▲左が絶版だったわが家にある前刊、右が復刊された新しい遊歩大全、下は初版の上下販
パックパッカーの聖典とも言われたコリン・フレッチャー『遊歩大全』が昨暮れに再販発売されていたそうだ。アマゾンでも前刊分の中古本には数万円の高値がついていたそうだ。(ブログ「大文字を食べる」での記事で偶然このことを知った)
この本は、全くのアウトドア技術書なんだけれど、その技術の向うにあるモノ(情景や自然への想いでしょうか)を深く感じさせ、読む者との間で通じ合う共有感がすごく快いものです。
「雨で動けない。ターフを張る。バーナーをポッピングする。コーヒー用の水を湧かす」
一つ一つのどんな些細なテクニカルな作業の説明であっても、それを行ったり、使ったりした時の心の動き、状況・状態のイメージがふつふつと沸き上げってきます。「知る人ぞ知る」なんでしょうが、アウトドアでそういう体験のある方には、リアルに体で感じるように読むことのできる心地の良い本です。ウィルダネスへ踏み出して、広大な自然に立ち向かい、それに包まれていく。著者のコリン・フレッチャーの
深化した〝遊歩〟が、700に近い全ページにちりばめられています。
このバックパッカーのためのハウツウ本が、70年代の米国、ベトナム戦争で疲れ果てていた青年たちに、強烈に支持され、一つの生き方・スタイルを提示することになりました。広大な自然へ立ち向い、また深奥な自然に寄りそいながら自分を見つめるバックパッカー達にとって、心地良く、快い〝ひとり歩き〟の世界を押し広げることになります。必読のバイブルとも言われた名著です。六甲山にウィルダネスを求めた私においても同様でした。
このコリン・フレッチャーが正当な(遊歩の)師匠ならば、もう一方、乞食の旅に出た俳人〝山頭火〟からは、歩きを彩る感性の何たるかを知らしめてくれました。
「分け入っても分け入っても青い山」この一句で〝遊歩〟の全てを語り尽くしているようです。(新ブログ〝山頭火にみる遊歩〟をご参照ください)
ウィルダネスを舞台にその地をわが原郷とすべく、明確に解き明かしていこうとするコリン・フレッチャーの〝歩き〟と、わが原郷を求めて突き動かされるように彷徨う「山頭火の歩き」この異質とも言える二つの〝歩き〟ですが、私にとっては、ともに深く共振・共有できる同質の歩きです。
(★新ブログ「遊歩のススメ」より)
『テレビ、ヘロイン、株。ひたすらのめり込み、常習患者になりがちなこれらの楽しみに、ウォーキング、すなわち「歩く」という行為にもつながっているような気がする。だが、精神的な偏執に陥りかねないこれらの狂気の中で、「歩く」だけは少し異質だなと感じられるのは、その狂気が快いものであり、精神の健全さにつながっているからであろう。』
(C.フレッチャー著「遊歩大全」より)
このフレッチャーの言葉に出会って、私はずいぶんと癒された。救われたと言っても過言ではない。
なぜ、さまようように六甲山を歩かされているのか?
なぜ、狂おしいほど六甲の山々に魅せられているのか?
その不明を解き明かす為には、只ただ、歩き続けるほかに術がなかった、そんな初期の私の「歩き」は、オーバーに表現すると「無明の歩き」、オシャレにいうと「自分探しの旅」とでも言いますか、どちらにしても制御の効かない、どう転んでいくか行末知れない暴走ウォーキングでした。この「ウォーキング迷路」に見事、進むべき道を照らしてくれたのが、C.フレッチャーの「遊歩大全」でした。(今は多分絶版かも)
この書をバイブルとし、今までさんざん喘ぎながらの自制もきかない「暴走の歩き」に「遊歩」という名を冠らさせることで、我がcomplete walker(遊歩)実現への出発点とし、第二の青春というべき時代を謳歌することが出来た訳です。(六甲遊歩会を結成した1980年代)
人生、人の歩く道も文字通り山あり谷ありで、まだまだ道半ばですが、今では…
まつすぐな道でさみしい〔山頭火〕
などと今では余裕で、こんな句を引き合いに出せるようにもなりました。(?)
●遍歴、放浪の俳人・山頭火の〝遊歩〟も私たちの山歩きを彩ってくれます。
ちょっとした山での体感を、彼の句に当てはめてみるのも楽しいですよ。
ぜひ一読くださいませ。新ブログ「遊歩のススメ」にて紹介しております。
●遊歩調査関連記事(新ブログ)
・遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。
・加藤文太郎の足跡をおいかけて
・六甲全山縦走路の実測の後日譚
●〝歩き〟に特化した新しいブログを作りました。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
●遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。
●周南ツーリズム:関連ログ/
004:シビックプライドを支える山々
003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
002. エコツーリズムの起点
001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」
000. 道の駅・パブリックコメントに参加して…
●道の駅:関連ログ/
周南市は誰のために道の駅を作るのか?
個人ブランド米 コレクションで売れるか!
「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?
新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
周南の未来を切り拓く道の駅
周南デザイン最終稿「新たなる道標」
周南デザイン4、周南アイデンティティを生み出す「道の駅」を創ろう!
周南デザイン3、シビック プライド in 周南?
周南デザイン2、イメージとスペース
周南デザイン1、プライドとブランド
周南市西部道の駅・見直し検討会?
周南市PR映画・第一部が完成
パックパッカーの聖典とも言われたコリン・フレッチャー『遊歩大全』が昨暮れに再販発売されていたそうだ。アマゾンでも前刊分の中古本には数万円の高値がついていたそうだ。(ブログ「大文字を食べる」での記事で偶然このことを知った)
■歩くという単純な行為の、なんという素晴らしさ!
この本は、全くのアウトドア技術書なんだけれど、その技術の向うにあるモノ(情景や自然への想いでしょうか)を深く感じさせ、読む者との間で通じ合う共有感がすごく快いものです。
「雨で動けない。ターフを張る。バーナーをポッピングする。コーヒー用の水を湧かす」
一つ一つのどんな些細なテクニカルな作業の説明であっても、それを行ったり、使ったりした時の心の動き、状況・状態のイメージがふつふつと沸き上げってきます。「知る人ぞ知る」なんでしょうが、アウトドアでそういう体験のある方には、リアルに体で感じるように読むことのできる心地の良い本です。ウィルダネスへ踏み出して、広大な自然に立ち向かい、それに包まれていく。著者のコリン・フレッチャーの
深化した〝遊歩〟が、700に近い全ページにちりばめられています。
このバックパッカーのためのハウツウ本が、70年代の米国、ベトナム戦争で疲れ果てていた青年たちに、強烈に支持され、一つの生き方・スタイルを提示することになりました。広大な自然へ立ち向い、また深奥な自然に寄りそいながら自分を見つめるバックパッカー達にとって、心地良く、快い〝ひとり歩き〟の世界を押し広げることになります。必読のバイブルとも言われた名著です。六甲山にウィルダネスを求めた私においても同様でした。
■二人の師匠に通底した歩き
このコリン・フレッチャーが正当な(遊歩の)師匠ならば、もう一方、乞食の旅に出た俳人〝山頭火〟からは、歩きを彩る感性の何たるかを知らしめてくれました。
「分け入っても分け入っても青い山」この一句で〝遊歩〟の全てを語り尽くしているようです。(新ブログ〝山頭火にみる遊歩〟をご参照ください)
ウィルダネスを舞台にその地をわが原郷とすべく、明確に解き明かしていこうとするコリン・フレッチャーの〝歩き〟と、わが原郷を求めて突き動かされるように彷徨う「山頭火の歩き」この異質とも言える二つの〝歩き〟ですが、私にとっては、ともに深く共振・共有できる同質の歩きです。
〝山歩きはアートだ!〟十人十色の〝歩き〟が百人百様の人生を彩ります。 このシンプルで根元的なアクティビティ、あなたの〝歩き〟とは何なのか? 先人たちにみる〝遊歩〟を通して、今一度掘り下げてみまましょう! |
■ウォーキングは健全なる狂気である
(★新ブログ「遊歩のススメ」より)
『テレビ、ヘロイン、株。ひたすらのめり込み、常習患者になりがちなこれらの楽しみに、ウォーキング、すなわち「歩く」という行為にもつながっているような気がする。だが、精神的な偏執に陥りかねないこれらの狂気の中で、「歩く」だけは少し異質だなと感じられるのは、その狂気が快いものであり、精神の健全さにつながっているからであろう。』
(C.フレッチャー著「遊歩大全」より)
このフレッチャーの言葉に出会って、私はずいぶんと癒された。救われたと言っても過言ではない。
なぜ、さまようように六甲山を歩かされているのか?
なぜ、狂おしいほど六甲の山々に魅せられているのか?
その不明を解き明かす為には、只ただ、歩き続けるほかに術がなかった、そんな初期の私の「歩き」は、オーバーに表現すると「無明の歩き」、オシャレにいうと「自分探しの旅」とでも言いますか、どちらにしても制御の効かない、どう転んでいくか行末知れない暴走ウォーキングでした。この「ウォーキング迷路」に見事、進むべき道を照らしてくれたのが、C.フレッチャーの「遊歩大全」でした。(今は多分絶版かも)
この書をバイブルとし、今までさんざん喘ぎながらの自制もきかない「暴走の歩き」に「遊歩」という名を冠らさせることで、我がcomplete walker(遊歩)実現への出発点とし、第二の青春というべき時代を謳歌することが出来た訳です。(六甲遊歩会を結成した1980年代)
人生、人の歩く道も文字通り山あり谷ありで、まだまだ道半ばですが、今では…
まつすぐな道でさみしい〔山頭火〕
などと今では余裕で、こんな句を引き合いに出せるようにもなりました。(?)
●遍歴、放浪の俳人・山頭火の〝遊歩〟も私たちの山歩きを彩ってくれます。
ちょっとした山での体感を、彼の句に当てはめてみるのも楽しいですよ。
ぜひ一読くださいませ。新ブログ「遊歩のススメ」にて紹介しております。
●遊歩調査関連記事(新ブログ)
・遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。
・加藤文太郎の足跡をおいかけて
・六甲全山縦走路の実測の後日譚
●〝歩き〟に特化した新しいブログを作りました。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。
〝遊歩〟にオススメな厳選ハイキング・グッズ<10選>※ライト編(スマホは必要?・GPSは邪魔?) |
キンドル出版にて、 山端ぼう:著「つたなき遊歩・ブラインドウォーカー」を出版いたしました。 遊歩大全をバイブルとして六甲山を巡り歩いた老いた遊歩人とブラインドサイト(盲視)という不思議な能力をもつ全盲の青年とが、巻き起こすミステリアスな物語です。六甲全山縦走から穂高縦走へ・・・ 続きは・・・ |
●遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。
●周南ツーリズム:関連ログ/
004:シビックプライドを支える山々
003. 周南エコツーリズム基盤整備と宣言
002. エコツーリズムの起点
001. 従来型のイベントを打破できるか!「ゆの浴衣まつり」
000. 道の駅・パブリックコメントに参加して…
●道の駅:関連ログ/
周南市は誰のために道の駅を作るのか?
個人ブランド米 コレクションで売れるか!
「地域通貨 Buchi」こども達が地域経済を押し上げる?
新産業のイノベーション基地「ワッショイ周南」
周南の未来を切り拓く道の駅
周南デザイン最終稿「新たなる道標」
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