ホルストの「惑星」の話です。
女声合唱があるのは最終章です。今だったら「冥王星」になるところですが、ホルストが「惑星」を作曲したとき(1914~16年)にはまだ冥王星は発見されてなかったので、「海王星」が最終章です。ちなみに冥王星が発見されたのは1930年、ホルストはその4年後の1934年に亡くなりました。
「海王星」には「神秘の神」というサブタイトルがついています。そのため、女声合唱も天の声みたいに響かせなければなりません。そこで、合唱団は舞台の裏側で歌うことになっています。私たちも反響板の裏側でこっそり(?)歌いました。反響板には舞台へつながる扉があり、閉じたままだとオーケストラの音もほとんど聞こえない状態ですが、合唱のときはその扉を少しだけ開きます。扉の開き具合で音量を調節するのだそうです。
さて、問題は指揮です。反響板の裏ですから、もちろん指揮者は見えません。そこで、どうするか。本物の指揮者の先生をビデオで撮って、モニター画面で見ながら歌うということだったのですが、それだけでは今ひとつわかりにくかったので、モニターの横でもう一人別の人に指揮してもらうことになりました。でも、指揮者が2人いると、またどっちの指揮を見ればいいのかわからなくなるので、結局、影の指揮者さんには歌い出しと歌い終わりのタイミングだけ「2…1…ハイ」というようにカウントしてもらうことになりました。あーやこーやと文句ばっかり言うて、すみませんでした(^^ヾ
指揮者の先生は、合唱が始まると、ビデオカメラを見て指揮をしてくださいますが、合唱団員の顔は見えない訳で、さぞかし不安な指揮だったことでしょう。そういえば、ずーっとこっち(カメラ)ばっかり見て指揮してくださってましたから、きっとハラハラしてらしたんでしょうね(^^)
演奏会から1週間経ちました。でも、まだ余韻に浸っていて、ときどき車の中で「惑星」のカセット(私達のではありませんが)を聴いたりしています。本番では「天王星」が始まったら舞台裏にスタンバイしてたので、「天王星」と「海王星」だけは指揮者の先生をモニターで見ていたことになります。カセットを聞いていても「天王星」が始まると、指揮者の先生の姿が目に浮かびます。
「惑星」は合唱があるのがネックになってなかなか全曲は演奏されない、と聞いたことがあります。そのことを思えば、小さな演奏会でしたがいい経験をさせてもらったと思っています。
さて、実際のところ、どんなふうに聞こえてたんでしょうね。
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