空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

星組「オーシャンズ11」…そして。

2011-11-23 20:34:10 | 観劇(タカラヅカ)
何とか休みを確保して、行ってきました!

有名映画のミュージカル化。
原作は、一応見てます。テレビ放送かDVDだった気もするけど(曖昧)。
演出:小池修一郎、主演:柚希礼音と来れば、全幅の信頼が置ける感じで。
大劇場も大入り満員でした。

期待通りの面白さ。

主人公:詐欺師ダニー・オーシャン@柚希くん。
恋に落ちる。
完璧なカッコ良さ。
もう、ドキドキしっぱなしです(笑)
特に、ヒロイン:テス@夢咲ねねちゃんに見せる顔がもう、甘くて甘くて…
二人の出会いを回想する場面が特に。
「萌え」というより、「トキメキ」。
私はどうも、「まっすぐなアプローチ」に弱いんですかね。(宝塚の醍醐味だしね)
一方で、二幕冒頭の幻想での「蛇」は、萌えました(笑)
ショーがない分、ここでちえさんのダンスを堪能。

相手役のねねちゃん。
ちえねね最強。
もうあっちこっちで言われまくっていますが、改めて実感。
二人の並びが本当に好きだ。
そしてねねちゃんと言えば、美脚
いやあ、あの女神様衣装とか、本来はあんなに脚が見えたら変だと思うのよね。コンセプト的に。
でも、ねねちゃんだし。脚見せなきゃ、みたいな(爆)
(そういえば、前作ノバボサでの大胆スリットも眼福でした)
でもねー、このテス、という役。
色々新設定が加わった結果、「騙されてるの気付けよ…」って感じの、
馬鹿なわがまま女に見えちゃうのが残念でした。脚本上。
(ラスベガスの「エコホテル」って、そもそもの存在が矛盾)

そのねねちゃんに対峙するのがダイアナ@白華れみちゃん。
…いいのか? 宝塚の娘役がこの役…てな大胆キャラでしたが、
生き生きと演じていました。しっかり美しいし(ここ重要)。

第二ヒロインはポーラ@音羽みのりちゃん。
とにかくかわいいー

かわいいと言えば、回想シーンでテスを演じた早乙女わかばちゃん。
なまじねねちゃんと同じ場面だから、「絶対同一人物ちゃうやろw」と盛大に
突っ込んでしまいましたが、まあこっちはこっちで、初々しくてかわいかったからOK。


敵役はベネディクト@紅ゆずるさん。
見るたびにカッコ良くなっていってる気がする。
ねねちゃんに絡む表情がいちいちエロいしw

犯罪ドリームチームの面々も大好きです!

ラスティー@涼紫央さん。
安心のクオリティ。ちえさんとの阿吽の呼吸も良いなあ。
ポーラに見せる表情が甘くてうっとり。このコンビも好きだ。
一芝居打つ場面では…いいのか…? その、関西人魂
ごっつウケてましたがww

ディーラーのフランク@夢乃聖夏さん。
毎回思うんだけど、顔がとってもきりやんに似ていると思うのです。
アフリカ系の設定かな?黒塗りで、一人長髪なのが目立っていい感じでした。

ハッカーのリビングストン@美弥るりかさん。
「かしげさんに似てる」とずっと言われていて、あんまりピンと来ていなかったんですが、
今回初めて、「めっちゃ似てる!」と思った。(どの役を思い出したんだ…?)

…真風涼帆くんが水さんに似てるとか今更だし何回言うてんねん、って感じですが(汗)
毎回実感します。似てるー。
今回のライナスは、映画ではマット・デイモンがやっていた役ですね。
ライナスの成長物語、っていうのが一つの軸でもあるんですが、
等身大の役をしっかりやっていたし、金庫内でのちえさんとのコンビは素敵でした。

後は、イエン役の鶴美真夕さんのバトントワリング!
「ロミオとジュリエット」でめっちゃ話題になっていたので、見られてよかった。


音楽も全部良かったな~。
個人的には「JUMP」が好きです。
後、一幕ラストで全員が集結する曲も。こういう場面大好き。
(スカピンの「謎解きのゲーム」とか)


演出も、舞台ならでは!の楽しさにあふれていました。
客席降りはサプライズだったな。ちえさんがめっちゃ間近に!
金庫に侵入するときの、ダニーとライアンが上から登場する装置が好きです。
(ここで、「あれ、『王家に捧ぐ歌』のファラオのブランコ…?」とか思ってはいけない)

楽しんで、宝塚の華やかさを堪能して、コメディ場面で大笑いして、
フィナーレのパレードで、まさかの大泣き。

…まやさん……未沙のえる氏。
実は見に行くまで、この公演がまやさんのサヨナラ公演だということを失念していた。
プログラムの小池先生のコメントを見て思い出す。
そうだった。
偉大なバイプレイヤー、稀代のコメディアンを、私たちは失うのだった。

私がまやさんを最初に認識したのは、2005年の宙組公演である。
「ホテル ステラマリス」のランカスター社長、「レヴュー伝説」の串田氏。
どこにいてもすぐにわかる人だった。
「ベルサイユのばら」メルシー伯。
「愛するには短すぎる」ブランドン(「奇っ怪なり…」)。
「MAHOROBA」月読。「マジシャンの憂鬱」墓守の老人(「何者だ!」「墓守だ!」)。
「ME AND MY GIRL」パーチェスター(伝説の、「お屋敷の弁護士」)。
それに、「ZORRO」「ラスト プレイ」「ロジェ」
特に正塚作品には欠かせない人だった。
(だから私は勝手に、退団するなら正塚作品だろうと決め付けていた)

今回のソール役は、去りゆくまやさんへのリスペクトに満ち溢れていた。
まやさんのコメディアンぶりを自由自在に見せつける。
ドリームチームで一人、年長者の役なので、他の役者たちとのやり取りが、
リアルな関係に重なる。
芝居で少しぐっと来たのは、父親へのコンプレックスに悩むライアンに、
彼の父親とのエピソードを語るシーン。
40年も宝塚にいるまやさんだ、親子二代で知っているジェンヌさんがいたって不思議ではない。
だからこそ、重みがあった。

最後のパレード。
まやさんの階段降りを、見逃さないようにと目を凝らした。
通常なら、専科さんは最後のほう。
組長・副組長が降りてきた後、階段のサイドを降りてくる。
そう思って、まやさんの姿を探していた。
センターは、真風さん→夢乃さん→紅さんと降りて、後はトップコンビを待つばかり。

目を疑った。

まやさんは、ねねちゃんの前を、大階段の中央を堂々と降りてきた。
ソロこそ無いものの、宝塚の中心スターにしか許されない、センター一人降り。

その瞬間、涙が目から噴き出した。
…人は不意を突かれると涙が目から飛び出すものなのだ(『毎日かあさん』)

まやさんが舞台で深々と頭を下げたとき、一際大きな拍手が巻き起こった。

これは、餞(ハナムケ)。
宝塚という世界に人生の大半を捧げ、唯一無二の存在となった稀代の「役者」に対する、
尊敬と愛、そして惜別の証。

今まで宝塚にいてくださって、ありがとう。
今回も、これだけのものを見せて下さってありがとう。

ぐずぐずと泣きながら。
必死で拍手をした。

……気付けば、涙で目が曇って、ちえねねがはっきり見えないという(爆)

でも、お見送りできて本当に良かったのです。

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