久しぶりに”遊歩”の話題を。
”遊歩”とは自己の探求、自己の再発見、自己の表出だ!と、時間さえあれば昼夜の区別なく、六甲山中を彷徨うように歩いていた頃は、今思い返すと随分と自然に癒され元気をいただいていたものでした。ストレスにまみれた身体を、森の緑に預け樹々をすり抜け、沢の清水に浸しながら黙々と歩くことで、芯から浄化していたのでしょう。これほど心身が健全であった時期は、この頃を外してなかったでしょう。
最近、「歩き」が健康法に積極的に取り入れられて、いろんな形のウォーキングを見ることができます。良く見かけるのが、腕をくの時に曲げて、競歩のようにせかせか歩くウォーキングです。あれは全く感心できません。
有酸素運動がどうだ、何分で何カロリー燃焼したとか、そういう計算が先にあって、足下の雑草や小花を見る余裕もままならいとなれば、これは逆にストレスを貯めているようなものです。やはりロハスな遊歩というのは、自然に身をゆだね、心をとけ込ませたところに在ると思います。
森林浴という言葉がすっかり定着していますが、私が六甲山を歩き出した20数年前では珍しい言葉でした。それもそのはず日本では1982年に当時の林野庁などによって提唱され、長野県の赤沢自然休養林が発祥地とされています。官民で組織して研究を進めている「森林セラピー研究会」が、その中心的な役割を担っているらしいが、現在、日本全国で35ヶ所のセラピー「基地」や「ロード」が認定されている。
山口県下では、前回の記事にもあった旧徳地町の「ブナ天然林と樹齢200年以上のアカマツ林」エリアが森林レラピーの基地作りに取り組んでいる。樹木が発散する香り成分「フィトンチッド」が医学的にもストレスホルモンを低下させるのが実証されています。昨今は森林浴というのはアウトドア・スポーツという分野というよりは、医学治療への利用・活用に注目を浴びいて、その取組みが本格化しています。
終日のんびりと、嫌というほどにフィトンチッドのシャワーを浴びてみたいものですが、まずはその前にストレスの少ない生活を築いていくことが先決のようです。
風の中おのれを責めつつ歩く 〔山頭火〕
う~ん、これはこの歩きは辛いですね。ストレスが溜ります。
★写真はフィトンチッドの塊がゴロゴロしているような針葉樹林。マツとかヒノキに成分が多いらしい。
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遊歩資料館アーカイブ(2010年収録)に目次があります。
キンドル出版にて、 山端ぼう:著「つたなき遊歩・ブラインドウォーカー」を出版いたしました。 遊歩大全をバイブルとして六甲山を巡り歩いた老いた遊歩人とブラインドサイト(盲視)という不思議な能力をもつ全盲の青年とが、巻き起こすミステリアスな物語です。六甲全山縦走から穂高縦走へ・・・ 続きは・・・ |
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