発表が終わった。少しだけ暇ができた。
ぐずぐずしてると終わってしまう。
慌ててチケットを取って宝塚へと向かった。
2回見る余裕はない。
だから、今日が見納めなのだ。
春野寿美礼さん。
花組のトップスター。
最初に見たのは「エリザベート」。トップお披露目公演。
私にとっての初・宝塚エリザだった。
あの歌声を聞いたときの衝撃は忘れられない。
少し空いて、次は「ファントム」。
まさに音楽の天使が、立っていた。
初演(宙組版)も大好きだけど、全く別物として、花組版も愛している。
それからは毎公演見ている。…残りは少なかったのだが。
映像でも何度か見た。
一番好きなのは、7月に見た「あさきゆめみしII」の光源氏かな。
ほんとうに美しかった。
立ち姿も、歌声も。
うっとりとして、見ていた。聞いていた。
大劇場は賑わっていた。
さすがに退団公演、グッズ売り場の盛況なこと。
団体さんも来ていたらしく、スーツ姿のおじさま方を何人も見た。
【アデュー・マルセイユ ―マルセイユへ愛をこめて―】
小池修一郎上手いなあ…というのが第一感想。
いや、元々小池先生好きなんですが。
マルセイユ、石鹸、マフィア、アメリカ禁酒法、ICPO、婦人参政権運動、ギリシャ神話…
という要素を組み合わせて、ベタなんだけどハラハラドキドキ、
恋愛にも共感して最後はハッピーエンド、でも「サヨナラ」で泣かせる…という、
「職人芸」って感じの作品でした。
演出もさすがで、一場面一場面がかっこいいし。
脇キャラも魅力的で、作品世界がすっごくいとおしかった。
個人的なツボその1はシモン(真飛聖さん)&ジャンヌ(愛音羽麗さん)のカップル。
シモンかわいい…かわいい…
石鹸彫刻に夢中になる様子あたりから、もう、可愛さがまさっちゃって。
そのシモンを暖かく見守ってる感じのジャンヌが、本当にいい女。
最初に歌い始めたときの声が「うわ、男役」でしたが、
冷静なツッコミ役&熱い励まし役両方をしっかりこなせる、素敵な姐さんでした。
「うちの店、ジャンヌの衣装代で赤字なんだ…」と頭を抱えた直後、
「ジャンヌ、次の衣装、黄金の蝶にしないか?」とデレデレになるシモンと、
「あれはあんたの趣味でしょう」と冷たく突っ込むジャンヌの掛け合いが
見事な夫婦漫才で、素敵すぎる。
個人的なツボその2は、うさんくさすぎるマルセイユ浄化委員会。
特にドツボはジオラモ@未涼亜希さん。
黒塗り付け髭ヤクザのあんちゃんですが、かっこいいのだ。
かっこ良さとうさんくささの配分がベストで、後半はずっとジオラモばっかり見ていた。
それからペラン警部@星原美佐緒さん、リシャール@夏美ようさん(まさに組長)
素敵なオジサマ方。
モーリス@壮一帆さんも、悪にも善にもなりきれない屈折した役がはまっていました。
ツボその3は、やっぱり今回が最後の、立ともみさん演じるフィリップ。
最後、おいしいとこ持って行ったなーと思いますが、やっぱりかっこ良かったです。
ダンスも見られて満足。
そして、春野さん…ジェラール。
ただ、見ていた。ただ、聞いていた。
物語後半になるに従って、歌声がどんどん響いてきて、それが心地よかった。
陰のある役。重い過去を背負った役。
だからこそ、(ある程度)幸せな終わりで良かった。
マリアンヌ役の桜乃彩音ちゃん。
随分、綺麗になったと思った。
実は、公式のあらすじを見てちょっと不安だった。
去年の「NEVER SAY GOODBYE」と同じじゃないかと。
(あ、私、「ネバセイ」何度も録画見直すぐらい好きです)
主人公:ジェラール=陰のある「よそ者」=ジョルジュ
ヒロイン:マリアンヌ=恋愛よりも社会運動に関心=キャサリン
二番手:シモン=主人公の友人で現地人=ヴィセント
三番手:モーリス=一見正義の味方だが悪役、ヒロインに関心=アギラール
…というテンプレートじゃないかとか。
マリアンヌとキャサリン、どちらも社会の動きに敏感で
新しい世界を創るために自分が行動したいと思っているような
強く賢い女性でしたが、ここまで違うキャラになるのかと驚きました。
まだまだ若手の桜乃さんと、
これを最後に宝塚を去っていく、成熟した花總さんとに
それぞれ当てて書いてらっしゃるんでしょうが。
同様に、ジェラールとジョルジュも、シモンとヴィセントも、モーリスとアギラールも
皆、決して「使いまわし」のキャラではなく、それぞれ魅力的に描かれ、演じられていて、
とてもいい作品だったと思います。
ラスト、マリアンヌやシモンらに別れを告げ、
一人、新しい世界へ向かう決意を春野さんが歌い始めた辺りで、
周囲の客席から啜り泣きが聞こえてきました。
私も、本当にラストの「アデュー!」でうるっと。
アデュー……オサさん。
【ラブ・シンフォニー】
ダンスが多かったなあ…群舞が多かったなあ…
もうちょっと、歌が聞きたかった気もする…
こちらもデュエットダンス直前の春野さんの歌あたりから、
隣りの席の人が泣き出しました。
フィナーレが終わってしまうのが悲しくて、
もう少し、もう少し、長く見ていたい、と思いながら、
幕が下りていくのを見ていた。
これで、お別れ。
これが、見納め。
もう「男役」の春野さんに会うことはない。
それはやっぱり切なくて、
キャトルで買った「Haruno Sumire Single Collection」を車で聞いていた。
ぐずぐずしてると終わってしまう。
慌ててチケットを取って宝塚へと向かった。
2回見る余裕はない。
だから、今日が見納めなのだ。
春野寿美礼さん。
花組のトップスター。
最初に見たのは「エリザベート」。トップお披露目公演。
私にとっての初・宝塚エリザだった。
あの歌声を聞いたときの衝撃は忘れられない。
少し空いて、次は「ファントム」。
まさに音楽の天使が、立っていた。
初演(宙組版)も大好きだけど、全く別物として、花組版も愛している。
それからは毎公演見ている。…残りは少なかったのだが。
映像でも何度か見た。
一番好きなのは、7月に見た「あさきゆめみしII」の光源氏かな。
ほんとうに美しかった。
立ち姿も、歌声も。
うっとりとして、見ていた。聞いていた。
大劇場は賑わっていた。
さすがに退団公演、グッズ売り場の盛況なこと。
団体さんも来ていたらしく、スーツ姿のおじさま方を何人も見た。
【アデュー・マルセイユ ―マルセイユへ愛をこめて―】
小池修一郎上手いなあ…というのが第一感想。
いや、元々小池先生好きなんですが。
マルセイユ、石鹸、マフィア、アメリカ禁酒法、ICPO、婦人参政権運動、ギリシャ神話…
という要素を組み合わせて、ベタなんだけどハラハラドキドキ、
恋愛にも共感して最後はハッピーエンド、でも「サヨナラ」で泣かせる…という、
「職人芸」って感じの作品でした。
演出もさすがで、一場面一場面がかっこいいし。
脇キャラも魅力的で、作品世界がすっごくいとおしかった。
個人的なツボその1はシモン(真飛聖さん)&ジャンヌ(愛音羽麗さん)のカップル。
シモンかわいい…かわいい…
石鹸彫刻に夢中になる様子あたりから、もう、可愛さがまさっちゃって。
そのシモンを暖かく見守ってる感じのジャンヌが、本当にいい女。
最初に歌い始めたときの声が「うわ、男役」でしたが、
冷静なツッコミ役&熱い励まし役両方をしっかりこなせる、素敵な姐さんでした。
「うちの店、ジャンヌの衣装代で赤字なんだ…」と頭を抱えた直後、
「ジャンヌ、次の衣装、黄金の蝶にしないか?」とデレデレになるシモンと、
「あれはあんたの趣味でしょう」と冷たく突っ込むジャンヌの掛け合いが
見事な夫婦漫才で、素敵すぎる。
個人的なツボその2は、うさんくさすぎるマルセイユ浄化委員会。
特にドツボはジオラモ@未涼亜希さん。
黒塗り付け髭ヤクザのあんちゃんですが、かっこいいのだ。
かっこ良さとうさんくささの配分がベストで、後半はずっとジオラモばっかり見ていた。
それからペラン警部@星原美佐緒さん、リシャール@夏美ようさん(まさに組長)
素敵なオジサマ方。
モーリス@壮一帆さんも、悪にも善にもなりきれない屈折した役がはまっていました。
ツボその3は、やっぱり今回が最後の、立ともみさん演じるフィリップ。
最後、おいしいとこ持って行ったなーと思いますが、やっぱりかっこ良かったです。
ダンスも見られて満足。
そして、春野さん…ジェラール。
ただ、見ていた。ただ、聞いていた。
物語後半になるに従って、歌声がどんどん響いてきて、それが心地よかった。
陰のある役。重い過去を背負った役。
だからこそ、(ある程度)幸せな終わりで良かった。
マリアンヌ役の桜乃彩音ちゃん。
随分、綺麗になったと思った。
実は、公式のあらすじを見てちょっと不安だった。
去年の「NEVER SAY GOODBYE」と同じじゃないかと。
(あ、私、「ネバセイ」何度も録画見直すぐらい好きです)
主人公:ジェラール=陰のある「よそ者」=ジョルジュ
ヒロイン:マリアンヌ=恋愛よりも社会運動に関心=キャサリン
二番手:シモン=主人公の友人で現地人=ヴィセント
三番手:モーリス=一見正義の味方だが悪役、ヒロインに関心=アギラール
…というテンプレートじゃないかとか。
マリアンヌとキャサリン、どちらも社会の動きに敏感で
新しい世界を創るために自分が行動したいと思っているような
強く賢い女性でしたが、ここまで違うキャラになるのかと驚きました。
まだまだ若手の桜乃さんと、
これを最後に宝塚を去っていく、成熟した花總さんとに
それぞれ当てて書いてらっしゃるんでしょうが。
同様に、ジェラールとジョルジュも、シモンとヴィセントも、モーリスとアギラールも
皆、決して「使いまわし」のキャラではなく、それぞれ魅力的に描かれ、演じられていて、
とてもいい作品だったと思います。
ラスト、マリアンヌやシモンらに別れを告げ、
一人、新しい世界へ向かう決意を春野さんが歌い始めた辺りで、
周囲の客席から啜り泣きが聞こえてきました。
私も、本当にラストの「アデュー!」でうるっと。
アデュー……オサさん。
【ラブ・シンフォニー】
ダンスが多かったなあ…群舞が多かったなあ…
もうちょっと、歌が聞きたかった気もする…
こちらもデュエットダンス直前の春野さんの歌あたりから、
隣りの席の人が泣き出しました。
フィナーレが終わってしまうのが悲しくて、
もう少し、もう少し、長く見ていたい、と思いながら、
幕が下りていくのを見ていた。
これで、お別れ。
これが、見納め。
もう「男役」の春野さんに会うことはない。
それはやっぱり切なくて、
キャトルで買った「Haruno Sumire Single Collection」を車で聞いていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます