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若者は何故、途中で下車するのか

2007-05-08 15:54:27 | 旧メンバーブログ

筆者は、上昇し続ける新卒離職率、ニートやフリーターの急増、そして一向に改善しない年金未納率などは、若者の閉塞感が具体化したものであると主張する。

では、若者が感じる閉塞感とは一体何なのか?それを探るのがこの一冊である。

一本の敷かれたレールの上に乗り、おとなしく定年まで走り続けてさえいれば、誰でも定年退職というゴールにたどり着ける…。

年功序列というレールの上では、若いうちの待遇はけっしてよくないものの、それは将来の出世という形で支払われ長い目で見れば十分元のとれるシステムだ。

安定志向が強い現代において、日本型雇用形態の年功所列・終身雇用を望む若者は依然多いようだ。
 
しかし、年功序列は終わったと言われて久しい。

いまや、上場企業の約9割でなんらかの形で成果主義が取り入れられている。

とすれば、やる気と才能、そしてハッキリとしたビジョンさえ持ち合わせていれば、若くても活躍できる時代になったのだろうか。

いや、そんなことはない。いまの時代、汗水たらして働いても、若いときの苦労はけっして報われず、一生下働きで終わる可能性もあるのだ。

つまり、企業の利益が上昇し続けなければ年功序列は維持できないため、システムそれ自体が機能不全を起こしてしまっているのである。

 先が見えない不安はまさにそこからくるのであろう。

職場を見渡し、社内の人事制度にひととおり目を通し、自分の給与明細と上司のそれとを見比べ、給与が上がらないと分かればその会社とは縁を切り、転職してしまうのも無理はない。

筆者はこれを若者が会社を途中下車する最大の理由としている。
 
なぜ、若者がこのような状況に陥ってしまったのだろうか。

それは、この国が若者にツケを回す国だからである。バブル崩壊後、人件費を抑えるために年長者の給料カットではなく、新卒採用を削ることで対応してきた。

代わりに派遣社員やフリーターを雇うことで目先の労働力確保だけを行ってきたのである。

 本書は、若者が3年で辞めるという現状を、広い視点で分析し、働く理由までをも読者に考えさせるものとなっている。

若者の視点で問題を取り上げているため、共感できる部分も多く、今働いている人、そしてこれから働く人にぜひ読んでもらいたい1冊である。



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