実は、バウホール初めてです。10年ぐらいヅカファンやって、未踏の地でした。
博多座とか中日とかに遠征したことはあるのに。
(勿論、梅芸とかDCも行ったことはある)
大劇場中心(それも各公演1回ずつぐらい)というライトファンだからなんですけどね。
さて、演目発表からどうしても見たかった作品。
友会で奇跡的にチケット取れたので、仕事休み取って行ってきました。
原作はジャン・コクトーの戯曲。
「エリザベートっぽい」王妃と、「ルキーニっぽい」暗殺者との愛憎劇。
それを、初代ルキーニ・轟さんと、先日までシシィだったみりおんとで演じる。
演出は、「バウならハズレの無い」植田景子先生。
これは見なくては!!
コクトーの原作は読んだことないです。
ゆえに、まずはセリフの量に圧倒された。
これ、本質的には2人芝居なんだよね。
夫を亡くし、死に惹かれる王妃と、その王妃を暗殺に来た無政府主義者との丁々発止。
思いをぶつけ合い、運命的に惹かれ合う。
主演のスタニスラス@轟さん!!
宝塚の至宝ですね。この方は。
「轟悠が演じるから、タカラヅカとして成立する」という偉大さ。
いや、昔の映像も見たことはあるから、お年を感じるところもあるんだけれど(失礼)、
あの「声」、あの「姿」。「男役」を極めた、その向こう側。
本当に、その場に君臨している。
大劇場とか梅田で見るのとは違って、距離の近いバウホールだからこそ、より存在を感じる。
ヒロイン、てか主役の王妃@みりおん。
貫禄出たなあ。
喪服姿が美しい。
そして何より、歌が素晴らしい!! うっとりと聞き惚れる。
エリザベートをモチーフとした役柄なので、シシィの延長線上ではあるんだけれど、
(髪型もシシィだった…というか使い回し?)
もう一人のシシィというか、ある意味で幸せな結末を迎えたシシィというか。
退団オーラも手伝って、凛とした透明感が素晴らしかった。
役があるのはあと4人。(本来は6人芝居らしい)
エディット@あおいちゃん。
王妃に対する歪んだ独占欲とか、フェリックスとの因縁とか、なかなかに好みでした。
美声でびしっと締めてくれる。
フェーン伯爵@愛ちゃん。
何あのビジュアル!!(白目)
こんなに黒い役が似合うんだ!!(いや、ルキーニ素敵でしたよ、素敵でしたけど)
これからもいろんなコスプレ見たいなあ。
轟理事と並び立つことができる、軍服の着こなし。
体に厚みがあるのがいいですね。
フェリックス@ずんちゃん。
……私もフェリックス1人欲しいんですけど、どこに売ってますか(真顔)
エリザのルドルフで、私の中で(今更)ブレイクしたんですが、
好きすぎてドキドキが止まりません。
儚げな美貌も、王妃への一途な思いも、エディットとの因縁も、
スタニスラフへの嫉妬も、軍人としての有能さも、すっごく好み。萌え。
ラストは、とにかく彼がかわいそうでねえ。
彼では役者不足なのはわかった上で、王妃と2人で改革を進める未来も見たかった。
トニー@穂稀せり君(今回初めて認識した)
セリフのない難しい役だったと思うけど、全体を通しての清涼剤でした。
結末は、最初から提示されている。
「究極の愛」がそこにあったのだから、あの結末で良かったのだと思いつつも、
顔を隠していた王妃が群衆に顔を見せて、王妃としての自覚に目覚めて
生きていこうとした未来が見えていただけに、何とかならなかったのかと思ってしまう。
みりおんの王妃は聡明さが見えるだけにね。
タイトルの「双頭の鷲」は、「比翼の鳥」的なニュアンスで使われていたけれど、
本来の紋章の意味である「権威」寄りのハッピーエンドはなかったものか、と考えてしまって切ない。
いや、わかっているんです。
王妃が王道を進むためには、スタニスラフがいなくてはいけない。
彼がいれば、手を携えて茨の道でも歩むことができる。
それができないならば、共に果てる結末しかない。
スタニスラフが、対・フェーン伯爵で、もうちょっと適当にお茶を濁せていればなあ~。
それができない人だから、王妃は彼に惹かれたんだろうけれど。
2人のラブシーンが素敵で、見ながらハクハクしました。
轟さんの包容力は、相手役を可憐に見せるよね、本当に。
…という、中心の物語があって、その一つ外側に、傍観者たち=「パパラッチ」たちの世界がある。
14人の、まあ、コロスなんだけど、
「黒い衣装」っていう共通項だけで、全員がバラバラの衣装なのが、
実に良く似合っていて、美男美女揃いで、非常に眼福でした。
ある時は「パパラッチ」として、世界の外におり、
ある時は、幻想の中の人物として舞台に登場する。
1幕終わり、パパラッチたちが皆、赤を身につけて現れるのが、
スタニスラフを得て、モノトーンだった王妃の世界に色がついたのがよくわかる描写で、
景子先生は綺麗な画面を造るよなあと感嘆した。
そして更にその外側、観客に対して「コクトーの創作」を解説する、
ストーリーテラー@和希そら君。
…いや、正直、語りすぎ(脚本家が)という印象は否めないのですが、
和希君がカッコ良かったのでアリかもしれない。
通路側の席に座っていたのですが、2幕冒頭に和希君がそこに登場して、
お客さんを釣っていきましてね。残念ながら私じゃなくて近くの席の人だったんですが、
巻き添え食らって(笑)がっつり釣られました。
和希そら君に関しては、新公オスカルやった人、この間は黒天使、ぐらいしか
認識していなかったんですが、本当にオスカルだったの!?って思うぐらい、
男前でしたね。
「エリザベート」がモデルであることをあそこまで連呼しなくても…と思いつつ、
モチーフをわかってないと意味わからないところも多いから仕方ないのかな…?
でもヅカファンなら、何も言われなくてもわかると思うよ?
膨大なセリフ量のわりに行間を読むことも要求される戯曲で、
でも目にも耳にも優しいあたりがさすがのタカラヅカ、
異分野をドッキングさせた感じで、非常に面白かったです。
バウでしかできない、挑戦作だったと思う。
博多座とか中日とかに遠征したことはあるのに。
(勿論、梅芸とかDCも行ったことはある)
大劇場中心(それも各公演1回ずつぐらい)というライトファンだからなんですけどね。
さて、演目発表からどうしても見たかった作品。
友会で奇跡的にチケット取れたので、仕事休み取って行ってきました。
原作はジャン・コクトーの戯曲。
「エリザベートっぽい」王妃と、「ルキーニっぽい」暗殺者との愛憎劇。
それを、初代ルキーニ・轟さんと、先日までシシィだったみりおんとで演じる。
演出は、「バウならハズレの無い」植田景子先生。
これは見なくては!!
コクトーの原作は読んだことないです。
ゆえに、まずはセリフの量に圧倒された。
これ、本質的には2人芝居なんだよね。
夫を亡くし、死に惹かれる王妃と、その王妃を暗殺に来た無政府主義者との丁々発止。
思いをぶつけ合い、運命的に惹かれ合う。
主演のスタニスラス@轟さん!!
宝塚の至宝ですね。この方は。
「轟悠が演じるから、タカラヅカとして成立する」という偉大さ。
いや、昔の映像も見たことはあるから、お年を感じるところもあるんだけれど(失礼)、
あの「声」、あの「姿」。「男役」を極めた、その向こう側。
本当に、その場に君臨している。
大劇場とか梅田で見るのとは違って、距離の近いバウホールだからこそ、より存在を感じる。
ヒロイン、てか主役の王妃@みりおん。
貫禄出たなあ。
喪服姿が美しい。
そして何より、歌が素晴らしい!! うっとりと聞き惚れる。
エリザベートをモチーフとした役柄なので、シシィの延長線上ではあるんだけれど、
(髪型もシシィだった…というか使い回し?)
もう一人のシシィというか、ある意味で幸せな結末を迎えたシシィというか。
退団オーラも手伝って、凛とした透明感が素晴らしかった。
役があるのはあと4人。(本来は6人芝居らしい)
エディット@あおいちゃん。
王妃に対する歪んだ独占欲とか、フェリックスとの因縁とか、なかなかに好みでした。
美声でびしっと締めてくれる。
フェーン伯爵@愛ちゃん。
何あのビジュアル!!(白目)
こんなに黒い役が似合うんだ!!(いや、ルキーニ素敵でしたよ、素敵でしたけど)
これからもいろんなコスプレ見たいなあ。
轟理事と並び立つことができる、軍服の着こなし。
体に厚みがあるのがいいですね。
フェリックス@ずんちゃん。
……私もフェリックス1人欲しいんですけど、どこに売ってますか(真顔)
エリザのルドルフで、私の中で(今更)ブレイクしたんですが、
好きすぎてドキドキが止まりません。
儚げな美貌も、王妃への一途な思いも、エディットとの因縁も、
スタニスラフへの嫉妬も、軍人としての有能さも、すっごく好み。萌え。
ラストは、とにかく彼がかわいそうでねえ。
彼では役者不足なのはわかった上で、王妃と2人で改革を進める未来も見たかった。
トニー@穂稀せり君(今回初めて認識した)
セリフのない難しい役だったと思うけど、全体を通しての清涼剤でした。
結末は、最初から提示されている。
「究極の愛」がそこにあったのだから、あの結末で良かったのだと思いつつも、
顔を隠していた王妃が群衆に顔を見せて、王妃としての自覚に目覚めて
生きていこうとした未来が見えていただけに、何とかならなかったのかと思ってしまう。
みりおんの王妃は聡明さが見えるだけにね。
タイトルの「双頭の鷲」は、「比翼の鳥」的なニュアンスで使われていたけれど、
本来の紋章の意味である「権威」寄りのハッピーエンドはなかったものか、と考えてしまって切ない。
いや、わかっているんです。
王妃が王道を進むためには、スタニスラフがいなくてはいけない。
彼がいれば、手を携えて茨の道でも歩むことができる。
それができないならば、共に果てる結末しかない。
スタニスラフが、対・フェーン伯爵で、もうちょっと適当にお茶を濁せていればなあ~。
それができない人だから、王妃は彼に惹かれたんだろうけれど。
2人のラブシーンが素敵で、見ながらハクハクしました。
轟さんの包容力は、相手役を可憐に見せるよね、本当に。
…という、中心の物語があって、その一つ外側に、傍観者たち=「パパラッチ」たちの世界がある。
14人の、まあ、コロスなんだけど、
「黒い衣装」っていう共通項だけで、全員がバラバラの衣装なのが、
実に良く似合っていて、美男美女揃いで、非常に眼福でした。
ある時は「パパラッチ」として、世界の外におり、
ある時は、幻想の中の人物として舞台に登場する。
1幕終わり、パパラッチたちが皆、赤を身につけて現れるのが、
スタニスラフを得て、モノトーンだった王妃の世界に色がついたのがよくわかる描写で、
景子先生は綺麗な画面を造るよなあと感嘆した。
そして更にその外側、観客に対して「コクトーの創作」を解説する、
ストーリーテラー@和希そら君。
…いや、正直、語りすぎ(脚本家が)という印象は否めないのですが、
和希君がカッコ良かったのでアリかもしれない。
通路側の席に座っていたのですが、2幕冒頭に和希君がそこに登場して、
お客さんを釣っていきましてね。残念ながら私じゃなくて近くの席の人だったんですが、
巻き添え食らって(笑)がっつり釣られました。
和希そら君に関しては、新公オスカルやった人、この間は黒天使、ぐらいしか
認識していなかったんですが、本当にオスカルだったの!?って思うぐらい、
男前でしたね。
「エリザベート」がモデルであることをあそこまで連呼しなくても…と思いつつ、
モチーフをわかってないと意味わからないところも多いから仕方ないのかな…?
でもヅカファンなら、何も言われなくてもわかると思うよ?
膨大なセリフ量のわりに行間を読むことも要求される戯曲で、
でも目にも耳にも優しいあたりがさすがのタカラヅカ、
異分野をドッキングさせた感じで、非常に面白かったです。
バウでしかできない、挑戦作だったと思う。
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