みなさんこんにちは、平野です。
これまで国際子ども権利センター支援によるHCCのプロジェクト地、プレイベン州コムチャイミア郡への出張報告を中心にこのブログに記事を投稿してきましたが、この出張報告の第1回(8月19日付)で収入向上プログラム(家畜銀行)についてお伝えしたのを覚えていらっしゃるでしょうか。今回からの3回では、この家畜銀行の続報を通じて“最”貧困層支援についてみなさんと考えたいと思います。
【やっぱり牛がいい】
上記第1回でもお伝えしたとおり、今回の支援家族は10家族、予算の関係から、そのうち8家族に牛、2家族に豚、となっています。牛、豚それぞれの家族の選定は、村長他村の有力者たち(ビレッジ・オーソリティー 覚えていただきましたか?カンボジアのキーワードです)を中心に、HCCのスタッフも交えて行われたわけですが、私の第1回の訪問時、支援家族から「やはり牛がいい」という声が再度挙がりました。もともと牛がよかったことと、最近流行り病があるのか豚が死んだ話をよく聞くから、ということでした。
言い分はわかるが、予算は予算でいまさら変わらない・・・という状態の中、豚を支援される予定だった家族が、既にHCCから他の家族に貸し付けられている牛から産まれた仔牛を欲しい、と言ってきました。そう、買い付けた段階で出産の迫っていた牛もいたのです。
【どうして豚ではダメなのか】
ここで上記8月19日付けの回でお伝えした牛銀行のルールをおさらいしたいと思います。
・種付けして産まれた1頭目の仔牛はHCCに、2頭目はその家族に、そして最初の牝牛をHCCに返す
そう、ルール的にはHCCが受け取る仔牛なので、それをHCCが別の家族に廻すこともまた可能です。しかし、確認しなくてはいけない点がいくつかあります。よって、HCCスタッフと私は、その家族のところに向いました。そしてどうして豚ではダメなのか聞いたところ、若干驚きを伴う答えが返ってきました。
「豚に食べさせるものがない」
私は浅薄でした。確かに豚は雑食とはいえ、牛のようにそのへんの草を食むというわけではありません。くず米なりもみがらなりをやらなくてはいけません。とはいえ、生まれたての仔牛が農耕牛として活躍するようになるには、2年以上待たなくてはいけません。そのことは何度も念押ししました。しかし、確かに何もないガラーンとした家で「牛がいい。豚にやるものがない」と、小さな声で、しかしハッキリと言う8人の子持ちのお母さんの言葉に、私の視線は虚空をさまようばかりでした。
(この項続く)
※重い話題ですが、写真は私のとっておきの子豚写真にしました!
これまで国際子ども権利センター支援によるHCCのプロジェクト地、プレイベン州コムチャイミア郡への出張報告を中心にこのブログに記事を投稿してきましたが、この出張報告の第1回(8月19日付)で収入向上プログラム(家畜銀行)についてお伝えしたのを覚えていらっしゃるでしょうか。今回からの3回では、この家畜銀行の続報を通じて“最”貧困層支援についてみなさんと考えたいと思います。
【やっぱり牛がいい】
上記第1回でもお伝えしたとおり、今回の支援家族は10家族、予算の関係から、そのうち8家族に牛、2家族に豚、となっています。牛、豚それぞれの家族の選定は、村長他村の有力者たち(ビレッジ・オーソリティー 覚えていただきましたか?カンボジアのキーワードです)を中心に、HCCのスタッフも交えて行われたわけですが、私の第1回の訪問時、支援家族から「やはり牛がいい」という声が再度挙がりました。もともと牛がよかったことと、最近流行り病があるのか豚が死んだ話をよく聞くから、ということでした。
言い分はわかるが、予算は予算でいまさら変わらない・・・という状態の中、豚を支援される予定だった家族が、既にHCCから他の家族に貸し付けられている牛から産まれた仔牛を欲しい、と言ってきました。そう、買い付けた段階で出産の迫っていた牛もいたのです。
【どうして豚ではダメなのか】
ここで上記8月19日付けの回でお伝えした牛銀行のルールをおさらいしたいと思います。
・種付けして産まれた1頭目の仔牛はHCCに、2頭目はその家族に、そして最初の牝牛をHCCに返す
そう、ルール的にはHCCが受け取る仔牛なので、それをHCCが別の家族に廻すこともまた可能です。しかし、確認しなくてはいけない点がいくつかあります。よって、HCCスタッフと私は、その家族のところに向いました。そしてどうして豚ではダメなのか聞いたところ、若干驚きを伴う答えが返ってきました。
「豚に食べさせるものがない」
私は浅薄でした。確かに豚は雑食とはいえ、牛のようにそのへんの草を食むというわけではありません。くず米なりもみがらなりをやらなくてはいけません。とはいえ、生まれたての仔牛が農耕牛として活躍するようになるには、2年以上待たなくてはいけません。そのことは何度も念押ししました。しかし、確かに何もないガラーンとした家で「牛がいい。豚にやるものがない」と、小さな声で、しかしハッキリと言う8人の子持ちのお母さんの言葉に、私の視線は虚空をさまようばかりでした。
(この項続く)
※重い話題ですが、写真は私のとっておきの子豚写真にしました!