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Re.1999.2.5

2009-02-05 09:27:51 | 旧メンバーブログ
「最後」に立ち会う万来の客

東急百貨店日本橋店 泉麻人さんと行く

1月31日夜8時
店内アナウンスが静かに流れる。

「ただいま、閉店でございます。336年ご愛顧いただきましたが、
 店を閉めさせていただくことになりました。」

閉店の瞬間を見ようと残った客から拍手が起きる。
ふれ太鼓、相撲甚句と東京の下町らしいセレモニーが続く

この日、朝9時半。最後の開店を待つ行列は、
2つ先の交差点まで続いた。その数6000人。

1番乗りの男性は、午前5時半に並んだという。

混乱を避けて、開店時間は30分早まった。
扉が開く。店内に待ちかねた客がなだれこむ。

東急日本橋の閉店は、この1ヶ月新聞やテレビで
繰り返し報じられていた。

都心の大手百貨店が売れ行きの不振を理由に
閉店するのは、今回の長引く不況でも初めて。

白木屋創業以来、336年の歴史を持つ老舗という話題性もある。

泉さんと混雑する店内を回った。泉さん自身コンパクトカメラを手にしている。

東京生まれの東京育ち。

「小さいころ、親に連れられて何度か来た覚えがあります。」
東急と名前が変わってからは来ていない。約30年ぶりの来店だ。

ダンボールが売り場に積んであったり、陳列棚が空になっていたり。
「中国とか東南アジアのデパートみたい」と泉さん。
階段を買い物客の集団が先を争って上ってゆく。

1ヶ月のセール期間中、1番売れたのが、不況で買い控えめの
めだつ紳士服。コートやスーツは、とにかく安さが売れ行きを左右する。

夜9時半、店のネオンが落ちた。
10分後、客の最後の一人が店を出る。
シャッターをすべて下ろした店内で夕礼がはじまった。
管理職のねぎらいに若い社員が涙ぐむ。

初めての「千客万来」にひと月間、振り回された。
その緊張がほどける。

入社以来、25年間ずっと日本橋店勤務のマネージャーは

「どうしたら、お客様に来ていただけるのか。そればかり
 考えて続けてきました。最後の最後の日に、こんなに
 大勢来ていただけるなんて。」

と声をつまらせた。

(朝日新聞 1999年2月5日付ニッポン現場紀行より一部抜粋)

今月3日のニュースでセブン&アイ・ホールディングスが、
そごう心斎橋店を、大丸を傘下に持つJ.フロント リテイリング
に売却する方向で交渉していることが明らかになった。と報じている。
 
駅前を賑わせた百貨店も販売不振、経営状況の悪化と
生き残りは苦しくなっている。

今では、郊外に大型ショッピングセンター、インターネットによる販売
アウトレット専門店なども増えているのも一因だろう。

地元にあったダイエーも、6年前くらいだろうか、閉店になった。
特に駅前にあったために、閉店後は町を行く人の姿が減ったように
感じる。

誰もが1度くらいデパートの中を家族で歩いた思い出があるのではないだろうか

私の母は、クリームソーダというと、決まって私が幼稚園か小学校の
低学年の頃、デパートで飲んだことを話す。

店の閉店は、どこかそこでの思い出を心の中に
収めることなのかもしれません。











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