夜話ニ云ク、若シ人来ツて用事を云フ中に、あるイは人に物を乞ヒ、あるイは訴訟等の事をも云はんとて、一通の状をも所望する事出来有るに、その時、我レはなり、遁世篭居の身なれば、在家等の人に非分の事を謂ハんは非なりとて、眼前の人の所望を叶へぬは、その時に臨ミ思量すべきなり。
『正法眼蔵随聞記』巻2-16
道元禅師の時代には、「出家遁世」した人のことをと呼びました。要するに、一切の世俗に関わらない人のことです。ところが、僧侶で様々な学問を積んだ人もおりましたので、世俗の人から物事を頼まれることもありました。
道元禅師は、自分が出家遁世しているとしても、そのような依頼に対して、全く応えないということは極端なので、その時々の状況を考え、必要であればその依頼に応えていくべきだとしたのです。
結局、困っている人に、積極的に手を差し伸べるべきだとは書いていませんが、助けを求めて伸ばしてきた手を振り払うようなことはしてはならないというのです。
『正法眼蔵随聞記』巻2-16
道元禅師の時代には、「出家遁世」した人のことをと呼びました。要するに、一切の世俗に関わらない人のことです。ところが、僧侶で様々な学問を積んだ人もおりましたので、世俗の人から物事を頼まれることもありました。
道元禅師は、自分が出家遁世しているとしても、そのような依頼に対して、全く応えないということは極端なので、その時々の状況を考え、必要であればその依頼に応えていくべきだとしたのです。
結局、困っている人に、積極的に手を差し伸べるべきだとは書いていませんが、助けを求めて伸ばしてきた手を振り払うようなことはしてはならないというのです。