空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

宙組「薔薇に降る雨」「Amour それは…」千秋楽!!

2009-05-19 22:47:55 | 観劇(タカラヅカ)
これは、祝祭。


劇場に行き着くまでが遠かった。
「平日やん!」と気を揉み(奇跡的に代休に
「チケットが手に入らない!」と焦り(何とか確保)
いよいよ…とその日を待っていたら、物凄いドンピシャのタイミングで
新型インフルエンザ発生。
公演はちゃんとあるのか、パレードまできちんとあるのか、
ってか、私は行ってていいのか(婉曲に回避を求められた)
ふだん気にしないことをいっぱい気にして、
私は劇場に無事、たどり着いた。
(先月、劇場から帰って寝込んだ前科があるので、
 とにかく「疲れないこと」を優先。
 よって入り待ちは諦めました。行けたかもしれないけど。)
迷いは、あった。
私なんかが、この特別な日に行ってもいいのか。
私よりもっと、大和君を愛してる人が、いるんじゃないかと。
でも、思い直した。
そりゃあ、いるだろうさ。私より愛してる人は。
でも、私にとっても、私の中では、
大和君は特別だから。
何を恥じることがあるだろう。
自分の思いに正直に。

客席で、思った。
熱気が、違う。
ここにいるのは皆、見送りに来た人たち。
今日が特別だとわかって来ている人たち。


【薔薇に降る雨】

前回とは違って、しっかり目を開いて見ることができた(笑)
この芝居、私、好きだったかもしれない。
何よりも、大和君がカッコいい。美しい。
特に好きなのは、最後の舞踏会で二人踊る場面。
この芝居もショーも、とにかくデュエットダンスが多くて嬉しいんだけど、
盛装の大和君と白いドレスの陽月さんが踊るこのシーンは別格。
完成された、美しさ。
特別な、美しさ。
世界中のどこを探したって、この宝塚以外で見ることができないもの。

芝居が終わった頃、隣の席の人が泣き出していたけど、
私はこの時点では、心穏やかに見ることができていた。

【Amour それは…】
…このオープニングから、来ました。
大階段に立つ大和君を見た瞬間から、涙が(笑)
で、わりと早いうちから、退団者みんなコサージュ付けてくるし。
10人という退団者の多さを思い知る。
「そうか。この人も、この人も…」

「大好き」な人が複数辞めると、どこを見たらいいか迷う(汗)
タニウメコンビは特別だ。大好きなんだ。
でも、七帆君もまた、別格で好きなんだ(爆)
…幸い、オペラグラスを向けたら同じ画面におさまってくれていることが
多くて、助かりました。

初舞台生のラインダンスも感動した。
これが、同期皆で立つ、最初で最後の舞台。
次からは、皆それぞれの組に散っていく。
この辺りから、拍手が鳴り止まずに進行が止まるようになってきた。
きっとそれは、観客みんなの願い。
終わらないで。このまま。永遠に。

それでも、始まってしまう。次の場面は。
フィナーレ。
デュエットダンス。
男役群舞。
そして、パレード。
退団者たちに特に大きく拍手をしながら、
美しい、美しい人たちを、目に焼き付けながら、
最後の幕は下りてしまった。


でも今日は、続きがあるんだ。
私は、その「続き」を見に来たんだ。


【サヨナラショー】

すっしー組長による、トップコンビの経歴紹介が終わる頃、
緞帳の向こうから、触角のある女の子が出てきた(笑)
アスカルゴ@華凜もゆるさん(やっぱり退団者)だ。
アスカルゴから創世記を渡されて、組長が語り始める。
「昔、昔……」
幕が開く。
お披露目公演「宙 FANTASISTA!!」の、オープニングだ。
「コスモ、コスモ、…ファンタジスタ!!」
全員に迎えられて、舞台の奥から大和君が飛び出してきた瞬間。

涙腺が、決壊した。
感情の堰が切れたのがわかった。

大好きな、大好きなショーだった。
採用試験の直後に見に行って、どうしてももう一回見たくて、
東京で再度見たぐらいに。
卵から王子FANTASISTA@大和君が誕生した瞬間の、あの爆発的な喜びが、
胸を満たしたのがわかった。
あなたが、大好きだ。
あなたたちが、大好きだ。
ぐずぐずと泣きながら、幸せだった。
♪あなたと夢語るために白き羽広げよう
大和君がそう歌うと、白い羽が見える。
私たちを包む、輝く翼が見える。

続いては「シンデレラ・ロック」。
…いや、この公演は見てないのだけれども(汗)
すっごく素敵な曲だった。希望に満ちた曲だった。

それから「愛のボレロ」from「コパカバーナ」。
大和君は、リコの縦縞のスーツで現れた。
博多で見た、大和君だ。
私が「大和悠河の歌」にハマった歌だ(笑)
幕間中ずっと、脳内を駆け巡っていた歌。
音楽配信で、初めて買った歌。
もう一度生で聞けるとは、思ってなかったよ。
歌詞が、嘘みたいにすっと心の中に入ってきて、
泣けた。
♪お前は魔法にかかる 愛のボレロの
これは、夢。
幸せな、夢。
3年前の博多の夏から、続いていたんだ。

美羽あさひさんのソロ。「エイジ・オブ・イノセンス」の曲らしい。
綺麗な、歌声。
好きだったよ、まさみさん。

「瞳の中の宝石」from「バレンシアの熱い花」。
衣装も完全に着替えて、フェルナンド&イサベラのデュエットの再現。
歌は彩苑ゆきさん。(ああ、音乃いづみちゃんもういないもんなあ…)
あのリフトも再現。
でも今回はハッピーエンドだった(笑)
フェルナンド、私の中で宝塚最悪男ランキングの1位を争う男だけど、
その問答無用の美しさを思い知る。
最悪男だけど、好きだ。
大和悠河のフェルナンドが、好きだ。

七帆ひかる君のソロ。「UNDERSTUDY」より。
…歌詞があまりにもストレートで(「舞台に立つ喜び」がテーマ)
すすり泣きがそこかしこから。
好きだったよ、七帆君。いや、今でも好きだよ。
男役としてのあなたが、大好きだった。
男役・七帆ひかるの未来を、無邪気に信じていた。
でも、あなたが選んだ道なのなら。今日はただ静かに、見送ろう。

「GOOD MORNING!」from「雨に唄えば」。
見られなかったウメちゃんのキャシー。
「もう日付が変わった」というセリフからの場面再現なのが、嬉しかった。
贅沢を言えば、タニウメの絡みが見たかったけどね…
(でもみっちゃんの歌が耳福。)
続いて大和君の「SINGING IN THE RAIN」。
ここからペンライト点灯。
七色の光が会場を満たす。

「LIFE」from「THE LAST PARTY」。
…大和君も、泣いてます。やっぱり名曲。

「A/L」!
…ああもう、この公演も大好きだった。
破綻してる脚本も含めて(爆)全部好きだ。丸ごと。
ウメちゃんはダンスだけでしたが、しっかり男前でした。

「ソルジャー」from「宙FANTASISTA!」
キラキラの男役群舞。
(…いや、贅沢を言えば「FANTASISTA再生」が聞きたかったんだけど、
そうなるとさすがに涙腺が大変なことに…)

最後は「外伝 ベルサイユのばら」より「この道この愛」。
これも歌詞が泣けたな。
薔薇にしかわからない影がある。
選ばれた人にしかわからない、苦しみや悩みがきっとあったはずなのに。
あなたはあくまでも、キラキラと輝く。


幕が下りて。
後は、退団者挨拶を残すのみ。
再び組長が、経歴とメッセージを読み上げる。
顔と名前が一致しなかった退団者も(爆)映像付きで紹介してもらうと
「あ、あの公演のあの役の!」とわかるのがありがたい。
「A/L」のキャピキャピ女学生トリオがもう全員いなくなるんだ、とか、実感したり。

七帆君は、「悔いはありません」と断言した。「ただ、別れが寂しいです」と。
そうだね。
卒業は、幸せなことであるはずだけど。寂しくて。寂しくて。

陽月さんの挨拶は、本当に宝塚が好きなんだな、と実感させてくれるものだった。
最後にくるりと回って、後ろに立つ人たちの顔を見てから、頭を下げていた。


最後の大和君は、黒燕尾で現れた。
正直、意外だった。
大和君が黒燕尾姿で真っ赤な薔薇の花束を手にすると、
それは人間離れした美しさだった。
凛とした声が響いた。
「宝塚が大好きでした。宝塚が私の全てでした」
その瞬間。

…私は大和君の人柄も内面も何も知らないライトファンだけれども。
伝わってきた。
あの人がどれだけ、宝塚を愛していたか。
「男役」という存在を、愛していたか。
そして最後まで、黒燕尾の男役の姿で、旅立っていこうとしているのだ。
最後の歌は「フォーエバー・タカラヅカ」だった。
タカラヅカよ、永遠に。
旅立つ人たちの、残る人たちの、愛に満ちた歌声が響いた。


カーテンコールでは、大和君は芝居のセリフを引用してくれた。
「君(たち)は、僕の薔薇だ。いつ、どこにあろうとも」
「死ぬまで好きだよ。ずーーーーっと!」

投げキスの雨。
あなたが好き。
あなたが好き。


最後のパレードも、きちんと見送れた。
今回はいい場所でね。
車に乗り込むところは見られないけど(よって最後の挨拶が聞こえないけど)
薔薇のアーチが見えるポジション。

袴姿の退団者たちが、一人ずつ去っていく。
みんなみんな、ものすごく、美しい。ものすごく、かわいい。

七帆君は、ものすごくスッキリした顔に見えた。
彼女のヅカメイク顔が大好きだったけど、それを落としてしまった顔も、
とってもとっても綺麗だった。

美羽あさひさんの時は、「かわいい」という声が周り中から上がっていた。
黄色い花束を持って、本当にかわいかった。

陽月さんの車がかわいらしくて、歓声が起こった。
現れた陽月さんは、
…とにかく小顔だった。(超・今更)
いや、だって。
こんな近くで見たことなかったし。
そして勿論、とってもかわいかった。
背筋をぴんと伸ばして、男役より男前な娘役は旅立っていった。

最後に入ってきた車に、どよめきが起こった。
あんな車、見たことない!
キラッキラのオープンカー。(スワロフスキーだって?あのキラキラの正体)
「さすが、タニちゃん」そんな声が起こる。

そして、最後の主役が、現れた。
袴姿の大和君は、
……透き通って見えた。
もともとの人間離れした美しさに、静謐な退団オーラが加わって、
「この世のものとは思えなかった。」by近くの人
薔薇のアーチをくぐった後、ガードしていたファンクラブの人たちの前を
丁寧に挨拶しながらゆっくり歩いてくれた。
おかげで、その後ろにいた私たちもじっくり見ることができた。

挨拶を見たかったので、そこでポジションを変えた。
隙間から、大和君の最後の姿を見ることができた。
「私たちのこと、ずっと好きでいて!」byファンクラブの人たち
「死ぬまで好きだよ! ずーーーーっと!!」
これを叫ぶ大和君を、見られて良かった。
更に、「キスして」byファンクラブ
…おいおいどーせーっちゅうねん、と思って見ていると、
大和君は、投げキスをした。
それも大盤振る舞い(笑)劇場内でも大安売りだったのに。
そんな大和君を改めて、好きだと思った。

…ってか、惚れ直した。
っていうか、……落ちた。

どうするんだ、私、今更。

投げキスの雨を残して、大和君はキラキラ車に乗って去っていった。
放心したようにその場に残り、
今日、しっかり退団者を送り出してくれた蘭寿とむ氏を見送ってから駅に向かった。
(超・男前でした……)

宙組が好きだ。
今の宙組の、すべてが好きだ。
それが終わってしまうことがずっと悲しかったんだけれども。
でも、卒業というのは祝福されるべきものなのだと。
千秋楽は大規模な祝祭なのだと。
身をもって、知った。

楽しくて楽しくて。
幸せで幸せで。
泣きながらも、何度も笑った。

ありがとう、ありがとう。
私をこの場に導いてくれた、全ての運命に。
あの場所に立ってくれた、全ての人たちに。
おかげで私は、幸せです。
本当にありがとう。

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