UAP(未確認空中現象)-これは従来でいう所のUFOの事を指しますが、この問題を多くの人は軽く考えているか、そもそも歯牙にもかけていません。確かに「未確認な飛行物体が地球の空を行ったり来たりしている」とか「異星人がいて、実はすでに人類の一部とコンタクトしている」なんて言った処で、多くの人は真面目に取り合わないでしょう。
思うに現代文明の社会構造の根本的な処には、この宇宙には人類しか存在しないし、それこそこの地球こそが宇宙で生命が存在する稀有な惑星だという思想に依っています。これは中世のローマ教皇も支持していた天動説的な考え方であり、簡単に言えばいまの人類社会は科学の世界ではすでに否定されて久しい天動説的な考え方で、実は現代においても社会が成り立っているという事なのかもしれません。
本来ならば1947年に発生したロズウェル事件や、1952年7月に起きたアメリカ合衆国首都ワシントンにおけるUFO乱舞事件を切っ掛けとして、人類は地球外の存在に目を向けるべきだったのです。しかし実際にはアメリカをはじめ世界のマスコミの報道や、政府機関の公式的な発言で、それらは「ありきたりな空中現象」として処理され、人々が関心を向ける事はありませんでした。
近年、アメリカの情報公開法で公表された公文書の中、CIAによる「プロジェクト・デバンギング(暴露作戦)」というものが発見されました。そこでは、はじめにもっともらしいUFOの映像などを公表し、人々が信じ始めた頃に、実はこのUFO映像はフェイクでいたずらで作られた偽物だと公表する事で、以降、人々はそういった類の情報をまともに取り上げなくなるという事が書かれていました。実際にこれまでのUFOの問題は、こういった事により社会では嘲笑と的となり、例えば航空パイロットの世界ではUAPを目撃したとして、それを正直に報告すると地上勤務に回されてしまうのです。何故ならUAPを観るのは「精神的に不安定な状況」と判断されるに足りるという事からです。
かくして現在においても日本国内ではUAP(UFO)現象は、未だにバラエティ番組のネタとして扱われ、お笑い芸人などが適当に茶化して終わってしまうというものになっています。まあそこに出てくる「UFO専門家」を自称する人達も、良く解らない人が出てきたりしていますからね。
この世界的な流れに大きな一石を投じたのは、アメリカの緊急救命医だったスティーブン・グリア博士でした。彼は若い時代に異星人との接近遭遇も経験していて、2001年5月9日に、首都ワシントンのナショナル・プレスクラブに於いて、多くに元政府関係者や軍関係者によるUFOや異星人遭遇による記者会見を行い、アメリカ政府が過去に行っていた情報隠蔽の事実を公表しました。
本来であればこの会見場所であるナショナル・プレスクラブは政府が記者会見を行う様な、由緒ある会場であり、世界のマスコミは注目すべき出来事だったのですが、アメリカ大手のCNNやMSNBCなどは一切この記者会見を無視したので、世界的に報じられる事はありませんでした。
恐らく日本国内においても、こういった出来事をほとんどの人は知らずにいますし、恐らくまともに取り合う事もしないでしょう。
これはとても残念な事です。
私はスティーブン・グリア博士のシンパではありませんが、彼の博士がこのUAP問題で危惧している事については大きく共感する処があります。
スティーブン・グリア博士によれば、既にアメリカ合衆国の軍や、軍産複合体の企業は、反重力のテクノロジーや、その為のフリーエネルギー(莫大なエネルギー)を得る為のテクノロジーを既に持っていると言うのです。これは何も荒唐無稽な事ではなく、彼の博士が主催してきた「ディスクロージャープロジェクト」に賛同した多くの軍関係者や政府関係者の証言を元にしての結論です。
そしてこういったテクノロジーを利用する事で、人類は石油中心のエネルギー依存から脱却し、多くの人達は無尽蔵にある膨大なエネルギー(これは炭酸ガスなどを環境負荷をかけない)を利用する事で、より健康で環境負荷の少ない、クリーンな生活を実現する事が出来ると主張しています。
博士が懸念しているのは、現在の石油依存のエネルギー体制や、それによる環境破壊。また戦争にしてもその石油エネルギーに関連して発生している事から、人類に残された時間は実は少なくて、このディスクロージャー・プロジェクトにより多くの人達が、この人類的な危機に気付き、各国の政府に全ての情報開示を働き掛ける事を求めているのです。
実はUAP問題とは、そういった事が本質にあり、人類に対しては喫緊の問題でもある事を、スティーブン・グリア博士は訴えているのです。
しかし繰り返しになりますが、世界でもそうですし、日本国内においても未だにバラエティ番組のネタ程度にしか、人々は認識していません。そこに実は大きな問題がある事を、まずは多くの人々は気付くべきなのではないでしょうか。