空中楼閣―Talking Dream―

好きなものを徒然なるままに。

「クレヨン王国」の思い出

2012-11-25 18:25:38 | 読書
福永令三氏のご冥福をお祈りいたします。

代表作「クレヨン王国」シリーズ、青い鳥文庫で美しい表紙で、
小学校の図書室や学級文庫に必ず置いてあったので
とにかく貪り読んだ記憶があります。

最初の出会いは、NHK教育での「母と子のテレビ絵本」で
「クレヨン王国の十二か月」が取り上げられていたことだと思いますが。
(この番組でたくさんの物語と出会った。
 斎藤洋「ルドルフとイッパイアッテナ」とか。)

一番思い出深いのは「月のたまご」。
三郎とまゆみの恋の行方が気になって、シリーズを追いかけて読んでいったけど、
実は第1巻(当初は1巻で完結していたはず)の完成度が物凄いと思う。
「ここは、広島の真下です」というセリフを未だに鮮明に覚えている。
まゆみのトラウマ、父との確執、級友たちとの微妙な距離、被爆死した伯母の存在、
そういうものが最後に一気に収束していく構成の見事さと、
三郎(サード)への淡い初恋(これが2巻以降は「運命の愛」になるけど)、
道化者2人、アラエッサとストンストンの魅力。

百人一首の清少納言が活躍する「白いなぎさ」も好きだったし、
童謡とその勘違い(空耳)が面白い…かと思いきや、がっつり重い「24色夢列車」、
トラウマになるぐらい怖かった「水色の魔界」、
「幽霊村~」や「黒の銀行」、「およめさん」も忘れがたい。

勿論、シルバー王妃を中心としたシリーズは大好きだし、
(教訓めいた「十二か月」も「新十二か月」もいいけど、特に「花の旅」が好き)
「パトロール隊長」は文句なしの名作だと思う。

改めてタイトル一覧を見ると、ひとつひとつのタイトルが詩的で美しいなあ…
「月のたまご」に続編が出ていたのを知らなかったので、改めて読みたい思いです。
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