満福山城国寺

宮城県栗原市にある曹洞宗の満福山城国寺のブログです。

城国寺開創について

2022-06-21 13:17:13 | 寺院紹介
満福山城国寺は、応永元年(1394)に山形県大石田にある向川寺4世・竺室良厳禅師によって開かれた曹洞宗の寺院です。

ただし、残念ながらこのことを客観的に示す文献史料などがあるわけではありません。

分かっているのはご開山さまのお名前と、開基とされる方(狩野氏)のお位牌が当山山内に残されていることくらいです。

そのお位牌の関係から、当寺は当初「晟泉院」という名前だった可能性も指摘されており、おそらくは現在地とは別の場所に存在していたと思われます。

しかし、戦国時代が終わり、伊達家の仙台藩が現在の宮城県と岩手県の南部地域を領するにあたり、その奉行であった遠藤氏が現在の栗原市花山地域に入り、当山を現在地に移転し改名したようです。

それは、歴代の遠藤氏のお位牌からも明らかです。

なお、遠藤氏より前に当山が存在した理由として、元禄年間に当寺の梵鐘に鐘銘をお寄せいただいた加賀大乘寺27世・卍山道白禅師が当山のことを「大徹派下の古禅刹なり」と書かれ、これはご本寺・向川寺さまとの関係を端的に示すとともに、開創時期の古さを示すものとして理解しています。