今日は荒天で家の外には出れない感じです。そんな中で、昨日の夕方からAmazon Prime Videoを見て時間を潰しています。最近のテレビを見ていても、バラエティ番組で芸人の空騒ぎのや、何か煮え切らない様な報道番組ばかりで、食傷気味となっていて、つい動画サイトやこういったVODで時間を潰してしまいます。
そんな中でツィッターでも少し書きましたが、以下の番組を見ていました。
(邦題:死者の記憶を持つ子供たち)
この番組はドキュメンタリー形式で出来ていて、アメリカでの「前世記憶を持つ子供」と、その子供を持った両親や家族にターゲットを絞りまとめられていました。
この中では、太平洋戦争で硫黄島上陸作戦に参加し、戦死した空軍パイロットだったという青年の話、シカゴのホテル火災で亡くなった黒人女性だったという話、また9.11のアメリカのテロ事件でWTCに居て亡くなったという男性の話、「風と共に去りぬ」の脚本家で若くして亡くなった男性の話など、いくつもの前世の事例が取り上げられていました。しかしこういった「前世記憶を持つ子供たち」の話というのは、世界中にも多くあって、その前世記憶の人生を送った故人を調査した話というのも、過去から世界中に多くありました。同じくアメリカで放映された番組で、そのテーマを取り扱った番組で、私は以前にNetflixで「死後の世界を探求する」というドキュメンタリーを見て、そこでも様々な事を考えさせられました。
ただ今回のこの番組では、前世記憶を持つ子供の話もそうですが、そういった子供を持った母親や父親が、その子供の語る前世記憶をどの様に受け入れていくのかという事を焦点絞ってまとめられていました。
アメリカとはご存知の通り、キリスト教の国家です。そのキリスト教では「前世」という概念や輪廻転生は完全に否定しています。この番組で取り上げた前世記憶を持つ子供たちの両親や家族の殆どは、敬虔なクリスチャンでした。だから自分たちの愛する子供が語る前世記憶の事を、当初、受け入れる事が出来ないのです。ただしその子供たちの多くは前世記憶のフラッシュバックに苦しみます。それは自分の前世での死の瞬間を「悪夢」という事で追体験をしているのです。また子供たち自身も、その記憶による悪夢を理解できず、心的に大きなストレスを受け続け苦しんでいるのです。
両親はそんな子供の姿を無視できなくなり、様々な手を尽くして自分たちで調べていく中で、子供の語る前世記憶の人生を持っていた、実在した人物に辿り着くのです。そしてその経験の中で、自分たちが信仰してきた事とは異なる「事実」を受け入れていきます。
こういった子供たちの両親は、この自分の子供が語る「前世記憶」を受け入れる事で、「死」とは全ての終わりではなく、死の後にも人生は続くという事を受け入れていきます。ある意味で、自分の下に生まれてきた子供たちを通して死生観を新たに教えられていくのです。またそういった前世記憶を持つ子供たちも、成長する中で自分自身の中にある過去の人格を受け入れ、新たな人生への歩みを開始していきます。
さて、人生とは「いまこの時、この人生」だけなのでしょうか。生まれる前には何もなく、死んだ後には何も残らないのか。大乗仏教では「輪廻転生」という事は語られていますが、原始仏教では過去から現在、そして未来へとつづく「我」という事は否定されています。チベット仏教では、この輪廻転生を苦悩と捉え、この転生のサイクルから抜け出し、この娑婆世界に二度と生まれてこない事を解脱呼び、その解脱のチャンスが「死」であると教えています。
以前にこれは臨死体験者の話であった事ですが、人生の中で信仰心篤く宗教を信じて生きてきた人ほど、死を迎えた時には失望するという話もありました。それは死を迎えた時に、例えばキリストや神さまが出迎えて来たとか、如来が迎えに来るという様な、宗教が教える出来事が無いからだと言うのです。思うにこういった事は、宗教で語るべき事では無いのかもしれません。
もしかしたら、ここ近年で人類は新たな局面を迎えているのかもしれません。そしてその新たな局面では、従来の「宗教」という概念は不要な時代に来ているのかもしれませんね。
私はこのドキュメンタリーを見て、その様な事も感じています。
さて前置きはこの位にして、この番組から「輪廻転生」にまつわる事について様々な事を考えてみたいと思いますが、それは次回以降という事で。
(続く)