空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

花組「雪華抄」「金色の砂漠」

2016-12-03 17:19:06 | 観劇(タカラヅカ)
※ネタバレに配慮していません。見たくない方はご注意を。

2日連続の宝塚。昨日はバウ、今日は大劇場。
昨日はウエダケイコ先生(景子先生)、今日はウエダクミコ先生(ウエクミ先生)。
ややこしや~

…いや実は最後にちょっと、「2日連続で見るもんじゃないな」って思っちゃったんですよ。
比較するのもおかしいし、別にテーマその他はかぶってない。
『身分違いツンデレ心中オチ』っていう、フレーム(の1つ)だけ。
(「死なない選択肢はなかったのか!?」というやるせなさとか、
 ラストの絵面の壮絶な美しさも含めて。)
景子先生とウエクミ先生それぞれの美意識の違いも見えて、
比較したらしたで面白かったし。


【雪華抄】
前物ショーは日本物。一昨年の「宝塚をどり」以来ですね。
2年に1回ぐらいのペースがちょうどいいかな?

「華の踊りは、ヨーイヤサー」
来るぞ来るぞ、ってわかっていても、チョンパの幕開きはテンションが上がる。

「荒鷲」の場面とかは、あんまり和物っぽくなかったけどね。

春→夏→秋→冬の順で展開していく(と思われる)のですが……
誰か原田先生に「七夕は秋の行事ですよ」って教えてあげてください(苦笑)

安珍清姫があそこまでラブラブなのも珍しい(笑)
みりお君の安珍なら、大蛇になる気持ちもわからんでもない。

たっぷり50分、飽きることなく楽しめました!


【金色の砂漠】

略称は「コンサバ」?
ウエクミ先生のオリジナル最新作。
ペルシャ風の砂漠世界を舞台にした、高慢な王女と誇り高い奴隷との愛憎劇。

まあ、一言で言うと、こんなみりお様を見たかったのオンパレードですわ。

跪くみりお様、楽器を奏でるみりお様、強引に迫るみりお様、拷問されるみりお様、
戦うリーダーみりお様、悲痛なみりお様……。
その上、波瀾万丈ストーリーで画面的にも派手なので、言うことないです。
とっても面白かった。

その面白さですが…「劇団☆新感線みたい」と思ったんです、ラストで。
より具体的に言うと、「蛮幽鬼」を思い出した。

主題歌のカゲソロを聞きながら、森奈みはるさんの歌声の響く蛮幽鬼のクライマックスを思い出していた。
まあ、復讐物の王道を踏まえているところではあるし、
「蛮幽鬼っぽい」というのは単に「好みだ」というだけかもしれない(笑)
(私の「森川久美っぽい」というのがイコール「好きな世界観」というのと同様に)

そう、やっぱり復讐物は悲劇でなきゃね!!
…と、同様に復讐劇だった「モンテ・クリスト伯」も思い出していた。
(いや、タルハーミネに子どもがいる、と聞いた時に、「あの時の子よ!」な展開になったら
どうしようとちょっと恐れていたww)
(モンテはモンテで好きですよ? 念のため。)

贅沢を言うと、悲劇に落ちる必然性がちょっと弱いというか、
盗賊の皆さんをフォローしてあげてよこの国どうなるのよと思ってしまったというか。

あの2人の愛の結末としてはあれしかないけど、
イスファンデルの旅路の結末としてはあれはないぜと。
イスファンデルが新王となるのに説得力がありすぎるからだな。
あるいは、せめてジャーは国に残れよとも。後始末担当で。
(「いつか他の人を愛して…」は衝撃のモノローグだった)

その救いの無さも含めて、とっても良かったです。

みりお君×かのちゃんのカップルも萌えでしたが(素直になれない代償行為に激萌え)
カレー君の王子様もライバルとしてとっても良かったです。
最後もうちょっと頑張ろうぜ、せめて子どもは自分で引き取ろうぜ、と思ったけどな。
あ、みりかののラブシーンは「ダルレークの恋」の円形ベッドを思い出したよ。
フィナーレの、ターバン×黒燕尾ダンスも。

でもそれ以上に、キキ君×べーちゃん×タソの関係。
キキべーを応援しつつ、タソは旦那様としてはめっちゃいいよなあと思ってしまった。
タソの最期には涙。誰よりもべーちゃんの心を守ってくれたんだな。
本当に救いのない話にしたかったら、キキべーで悲劇にするもんね。
まあ、ハッピーエンドではないのだけれど、穏やかな終わり方で。
そして何より、ちなつ君×仙名さんの愛憎関係がめちゃくちゃ好みでした。
ちなつ君の王様はある意味、純愛に殉じたわけだもんね……

フィナーレが、物語と繋がっていたのが良かった。
デュエットダンスで救われた。
フィナーレの正しい使い方だよね。タカラヅカでしかできない救い。

余談。
ペルシャ風の世界なので、『アルスラーン戦記』で聞いた名前の響きが多くて
いちいち反応してしまう。
それで言うと、「双頭の鷲」の「アズラエル(死の天使)」は、
アル戦の「アズライール(告死天使)」(鷹の名前)だなあと。

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