臨死体験については、様々な体験談というのがあります。今回はその中でも興味深い内容について紹介したいと思います。ちょっと長めになりますが、お時間のある方はお付き合いいただければ幸いです。
◆プルーフ・オブ・ヘブン(Proof of Heaven)
この本は、アメリカの脳神経外科医であるエベン・アレクサンダー(Eben Alexander)が、自身で体験した臨死体験について書いているもので、邦題は「プルーフ・オブ・ヘブン(天国の証明)―脳神経外科医が見た死後の世界」です。
この臨死体験ですが、とても興味深いのが、体験者自身が現役の脳神経外科医であるという事。そしてその医師である本人が、自身の臨死体験後に自身のカルテを確認し、医師の眼からみて自分がどの様な病状であったかを確認しているという事です。
よく言われるのが臨死体験というのは、本人が危篤状態に陥った時に、脳内で起きる現象によるものだと言う事ですが、アレキサンダー医師は、自身のカルテを確認した結果として、そのような脳内現象では無いと結論付けるのです。
ではどの様な体験であったのが、概要を掻い摘んで少し紹介をしてみたいと思います。
・2008年11月10日 パージニア州リンチバーグにて
アレクサンダー氏は、この日の早朝、午前四時半に唐突に目が覚めたと言います。何故目を覚ましたのか、少し考えを巡らすと、前の日から一家そろって呼吸器系ウイルス疾患(恐らく軽いインフルエンザ)を患っていた事で、寝ようとする頃に彼は背中が痛み始めていたので、軽く風呂に入り、それで痛みが治まったので、その影響で目が覚めたと思ったそうです。
そして小さく寝返りを打つと、背骨に鋭い痛みが走りましたが、この痛みは前日よりもはるかに強い痛みで、氏はインフルエンザの影響か、他にも何かあるかもしれないと思いましたが、目が冴えてくるに従い、この痛みはますます激しくなって行きました。この時、出勤時間までまだ一時間はあるので、再度風呂で温まろうと、ベッドから足を下ろして立ち上がってみると、再び激しい痛みを覚えるほどになっていました。
そしてバスルームまで行って、バスタブに体を横たえ、温まり始めると、痛みはより強烈なものになり激しくなった事から、直ぐにバスタブから出て、バスローブを羽織り、ベッドルームに何とか戻り、ベッドに倒れ込みました。この時には奥さんも目を覚ましていました。
「どうしたの?いま何時?」
「わからない、背中がおかしい。ひどく痛むんだ。」
この段階でアレクサンダー氏は単なるインフルエンザではなく、何かがおかしいと感じ始めていたそうです。
この段階で奥さんは救急車を呼ぶ事を考えたそうですが、アレクサンダー氏本因は医師である自分が救急車で運び込まれる事が嫌であった事から、少し様子を見ることにしたそうです。しかし間もなく本人が意識を失っている状態となっている事を奥さんが発見し、体が板のように固くこわばっており、激しい痙攣を起こして眼球も痙攣していた事から、直ぐに救急車を呼び、病院に搬送されました。
・同僚医師氏の見立て
アレクサンダー氏は救急車で、自身が勤務しているセントラル・リンチバーグ総合病院に搬送されましたが、そこて診察したスコット・ウェイド医師は、当時の状況を以下の様に語っています。
病院に運び込まれたエベン・アレクサンダー医師が細菌性髄膜炎に罹患していることが判明し、感染症が専門の私が担当することになった。流感に似た症状を示し、背部痛と頭痛に苦しむアレクサンダー医師はただちに緊急救命室に担ぎ込まれ、頭部CTスキャンの後に脊椎穿刺検査を受けて、グラム陰性の髄膜炎であることがわかったのだ。昏睡状態の重体であったため、人工呼吸器を装着し、抗生物質の投与が開始された。二十四時間以内に、脳脊髄液のグラム陰性菌は大腸菌である事が確認された。(中略)グラム陰性髄膜炎による幼児から成人までの死亡率は、四割から八割に当たる。病院到着時のアレクサンダー医師は発作を起こし、精神状態にもはっきりとした異常がみとめられたが、これらは神経症合併症もしくは死亡を引き起こす危険因子だった。迅速に積極的な抗生物質投与が行われ、集中治療室へ搬送されてからも治療は継続されたが、意識不明が六日間に及ぶに連れて早期回復の希望も消え去っていた。(この場合死亡率は九十七%と報告されている)ところが七日目に入り、奇跡が起きた。アレクサンダー医師は目を開き、意識を取り戻して、間もなく人工呼吸器も取り外された。一週間近くも昏睡状態にありながらこの病気から完全な回復を果たしたことは、驚嘆に値する。
・昏睡状態の間の経験
アレクサンダー氏は、この日の早朝、午前四時半に唐突に目が覚めたと言います。何故目を覚ましたのか、少し考えを巡らすと、前の日から一家そろって呼吸器系ウイルス疾患(恐らく軽いインフルエンザ)を患っていた事で、寝ようとする頃に彼は背中が痛み始めていたので、軽く風呂に入り、それで痛みが治まったので、その影響で目が覚めたと思ったそうです。
そして小さく寝返りを打つと、背骨に鋭い痛みが走りましたが、この痛みは前日よりもはるかに強い痛みで、氏はインフルエンザの影響か、他にも何かあるかもしれないと思いましたが、目が冴えてくるに従い、この痛みはますます激しくなって行きました。この時、出勤時間までまだ一時間はあるので、再度風呂で温まろうと、ベッドから足を下ろして立ち上がってみると、再び激しい痛みを覚えるほどになっていました。
そしてバスルームまで行って、バスタブに体を横たえ、温まり始めると、痛みはより強烈なものになり激しくなった事から、直ぐにバスタブから出て、バスローブを羽織り、ベッドルームに何とか戻り、ベッドに倒れ込みました。この時には奥さんも目を覚ましていました。
「どうしたの?いま何時?」
「わからない、背中がおかしい。ひどく痛むんだ。」
この段階でアレクサンダー氏は単なるインフルエンザではなく、何かがおかしいと感じ始めていたそうです。
この段階で奥さんは救急車を呼ぶ事を考えたそうですが、アレクサンダー氏本因は医師である自分が救急車で運び込まれる事が嫌であった事から、少し様子を見ることにしたそうです。しかし間もなく本人が意識を失っている状態となっている事を奥さんが発見し、体が板のように固くこわばっており、激しい痙攣を起こして眼球も痙攣していた事から、直ぐに救急車を呼び、病院に搬送されました。
・同僚医師氏の見立て
アレクサンダー氏は救急車で、自身が勤務しているセントラル・リンチバーグ総合病院に搬送されましたが、そこて診察したスコット・ウェイド医師は、当時の状況を以下の様に語っています。
病院に運び込まれたエベン・アレクサンダー医師が細菌性髄膜炎に罹患していることが判明し、感染症が専門の私が担当することになった。流感に似た症状を示し、背部痛と頭痛に苦しむアレクサンダー医師はただちに緊急救命室に担ぎ込まれ、頭部CTスキャンの後に脊椎穿刺検査を受けて、グラム陰性の髄膜炎であることがわかったのだ。昏睡状態の重体であったため、人工呼吸器を装着し、抗生物質の投与が開始された。二十四時間以内に、脳脊髄液のグラム陰性菌は大腸菌である事が確認された。(中略)グラム陰性髄膜炎による幼児から成人までの死亡率は、四割から八割に当たる。病院到着時のアレクサンダー医師は発作を起こし、精神状態にもはっきりとした異常がみとめられたが、これらは神経症合併症もしくは死亡を引き起こす危険因子だった。迅速に積極的な抗生物質投与が行われ、集中治療室へ搬送されてからも治療は継続されたが、意識不明が六日間に及ぶに連れて早期回復の希望も消え去っていた。(この場合死亡率は九十七%と報告されている)ところが七日目に入り、奇跡が起きた。アレクサンダー医師は目を開き、意識を取り戻して、間もなく人工呼吸器も取り外された。一週間近くも昏睡状態にありながらこの病気から完全な回復を果たしたことは、驚嘆に値する。
・昏睡状態の間の経験
病院に搬送されたアレクサンダー氏は重篤な髄膜炎により昏睡状態になっていましたが、その間に不思議な経験をしていました。その内容はこの様なものだったと言うのです。
気が付くとアレクサンダー氏は「泥の中に世界」に居たそうです。この泥の中ですが、泥を通して視界が効く暗がりという非常にめずらしい状況で、汚らしいゼリーの中に居る様な感じで、透けてはいるが、すべてがどんよりとぼやけ、息苦しさを感じる場所であったと言います。そこで氏には意識もあったそうですが、記憶も自意識も無い状態で、その状況を見ている自分がどこの誰だかわからない、まるで夢の中にいる状態と同じ感じであったと言います。
この泥の中の世界では、どこか遠いところから、リズミカルな深い音で振動が伝わってきたそうです。それはまるで地底に住む巨人の鍛冶屋が、どこかハンマーを打ち下ろしている様な振動であったそうです。
ある時点から自分の周囲には何かがある事に気が付きました。それは血管の様にも見え、木の根の様にも見えました。後にこの状態を例えて「ミミズの目の世界」と呼ぶ事にしたそうです。そしてこの世界に居る時間が長くなって来るにつれ、汚泥の中からグロテスクな動物たちが顔を突き出し、時折、深い唸り声も聞こえ始めました。また臭いが漂っている事にも気が付きはじめ、アレクサンダー氏はパニックになる寸前まで追い詰められたそうです。
「ここを出なくてはいけない!」
「でもどこへ?」
この様に自問していると、上方の暗がりから何かの姿が現れました。それは今までの暗がりと無縁の、その正反対を表すもの、一生かけて説明しても、その美しさは表現できない美しい存在でした。
闇の中から何かの姿が現れました。それはゆったりと回転しながら、金色かかった白い光を燦然と放射していました。その光に照らし出される事で、周りの暗闇は崩壊し始めたと言います。そして初めて聞く旋律も聞こえ、それは「生きた音色」で美しい旋律だったそうです。やがてこの光はぐんぐん迫ってきて、その光の真ん中に、何か別のものが出現してきました。そしてその事に気が付いた途端、アレクサンダー氏は光に向かい上昇を始めたそうです。猛烈なスピードで、この光の開口部を過ぎると、そこには別世界が広がっていました。
下には田園風景が広がり、青々としたみずみずしい緑の地面。しかし地面とは言っても地面では無いという不思議な場所で、そこには人がいて子供が遊んでいる姿も見えたそうです。
ただ美しい、夢の様な世界。
どの位、その場所を飛んでいたのかわかりませんが、気が付くと自分の側に見た事も無い女性がいたそうです。深いブルーの目をした頬骨の高い、とても美しい女性でした。その女性は言葉ではなく、メッセージをアレクサンダー氏の意識に直接伝えてきました。
「あなたは永遠に、深く愛されています」
「恐れるような事は何もありません」
「あなたのする事は、何も間違いはありません」
そして女性は続けてメッセージを伝えてきました。
「ここえいろいろな事を見せてあげましょう」
「いずれは帰ってもらいますけど」
その後、アレクサンダー氏は、様々なビジョンを見て、様々な事を感じて後、この現実世界に戻ってきたと言うのですが、その内容はとても膨大な事なので、そこは以下の書籍を読んでみてください。
公立図書館などでも、置いてあります。
その後、アレクサンダー氏は回復の後、この自身の体験について分析をはじめますが、その内容について、興味深い事が幾つかありました。
(続く)