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フィンランドの人々の冬の寒さに対する考え方を見ていくと、住宅の装置に色々な工夫があり、私達にとっても参考になる。
その一つが玄関部分の風除室。
先日、北海道の住宅を訪ねたが、北海道では風除室を設けることが、一般的なのには感心した。
北欧の住宅には、風除室という程の大きさでなくとも、風除けのスペースは必ずある。
写真は、フィンランドのタンペレで、友人が住んでいたワンルームタイプの小さな住宅で、風除けスペースは1畳ぐらいだろうか・・・。
外気が室内に直接進入してくるのは、そのほとんどが玄関ドアからで、その外気を遮断するには、小さな風除室でも効果は絶大だ。
西欧の国々では一般に玄関ドアは室内に向かって開く「内開き」とする。
しかし、フィンランドでは外気に面するドアは全て「外開き」で、沓ずりを設けてタイトにしまるようになっている。
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フィンランドの住宅産業の一般的な平屋住宅平面。
(床面積は左側の車庫と倉庫を含めて140㎡ぐらい)
玄関の部分にTK(トゥーリカーピ)とあるのが風除室、
タタミ1畳半にも満たない広さでも防寒には大きな効果がある。
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3年前に設計したF邸(西東京市)玄関内部の様子。
右の扉が玄関扉、左の扉は中庭への扉。
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夜間や冬の間、右側のクローゼットに仕込まれた風除け用の大きな引戸を閉める。
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風除け引戸を閉めた状態。防寒効果の他、玄関扉や土間が直接見えないというのは、
なんとなく平和な気分(?)になるのでは・・・?
【写真・撮影】 管理人