11月24日に、東京都新宿区にあります、つぶつぶセミナーホールで、日本ベジタリアン学会共催の東京講演会が行われ、さまざまな分野の大学教授、医師など学識経験者や、企業の方なども含め、東北から沖縄まで多くの方々が参加されました。
「サルナート:世界の仏教の揺り籠と日本との繋がり」と題して、インド大使館ヴィヴェーカナンダ文化センター長で、元バナーラス・ヒンドゥ大学教授のシッダールト・シン博士による講演が行われ、仏陀が法の輪を回すという最も重要な教えを説いた場所であるサルナートについてと、日本に伝わっている仏教との関係についてのお話がありました。
皆様熱心に聞き入っておられ、講演終了後は受講者から、仏教と日本の繋がりや、仏教と菜食・ベジタリアニズムとの繋がりなどについての深い内容の質問があり、講演参加者の学びの意欲の高さを感じました。
講演前には同会場で、第19回日本ベジタリアン学会大会の一般講演が行われ、8題の発表が行われました。
発表内容は以下です。
1.宮城智央 (琉球大学医学部)
2019年8月にオックスフォード大学から発表された論文「前向き研究EPIC-Oxfordの結果による18年間追跡された肉を食べる人、魚を食べる人、ベジタリアンにおける虚血性心疾患と脳卒中の危険性」についての文献とメディア報道への多角的考察
2.宮城智央 (琉球大学医学部)
ベジタリアンのためのビタミンB12栄養源についての文献的検討
3. 酒巻梨々花1,2・福田ひとみ1・阿部一博1(1帝塚山学院大学人間科学部・2現在:大阪狭山市)
若年層の和食摂食状況と来日中の方々による日本食の嗜好性に関する調査
4.中川雅博(総監技術コンサルティング)・垣本充(三育学院大学)
2019年のモンゴル国ウランバートルにおけるベジタリアン文化の定着
5. 橋本晃一1,4・高井明徳2・垣本充1,3(1NPO法人日本ベジタリアン協会・2大阪信愛学院短期大学・3三育学院大学・4大阪市立大学大学院)
動物性食品摂取に基づくベジタリアン調査(第2報)
6. 橋本晃一(NPO法人日本ベジタリアン協会、大阪市立大学大学院)
ガンジーのベジタリアニズムと英国ヴィーガン協会設立まで
7. 松原広幸(NPO法人日本ベジタリアン協会)
信仰的ベジタリアンからみた食のバリアフリーに関する考察
8. 佐藤 陽子1,2,3・太田 尚孝1 (1東京理科大学大学院科学教育研究科・2武蔵野大学附属千代田高等学院・3武蔵野大学教育学研究所)
キッチンサイエンスによる新しい水の対流学習用教材の開発 ―ビーガン対応型マサラチャイの作成実験―
そして、優秀な若手研究者に贈られる「プレゼンテーション賞」は、「若年層の和食摂食状況と来日中の方々による日本食の嗜好性に関する調査」を発表された酒巻梨々花さんに贈られることになりました。
すべての講演終了後には、1階のレストランスペースでブッフェ形式の日本型ヴィーガン食である、雑穀菜食つぶつぶ料理による懇親会が行われ、大盛況でした。
雑穀ご飯はもちろんのこと、雑穀ハンバーグや天ぷら、サラダなど、どれも植物性で出来ているとは思えない美味しさで、「菜食で今まで食べた中で一番美味しい」と言っておられる方もいらっしゃいました。
講演の場所や懇親会の料理を提供いただき、講演会にもご参加下さいましたつぶつぶ関係者の皆様方をはじめ、特別講演を行っていただいたシン博士や通訳としてご参加いただいたヘマ様、日本ベジタリアン協会・日本ベジタリアン学会の皆様に厚く御礼申し上げます。
(報告:橋本晃一)
NPO法人日本ベジタリアン協会
ホームページ:http://www.jpvs.org/