ネットにあらすじが掲載されていましたので、拝借いたしますと、、、
喫茶店に飾ってあった『星々の悲しみ』と題された油絵に以前から惹かれていた主人公は、盗みが得意だという予備校生:草野に、「あの絵がほしい」と頼むと、草野は本当に見事に絵画を盗み出す。
主人公は、まずいことをしてしまった、と動揺しながらも、陽気そうにしている2人に笑われているうちに心配事もどうでもよくなり、お気に入りの絵画を部屋に飾ってすっかり満足してしまう。
『星々の悲しみ』は、初夏の昼下がり、少年が麦わら帽子を顔にかぶせ、木陰の下で眠っている、という絵で誰もが「凄いなぁ」と見入ってしまうような絵だった。
この作者は、20歳にして亡くなったと、作品名の紙に書いてある。
なぜそんな絵に、このようなタイトルがつけられたのか。
「重い病気にかかった作者は、病床で、気持ちの良い外に出て自転車で高原の坂をのぼり、そこで気持ち良くうたたねすることを夢見て、若く溌剌とした体、太陽の光や風を絵に閉じ込めた。あらゆるものの死をそのまま題名にしたのだ」と、主人公は考える。
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学生の頃、宮本輝氏の小説に惹かれて、次々と作品を読んだ記憶があります。(^_^)
しっとりとした雰囲気の中で、人生の機微や人情、厳しい現実が織り込まれ、ストーリーが展開してゆく。(^。^)
特に、短編小説に優れた作品が多く、決して派手な演出はないのだけれど、胸に突き刺さるような読後感が残ります。(^-^)
「冬銀河星々滲む涙かな」 祖谷馬関
(注)冬銀河は冬の季語。冬の夜空にかかる天の川のこと。冴え冴えとした趣がある。秋の天の川と違っていくらか明るさが弱い。