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Re.1998.11.27

2008-11-27 17:54:35 | 旧メンバーブログ
だれが容疑者を裁くのか

和歌山ミカンと紀州ウメが、長野県松本市の河野さんの自宅に
送られてきた。
差出人は「林真須美」とあった。真須美容疑者が保険詐欺事件などで
逮捕される10日前のことだ。

「電話で4回、話しています。あちらからコンタクトを取ってきた。
 『しゃべったことを、マスコミはきちんと書いてくれない』と
 嘆いていました。」

河野さんは言う。逮捕の2日前にも、真須美容疑者が
携帯電話で連絡してきた。

「がんばれと子どもを励ましてくれた人がいる。と話していました。
 半分、泣いているようでした。」

逮捕前の狂騒状態に比べれば、表面上、落ち着きを取り戻したかに
見える和歌山市園部の住宅街。林容疑者宅の壁は『アホ』『死ね』などの
ののしる落書きでいっぱいだ。

真須美、健治両容疑者の弁護団には「手を引け」といった抗議も
寄せられている。

「「ひどいやつには弁護は必要ない。」ということでしょうか。

弁護団はクロをシロとねじまげている。と書いた新聞もある。
裁判所に代わって、世間やメディアが制裁をしている。

林容疑者の燐宅、浜井満夫さんを訪ねた。7月の自治会の
夏祭りでヒ素が混入したカレーを食べ、20日間入院した。

河野 ヒ素って、味あるんですか

浜井 無味無臭です。

河野 サリンと同じですね。我々は何の落ち度もないのに
   そういう目に遭った。今後も起こりうることです。
   行政は被害者に対する治療費や生活費の補償を、もっと
   充実させないとだめだ。でないと、被害者は加害者を恨むだけで
   一生をつぶすことになる。

浜井 私たちも被害者の会を設立して、心と体の健康を回復する活動を
   していこうと決めました。行政に働きかけようという声もあります。

夏祭りの会場の隣には、賀川司さんの家がある。カレー作りに
自家用車を貸した賀川さんは「一時、犯人扱いされた。」と話す。

賀川 何で疑われたのか、はっきりしないんです。自治会費を
   使い込んでいたとうわさされましたが、もちろん事実無根です。
   腹は立つし、嫁さんは和歌山を出たいといいだすし・・。

河野 怪しいとなると、いろんな話を組みつけてくるんです。
   私にも「人殺し」となじる手紙がきました。

1994年の松本サリン事件では、毎日新聞を含むほとんどの
マスメディアが、第一通報者の河野さんを容疑者であるかのように
報道した。

「組織の原理は、個々の記者では変えられない。ただ一生懸命、
 流れを変えようとしている記者は、確かにいるんです。」

(ニッポン現場紀行 和歌山ヒ素事件 1998年11月27日)

最近、元厚生事務次官自宅連続襲撃事件は、小泉容疑者の自首によって
幕を閉じた。しかし、犯人が捕まる前はというと、テロではないかということ
が大きくマスコミによって報道されていたように感じる。

宅配便を装っての襲撃事件だった。
事件による真実というのは一体何なのだろう。
現場に残された様子、そして事務次官の経緯など、
様々な事実と犯人の様子が報道される。

今回は犯人が自ら名乗り出たからいいものの、
松本サリン事件、そして和歌山カレーヒ素混入事件のように、
ただ現場の近くにいるだけで、犯人扱いされるということも
有り得るのだ。

司法の場で裁かれるべきことが、マスメディアによって
裁かれていること、決して少なくはないのだろう。

食品の包装だけに、私たちは批判の眼をもつべきではない。
マスメディアに対しても、それが真実であるのかどうか、
批判できる、見極める眼を持たなければいけないのだと感じる。



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