私の中の至上の物語の一つ、カニグズバーグの『ジョコンダ夫人の肖像』に、こんな一節がある。
これを見る人は、誰もレオナルドの幻影から逃れることはできないわ。
今から後、『最後の晩餐』を描くすべての画家は、
この絵に追随することになるわ。
この絵を見て、見る前と変わらない人はいないはずよ。
ヒロイン・ベアトリチェが、ダヴィンチの描いた「最後の晩餐」を目にした時の台詞。
世界選手権での、高橋大輔の「道」を見て、この一節を思い出した。
これを見る人は、誰も大輔の幻影から逃れることはできないわ。
今から後、フェリーニの「道」を演じる全てのスケーターは、
この演技に追随することになるわ。
この演技を見て、見る前と変わらない人はいないはずよ。
うーーん、ファンの欲目としてもあまりにも痛いのはわかっているが(爆)
それぐらい、感動した。
フィンランディア杯→NHK杯→スケートカナダ→グランプリファイナル→全日本選手権。
一歩一歩、階段を上がっていくようだった今シーズン。
最初は、戻ってきてくれただけで嬉しかった。
スケカナでは、フリーを演じきれたことに感動した。
GPFのショートプログラムでようやく、「私の知っている高橋君だ」と思った。
全日本で少し、安心することができた。
正直、オリンピックまでは、「あの怪我さえなければ」という思いを拭うことができなかった。
高橋大輔は、「相変わらず」素晴らしい。
でも、あの怪我さえなければ、この五輪で圧倒的な強さを見せて勝てたのではないか、と。
そして、世界選手権。
フリーの演技、イタリア映画「道」。
そこにいたのは、私の知らない選手だった。
こんなに強い選手を、私は知らない。
こんなに美しい演技を、私は知らない。
そこにいたのは確かに、ずっとファンだった選手で、今シーズン何度も見たプログラムなんだけど、
まるで、初めて見たものであるかのような衝撃に襲われた。
ただ、幸せだった。
この演技を見ていることが信じられないぐらい幸せで、涙が出てきた。
フィギュアスケートという競技が好きで、涙もろくてしょっちゅう泣く私だけれど、
演技そのものが素晴らしすぎて幸せで泣けるなんて経験を、
これから一体何度することができるだろうか。
フィギュアスケートファンで良かった、と心底思った。
そこまでの体験だった。
「高橋大輔」という選手を個別認識したのは、2005年の世界選手権(モスクワ)だ。
トリノ五輪の1年前、枠のかかった大会で、結果を残せなかった姿を見た。
始まりがそんなだったから、彼を応援する目線には、いつも「ハラハラ、ドキドキ」が入っていた。
顔も(笑)表現の仕方もものすごく「好み」で、
そのうえで「放っておけない」気持ちがわいて、いつも祈りながら応援していた。
2005-2006
グランプリシリーズ初勝利。
グランプリファイナルでの表彰台。
因縁の全日本。
トリノオリンピック。
2006-2007
スケートカナダでの大自爆。
NHK杯で決めた四回転。
神がかっていた全日本。
重圧をはね退けた東京ワールド。
2007-2008
「ヒップホップ白鳥の湖」の衝撃。
四回転を2本跳んだ、全日本と四大陸。
世界選手権でのまさかの台落ち。
2008-2009
シーズンオフのコーチ騒動。
負傷のニュース。
高すぎる山も深すぎる谷もあった。
こんなにも、強い選手になっていたのか。
「相変わらず」の素晴らしさじゃない。
今までよりも、ずっとずっと高いところに、彼は登っていたのだ。
何だか寂しさを感じるのは私の勝手すぎる感傷で、
別に最初から近い存在ではなかったわけで。
リアルタイムで彼のことを好きでよかったと、感謝している。
そしてこれからも彼の戦いを見られることが、信じられないくらい幸せで嬉しい。
アスリートで、アーティスト。
四回転論争も技術vs芸術論争も全部吹き飛ばしてくれるスケーター。
それが彼であることが、ただただ嬉しく、誇らしいのだ。
おめでとう、そして、ありがとう。
最高のシーズンでした。
これを見る人は、誰もレオナルドの幻影から逃れることはできないわ。
今から後、『最後の晩餐』を描くすべての画家は、
この絵に追随することになるわ。
この絵を見て、見る前と変わらない人はいないはずよ。
ヒロイン・ベアトリチェが、ダヴィンチの描いた「最後の晩餐」を目にした時の台詞。
世界選手権での、高橋大輔の「道」を見て、この一節を思い出した。
これを見る人は、誰も大輔の幻影から逃れることはできないわ。
今から後、フェリーニの「道」を演じる全てのスケーターは、
この演技に追随することになるわ。
この演技を見て、見る前と変わらない人はいないはずよ。
うーーん、ファンの欲目としてもあまりにも痛いのはわかっているが(爆)
それぐらい、感動した。
フィンランディア杯→NHK杯→スケートカナダ→グランプリファイナル→全日本選手権。
一歩一歩、階段を上がっていくようだった今シーズン。
最初は、戻ってきてくれただけで嬉しかった。
スケカナでは、フリーを演じきれたことに感動した。
GPFのショートプログラムでようやく、「私の知っている高橋君だ」と思った。
全日本で少し、安心することができた。
正直、オリンピックまでは、「あの怪我さえなければ」という思いを拭うことができなかった。
高橋大輔は、「相変わらず」素晴らしい。
でも、あの怪我さえなければ、この五輪で圧倒的な強さを見せて勝てたのではないか、と。
そして、世界選手権。
フリーの演技、イタリア映画「道」。
そこにいたのは、私の知らない選手だった。
こんなに強い選手を、私は知らない。
こんなに美しい演技を、私は知らない。
そこにいたのは確かに、ずっとファンだった選手で、今シーズン何度も見たプログラムなんだけど、
まるで、初めて見たものであるかのような衝撃に襲われた。
ただ、幸せだった。
この演技を見ていることが信じられないぐらい幸せで、涙が出てきた。
フィギュアスケートという競技が好きで、涙もろくてしょっちゅう泣く私だけれど、
演技そのものが素晴らしすぎて幸せで泣けるなんて経験を、
これから一体何度することができるだろうか。
フィギュアスケートファンで良かった、と心底思った。
そこまでの体験だった。
「高橋大輔」という選手を個別認識したのは、2005年の世界選手権(モスクワ)だ。
トリノ五輪の1年前、枠のかかった大会で、結果を残せなかった姿を見た。
始まりがそんなだったから、彼を応援する目線には、いつも「ハラハラ、ドキドキ」が入っていた。
顔も(笑)表現の仕方もものすごく「好み」で、
そのうえで「放っておけない」気持ちがわいて、いつも祈りながら応援していた。
2005-2006
グランプリシリーズ初勝利。
グランプリファイナルでの表彰台。
因縁の全日本。
トリノオリンピック。
2006-2007
スケートカナダでの大自爆。
NHK杯で決めた四回転。
神がかっていた全日本。
重圧をはね退けた東京ワールド。
2007-2008
「ヒップホップ白鳥の湖」の衝撃。
四回転を2本跳んだ、全日本と四大陸。
世界選手権でのまさかの台落ち。
2008-2009
シーズンオフのコーチ騒動。
負傷のニュース。
高すぎる山も深すぎる谷もあった。
こんなにも、強い選手になっていたのか。
「相変わらず」の素晴らしさじゃない。
今までよりも、ずっとずっと高いところに、彼は登っていたのだ。
何だか寂しさを感じるのは私の勝手すぎる感傷で、
別に最初から近い存在ではなかったわけで。
リアルタイムで彼のことを好きでよかったと、感謝している。
そしてこれからも彼の戦いを見られることが、信じられないくらい幸せで嬉しい。
アスリートで、アーティスト。
四回転論争も技術vs芸術論争も全部吹き飛ばしてくれるスケーター。
それが彼であることが、ただただ嬉しく、誇らしいのだ。
おめでとう、そして、ありがとう。
最高のシーズンでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます