現在の社会は閉塞的な状況に覆いつくされている。豊かなはずなのに心は満たされず、衣食足りているはずなのに礼節に乏しく、自由なはずなのにどこか閉塞感がある。このような社会の混乱は、多くの人々が生きる意味や価値を見出せず、人生の指針を見失っていることが原因ではないかと筆者は主張している。
ではこのような時代に何が必要なのか?筆者は心を高めること、魂を磨くことこそ人生の目的であると主張している。
その手段として懸命にひたむきに働くこと、つまり労働こそが心を高め、魂を磨くことに直結すると筆者は説いている。
労働とは生活するための糧、報酬を得るための手段であり、なるべく労働時間は短く給料は多くもらい、あとは自分の余暇に生きる。このような人生観が良く見受けられる。
しかし、働くということは人間にとって、もっと深遠かつ崇高で大きな価値と意味を持った行為である。日々の労働により人間の心は練磨されるはずということを、筆者は読者に語りかけている。
私は現在大学3年。就職活動を始めなければならない時期に来ている。この本を読むまで働くということは生活するための糧、「働かざるもの食うべからず」という労働観ぐらいしか持っていなかった。
だがこの本を読み、働くということがもたらす人間への効果や、人格形成のための労働、精神修養のための労働の大切さを感じた。
今まで働くことは苦しく、つらいことと思っていたが、そのつらさ苦しみを乗り越えたところに、心からの喜びがひそんでいる。そのことをこの本は私に教えてくれたと思っている。
筆者の思いがつまったこの本を是非一度手にとって見てほしい。もしかしたら多少なりともあなたの人生の指針となるかもしれない。
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