沖縄・台湾友の会

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「国益」を封じてきた日本外交 ━━━━ 【阿比留瑠比の極言御免】 令和6年7月18日

2024-07-22 09:48:12 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6934号 

「国益」を封じてきた日本外交
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【阿比留瑠比の極言御免】 令和6年7月18日

 戦後の日本がいかに異常な言論空間に閉じ込められていたかを、改めて実感した。自民党の高村正彦元外相のオーラルヒストリー(歴史研究のための口述記録)である『冷戦後の日本外交』を読んでの感想である。この中で、高村氏と聞き手の一人で外務省出身の兼原信克・元内閣官房副長官補のこんなやり取りが出てくる。

 高村氏「(平成10年7月に小渕恵三内閣の)外務大臣になって最初の講演をした時に、驚いたことがあります。私は、日本の外交は国益を守るためにやっている、と至極当たり前の話をしたのですが、外務省の若い職員が何人か来て、ありがとうございます、とお礼を言われました。彼らによると、『国益を守る』というのはそれまで言えない雰囲気があったそうです」

 兼原氏「私が81年(昭和56年)に入省した時も言われましたよ。国益と戦略という言葉は使っちゃいけないと」

 現在なら、外務省が国益を追求しないでどうすると誰しも思うだろうが、確かに日本はそんな国だった。



[「当たり前」の答弁]

 同書とは別だが、ある大使経験者も「外務省には国益とか、愛国心といった言葉を小ばかにする風潮があった」と語る。敗戦国の引け目もあり、国際協調や友好ならばいいが、日本だけの利益を主張するのは野蛮だという発想だろう。

 このエピソードを読んで「やはりか」と得心したのは次の記憶からである。平成15年6月、参院決算委員会で世耕弘成氏の中国への政府開発援助(ODA)に関する質問に、小泉純一郎首相(当時)はこう述べた。

 「国益を考えない援助はあるか。ODA政策の中に国益の視点があるのは当然だ」「(援助が)どのように使われているのか。本当にその国の国民が感謝しているのか、喜んでいるのか、厳しく見直していかないといけない」

 今ならごく当たり前の答弁に筆者は驚き、ただちに当番デスクに出稿を連絡した。「首相、ODAは国益勘案」「対中国『認知度など吟味』」との見出しがついた記事は、翌朝の1面トップを飾った。



[親日国を後回し]

 約20年前までは、それだけ首相や閣僚、外務官僚らが率直に「国益」を語るのは珍しく下品なこととされていたのである。それが今では、わが国の国益とは無縁の場所に立っていそうな社民党の福島瑞穂党首らまで、ときに国益を口にするようになっている。

 時代の変遷とともに価値観も変化していく。また10年ほど前には外務省幹部からこんな言葉を聞いたことがある。

 「もともと外務省には、親日国を大切にするという発想はなかった」

 あることないこと対日批判を繰り返す「反日国」に頭を下げたり、ご機嫌を取ったりするのに手一杯で、親日国と手を携えて未来へ進むことまで頭が回らなかったのかもしれない。

 本書に話題を戻すと、高村氏といえば24年9月の自民党総裁選で次のように述べて、早い段階で安倍晋三元首相支持を表明した人物である。

 「候補者の中で統治能力というか、官僚組織を動かす力、官僚を使いこなす力を比較すると、安倍さんが一番優れている」

 当時、安倍氏に対してはこれと正反対の見方が多かっただけに、高村氏の炯眼(けいがん)に刮目(かつもく)した。本書でも、高村氏が麻生太郎元首相に電話で「このメンバーの中で内閣を仕切れるのは安倍さんだよな」と話す場面が出てきて興味深い。


イーロン・マスクがカリフォルニア州を脱出 “赤い、赤い”ニューサム知事との意見衝突

2024-07-22 09:46:25 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024年)7月19日(金曜日)弐
     通巻第8337号    
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●休刊のお知らせ● 小誌は明日(7月20日)から22日、休刊です
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イーロン・マスクがカリフォルニア州を脱出
“赤い、赤い”ニューサム知事との意見衝突
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 世界一の大富豪イーロン・マスクがカリフォルニア州を脱出する。マスクは「スペースX」ち「X」の本社をテキサス州へ移転すると発表した。
 LGBTQ戦争の結末である。

カリフォルニアから脱出する理由は“赤い、赤い”ニューサム知事との意見衝突である。則ちカリフォルニアの学校で教師が、教え子がトランスジェンダーを自認しているかどうかを親に告げることを禁じる新法(SAFETY法)に明確に反対し、すでに一年前から「そんなことをしたらカリフォルニア州でビジネスを継続することは困難になる」と忠告してきた。

ギャビン・ニューサム(カリフォルニア州知事)は7月16日に「SAFETY法」に署名し、成立させた。
左翼活動家たちは「同性愛者やトランスジェンダーの子供たちのためだ」と歓迎している。ところがSFETY法は、子供たちが教室で同性愛者だと自認したり、出生証明書に記載された名前や代名詞を勝手に呼び替えたりしても、学校職員が親に通知することを禁止する。まさに親の権利の侵害である。

 マスクはXの本社をサンフランシスコからテキサス州オースティンに移転するとし、「暴力的な麻薬中毒者の集団を避けるのはもううんざりだ」と言った。
サンフランシスコの町は荒み、ホームレス、麻薬乱用、路上犯罪により日常生活にも支障がでているからだ。

「嘗ては美しかったサンフランシスコは繁栄を極めていた。いまダウンタウンは“荒廃したゾンビの黙示録”に化けてしまった。数十年にわたる民主党政権の(愚かな政策)のせいだ」
すでにマスクは、2021年にテスラ本社をカリフォルニア州のハイテク拠点からテキサス州オースティンに移転し、自宅もテキサス州に移している。

「トランスジェンダーの娘がロサンゼルスのリベラルな学校へ通うことは完全な共産主義者になることであり、金持ちは悪だと考えるようになる」と彼は言う。
マスク自身、20歳になる娘がそうなってしまったことへの猛省がある。「同意年齢に達していない児童に不可逆的な性転換を行うことは『犯罪』である」とカリフォルニア州の奇妙奇天烈な政策に鋭く批判を続けてきた。