
・ヒュー一家と家族ぐるみの付き合いをするテレンス家族。
今回、ヒューの暴走に対し、否定できず、したいようにさせろと
夫に囁くテレンスの妻が怖かった。
・もっと怖かったのは「トランザムを買わないなら人の土地に何しに来た!」
このシーンのダノの叔母さんだった^^;
迫力ある叔母さんだなー!と思っていたらメリッサじゃん(笑)
・暴走する父親シリーズ『96時間』のメガヒットで火が点きましたね。
次はケヴィン・コスナーの『ラストミッション』か(笑)
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監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:アーロン・グジコウスキ
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:ヒュー・ジャックマン/ジェイク・ギレンホール/テレンス・ハワード/
メリッサ・レオ/ポール・ダノ/ヴィオラ・デイヴィス/マリア・ベロ
『プリズナーズ』
ちょっとビックリ(笑)
役者豪華でしたが、残念、それを使い切れてない印象でした。
ポールダノなんて、怪しいの当たり前だけど、後はほとんど監禁だもん、、、
メリッサは、最初から疑いましたよ(笑)
今日初めてイオンシネマのポイントカード200円で買いましたよ(笑)
あのヘンテコな機械に笑ったわ(爆)
この映画、冒頭のRV車が出てきた時点から美術スタッフ、撮影監督の技量に唸ってしまったわ^^
あれ?残念な結果だった?(笑)
ワタシは、これすごく上質なサスペンス映画だと太鼓判(爆)
刑事の葛藤なんかもしっかり描かれていて、どこにも穴がないと思いましたよ。
ものすごく慎重な父が、娘に与えたホイッスルに始まり終わるところなんか巧いな~でしたよ^^
灼熱の魂は、救いのないとんでもないエピでしたが、そこに行くまで、そう繋がるのかを納得せざるおえなかったので、やっぱりハリウッド監督デビューって、難儀なのかなって印象でしたよ(苦笑)
って、レビューためてます~~最近、観るのが精一杯、、、
えー!ワタシは最後のシーンで涙が出そうになりましたよ^^;
大きな男が蚊の泣くような「ぴ~、ぴ~」に、しかも、それまでバカにしてたアンちゃんに、、、(爆)
『灼熱の魂』はそういう映画なのね。
まだ『別離』の方がいいわー(笑)
>レビューためてます~~
ですよね!忙しそうですね。無理せずにマイペースで行きましょう^^
雨の中のワイパーの動き
よくあるサスペンスと違うぞってびんびん伝わってきました。
そのうち、伏線がちょっとづつあきらかになってきて
ほんとうに良くできてるとはおもったものの、
ダノですよね~~。
もう、彼がいつ死ぬのか、助かるのか?
犯人なのか?もう、そればっかり気になって・・・(-_-;)
辛かったです。
ところで、イオンの200円カード!!高いですよね~。
だいたいネット予約でお金をとるって、信じられないです。(と、言いつついつもカード買ってます)
普通のサスペンスでは何気ない描写をここまでやらない感じですよね。
監督さんもどちらかというと映像派であることと、撮影監督が超有名な方^^
このふたりがタッグを組んだんだから、それだけでそそられましたよ(笑)
ヒューがジェイクに執拗に文句言ってて、舌打ちしながらも黙って聞いてたシーンなんてほんとよかった。
ダノくん、やってくれましたね!(笑)
この映画って、配役が見事に決まったって感じ。
ひとつ難をいうなら、ヒューがウルヴァリンのように逞しすぎることかな^^;
できれば、アクション映画と無関係な俳優さんがよかったかも。
>イオンの200円カード
これって、毎回ですもんね!^^;
年間通したらいったいいくらになるんでしょうね。
ケラーの行動にずっと憤りを感じていて(ダノくんファンだし)
だからラストのホイッスルにも
「助かるのかよ・・・ちっ (ーー;)」と思ってしまった位です(なんてヒドイ女)
そしてitukaさんのつっこみにすら触れてもらえない
ボブ(自殺した被疑者)が実は一番可哀想なんじゃないかと思ったりして^^;
え?アレックスのこと気付いていたって、さすがですが、どの辺りで?(笑)
ロキから“IQが10歳児”という情報のところですかね^^
犬を吊り上げたときとかはないですよね(こら)
>「助かるのかよ・・・ちっ (ーー;)」と思ってしまった
ちょっとちょっと!!!思いっきり吹いちゃいましたよ(爆)
ワタシは、あの素晴らしいシーンは永久保存したいくらいなのに^^;
ロキがどことなくハンフリー・ボガードに見えてしまったりして味わいがありましたけどね(笑)
amiさんはアレックスの悲惨な境遇に芽生えた母性本能ですね。
>ボブ(自殺した被疑者)が実は一番可哀想
最初に出てきたときはイケ面兄ちゃんでしたが、玄関開けたら普通のキモい親父になってましたね^^;
たしかに、本作でいちばん損な役でした(笑)
3時間も待たされた挙句にあれじゃ、ロキもキレますよね~。
それはメリッサ・レオの登場シーンで。
だってメリッサがただの叔母さんなわけないじゃないですか!(爆)
いや、冗談抜きにロキが叔母さんの家を初めて訪ねた時におそらく彼はそう言う境遇だろうと。
で、昔誘拐された少年のエピが出てきて確信しました。
これまた米ドラではよくあるパターンなんですよ(爆)
それはWOWOWに入会してる方は、とても莫大な情報を持ち合わせてるということを(笑)
そして、入会どころかレンタルもしないワタシにとっては、追いつく術もない(爆)
以前は入っていたんですが退会しちゃいました。
メリッサ自身のキャラクターが邪魔をした格好になりましたね^^;
最後の方で持ち主ケラーの車でどこに行ったのか、その後の描写がなかったですよね(笑)
どこかに隠したのは分かるんですが^^
意外と深かった額の傷、朦朧としながら気力だけで運転するロキに最高に痺れました。
もし、あのまま、黒い大型セダンにぶつかっていたら『マルホランド・ドライブ』の男バージョンですよね(爆)