野蛮なやつら／SAVAGES

評価：★★★★【４点】


ヒロインのナレーションが効果的な拾いモノ映画。

海辺でひとりの女性が戯れている映像で始まり
ひとり言のように、自分の危うい物語りを語り始める。
「この物語りが終わるころ私は生きていないかも」

なんとも意味深な台詞に過去のいろんな映画が頭をよぎる（笑）
そう、『わたしを離さないで』キャリー・マリガン、
アンドリュー・ガーフィールド 、キーラ・ナイトレイの作品（爆）

奇妙な三角関係（男２女１）は周りが心配するほどでもなく
普通に安定した生活をしているところから
凡人のワタシには分からない絆で結ばれていたんでしょう。

この映画のキーワードは“奇妙”ってことらしい。
自身、好きなワード「奇妙」「奇跡」「奇怪」「奇異」「奇抜」「奇襲」
これ映画には欠かせませんなあ（笑）

◇

植物学者のベンと元傭兵のチョンは10代からの親友同士。
２人は大麻栽培のベンチャー企業で大成功を収め、
カリフォルニアのリゾート地で優雅な生活を送っていた。
そんな２人には、
オフィーリア（通称Ｏ）という共通の恋人がいた。
それは、嫉妬や対立とは無縁の奇妙で安定した三角関係だった。
ところが、彼らの平和で満ち足りた生活に突然の危機が訪れる。
メキシコの巨大麻薬組織がベンたちに提携を持ちかけてきたのだ。
２人がそれを拒否すると、今度はＯを誘拐し、
彼女を人質に強引に服従を迫るのだった。
＜allcinema＞

◇

平穏な3人共同生活は、異様に映るがこういうのもありかな。

チョンが傭兵として戦地から持ち帰ってきたのは
空き缶いっぱいの大麻の種であり、それを栽培するに当たり
植物学者ベンが種のデータから高品質であることがわかる。

そのふたりの男と尻軽女、、、じゃなくてヒロインは
大麻ビジネスで成功し高級リゾート地で優雅な生活を送ることに。

さて、ココから犯罪の匂いを嗅ぎつけた巨大麻薬組織。
メキシカンな彼らが近寄ってくるんですね～。
ビジネスパートナーになれと強引な話を持ってきたから
これがいけない（笑）

ベンが危険を察知しパートナーじゃなくすべて売りますよ。
これがメキシカンな彼らは気に入らなかった。
女を誘拐し脅しで話をつけようとしたからさあ大変！

元傭兵のチョンが傭兵仲間を呼び彼女の救出に動き出す。
しかし、ただ単に『エクスペンダブルズ２』のように
戦争を始めるんじゃなく、そこは頭を使います。
仲間の中にはIT部門の天才が居たりFBI捜査官まで利用して
巨大麻薬組織の分裂作戦を最初に決行するってんだから
単なるアクション映画と違って面白いんです。

これは拾いモノ！（笑）
さすが、オリヴァー・ストーン監督。
ただ、邦題の地味さで観たいと思われないんじゃないの＾＾；



【今週のツッコミ】
・巨大麻薬組織の大ボスにサルマ姐さんココに見参！（笑）
　悪玉とはいえ、女性だけにやはり母性本能がちらつく。
　同年代の娘を持つ母としては、拉致した女性を粗悪に扱えないんだな＾＾；
　ひと時ではあるが仲睦まじくなる過程は可笑しかった。
　実の娘が自分と口を利かない分、拉致女を娘のように思ったとか？

・全体的にはロバート・ロドリゲスの雰囲気が随所に匂う。
　やはりサルマ・ハエックを重要な立ち位置にしたからか。

・野蛮な奴らというタイトルは主演のテイラー・キッチュ本人そのもの。
　おそらく誰もがこのタイトルに納得するんでないの＾＾；　

・麻薬犯罪組織のナンバー2のべニチオ・デル・トロの
　悪役としての存在感は本作でいちばんであった。

・本ヒロイン、他にもっと魅力的な女優は居なかったのか。
　男二人を手玉に取るような器には見えなかったんだが。

・予測不能の展開に最後までワクワクしっぱなし。
　現金輸送車急襲シーンはタリバン戦法を真似たらしい。
　
・ラストの展開こそ本作の最大の売りであろう（笑）
　あそこで妄想と現実のギャップにまさかの爆笑。
　え～！そっちに行くの？！奇妙な映画は最後まで奇妙だった（笑）
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監督：オリヴァー・ストーン
脚本：シェーン・サレルノ/ドン・ウィンズロウ/オリヴァー・ストーン
撮影：ダン・ミンデル
音楽：アダム・ピーターズ


出演：テイラー・キッチュ/アーロン・ジョンソン/ブレイク・ライヴリー/
　　　　ジョン・トラヴォルタ/ベニチオ・デル・トロ/サルマ・ハエック



『野蛮なやつら／SAVAGES』