公園の上に建つ「だちまかんハウス」漢字で表すと「達間館」(友達との間を繋ぐ建物)
ツリーハウスの材料には地域の不要木を使用していて、自然の恵みの恩恵を無駄なく使用しているところに感銘を受ける。
なぜこのようなプロジェクトに至ったのか、それは過疎化に伴う人口減少が主な要因だ。このツリーハウスはゲストハウス兼地域おこしの拠点として建てられており、ひいてはゲストハウスを利用した方々が愛媛県西予市野村町中筋地区に移住したいと思うきっかけとなったらという、実に興味深いプロジェクトである。
木の上に建っているツリーハウス、まるで高床式倉庫(住居)のような縄文時代の生活にタイムスリップしたかのよう。
愛媛県西予市野村町中筋地区の人口の約半数が65歳以上であり、20年前と比べ550人が減っているという。
ある若者は、地域おこし協力隊として兵庫に移住してきた。まだ、引っ越しの荷解きも終わっていない中でツリーハウスの制作現場に2人の女性はいた。元気で前向きに、どこか明るい未来を見据えながら生き生きと作業に取り組む姿は魅力的に映る。
特に地方の山深い地域は人口減少が著しく激しい。地方には自然豊かな恵みがたくさんある中で、我々人間がその価値を見出せていない気がする。あるいは、ひょっとすると人の手を加えなければ価値が付与されないものの方が多いのだろうか。自然の恵みだけではない、地方は都会と比較するとアットホームな人間関係が気づきやすいと感じる。お隣さんとの何気ない会話で得られる絆や安心感、高齢者同士であれば互いの体調についても情報交換できるだろう。今、お隣さんはどうしているのだろうか。幸せに暮らしているのだろうか。あそこの家には90代のおばあちゃんがいるが、今日も元気に庭でラジオ体操しているだろうか、なんて地域全体で住民を守るという温かさがそこにはある。
もっと地域の良さを若者達だけでなく、日本の伝統や文化を心から愛する海外の方にも知っていただきたい。
私は、年代や国籍を問わず、様々な方と一緒に手を取り合って、四季が織りなす山深い地方の魅力を、国内だけでなく世界の方々にも知っていただけたらと強く思う。日本人、アメリカ人、韓国人・・・・、もう国籍は関係なく日本の文化や歴史・伝統を尊重し愛する方であれば、日本の若者と共にまた地方が人で活気づく時代が訪れるかもしれない。