空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

シーズン終了記念その2―安藤美姫―

2010-04-13 22:14:02 | フィギュアスケート
安藤美姫というスケーターが好きだ。

何度もしつこく書いたから、恋に落ちるまでの経緯は省略(笑)
現在、私にとって、ナンバーワンであり、オンリーワンの選手です。

今シーズンは正直、しんどいシーズンでした。
おかしいな。
途中まではかなり、心穏やかに演技を見ていられたのに。
素敵なプログラム、安定した出来。
「いいシーズンになるといいな」それだけを願っていた。

「トリノ五輪のトラウマ」。

全日本までは、そんなものを意識もしていなかった。
私の美姫ファン歴は、トリノ後のシーズンから始まっていたので、
「安藤美姫のトリノ」の記憶はすっぽり抜け落ちていたのだ。

いや、録画はしてたので荒川さんの演技と一緒に見返すことはあったんだけど、
私にとってあのパラヴェラでの演技は、「山あり谷あり」の中のほんの1ページに過ぎなかった。

でも、本人にとっては、そんなもんではなかったんだね。
あの当時のバッシングの酷さは、当時ファンでなかった私が見ても
吐き気を催すほどのものだった。
それに晒された十代の女の子がどれほどの傷を負っていたか、
私は3年間それに気づかずにいた。
気づかされたのは、五輪代表に選ばれてからの彼女の談話を見てからだ。

それを彼女の「弱さ」だと言う人もいるだろう。
実際、そう言って彼女を非難する人も見た。

実は私も、聞いていて辛かった。
4年前のことなんて忘れて、新しい安藤美姫として五輪に臨んでほしかった。
心穏やかに見るつもりでいたのに、色々考えると胸が苦しくなってしまったりもした。

そして、五輪での演技。

何よりも、演技後のインタビューで
「スケート続けてきて良かった」という言葉を聞けたのが一番嬉しかった。

…というのが感想。

十分素敵な演技ではあったんだけど、
「安藤美姫の最高の演技」かと言われると、もっと上があるよなあ…という、
まあ率直に言うと、不完全燃焼だったのです。

でも彼女の穏やかな微笑を見ていると、
彼女のキャリアのためには、このバンクーバーの演技がどうしても必要だったんだと思えました。
オリンピックの場で、クリーンな演技をする、ということ。
それができなければ、次へ進めないのだろう。

そう納得して迎えた、世界選手権。
生中継で見ていたフリー。

今シーズンの全てのことは、この演技のためにあったのか。
すべてのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる、最高の演技でした。
ジャンプの難度が低くても、あと僅かでメダルに届かなくても
(当日はぶつぶつ言っていましたが、ショートであれだけミスしたら仕方ないわ)
年に1回訪れる、「安藤美姫の神演技!!」
…終わり良ければすべて良し。

これがあるから美姫ファンをやめられないのよね…(笑)
NBC(だっけ?)のコメンテーターが五輪前に言っていた
「彼女は良いときと悪いときの差が激しくて、しかも
 実際にリンクに灯りがついて音楽が鳴り始めるまで、どちらの安藤美姫が出てくるかわからない」
というのが言いえて妙だなと(笑)
これからも離れられそうにありません。


安藤美姫の魅力って、
良い精神状態も悪い精神状態もダイレクトに演技に現れる点だと思う。
「嬉しいときは嬉しいスケート 悲しいときは悲しいスケート」
(折原みと「安藤美姫物語―I believe―」より)
バイオリズムの波に振り回されて気づいたらどっぷり浸かっている。

でも一歩ずつ、階段を登っているのを感じる。
今年は一回も大崩れがなかったし。
だから、続けることを宣言してくれたのがとっても嬉しいのだ。
これからも、応援し続けます。

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