1年間50話、完走。忘れがたい作品となりました。
何しろ始まる前から並々ならぬ期待をしていて。(このあたり)
「予習」とか称して40年前の「新・平家物語」まで見て(このあたり)
ハードル上げすぎじゃないか…とか心配していたのですが、
期待以上にはまりました。
ていうか。
始まる前に私、こんなこと書いてるんですよね。
>楽しみで…楽しみなんだけど…
>「花の乱」の匂いがするのは私だけでしょうか?(笑)
>いや、大歓迎なんですけどね(笑)(未だにマイベスト大河)
>そうなってしまうと一般受けしませんよという、いらん心配が(笑)
>ダイナミックでマニアックで禍々しいのを期待しています(笑)
……期待以上に私の好みで、懸念以上に一般受けしない作品になりましたね(爆)
本当に「花の乱」(1994年)よりも好きになるとは思ってなかったし、
「花の乱」の歴代最低視聴率を更新するとも思ってませんでした、さすがに。
ということで2012年終了時点での私の好き大河ベスト5はこんな感じ。
(あ、毎年欠かさず全話見ているわけではないです。好きになるとだいたい頑張って見るけど)
1.平清盛(2012)
2.花の乱(1994)
3.風林火山(2007)
4.新選組!(2002)
5.元禄繚乱(1999)
もちろん、リアルタイムで見ていない作品を見ていたらまた違うんでしょうけれども。
(特に「黄金の日日」「草燃える」「獅子の時代」あたりは絶対好きになってたと思う。)
閑話休題。
それぐらい好きだった今年の大河。
放送時にはTwitterで盛り上がりまくり、関心のないフォロワーの皆様には迷惑極まりない
TL荒らしと化していたわけですが(爆)
ネットを通じて双方向で楽しめたのもとっても良かった。
毎回の感想はTwitterで書いていましたが、
1年を振り返って「好きだった」思いをまとめたいと思います。
【王朝時代末期の魑魅魍魎】
振り返ると一番好きだったのはこの要素かなあ…とにかく素晴らしかった。
初期の、鳥羽院@三上博史を巡る人間模様。
「もののけ」白河院@伊藤四朗の影から逃れようともがき続ける鳥羽院と、
その心を翻弄するまさしく傾国の美女・待賢門院@檀れい様、
彼女への愛憎から権力に近づいていく美福門院@松雪泰子の歪んだ三角関係。
更にそこへ割り込んでいくw西行@藤木直人と堀河局@りょう。
待賢門院の死によって彼ら彼女らの葛藤が一段落し、ちょっとトーンダウンするかと思いきや、
その次世代が更に凄くて。
崇徳院@井浦新は期待以上の熱演。
というか、予想外に抑えた演技で、それが悲劇性を強めていて。
一転、憎悪から生霊と化す『平家納経』の回はもう…伝説になるね、あの回は。
そしてその弟・後白河院@松田翔太の、怪演。
初登場時の角髪姿の危ない少年から、「大天狗」と化す晩年まで、
ずっとトップテンションの奇人ぶり。
重盛役の窪田君がトークショーで「捕食者」と表現していたけれども、
どう見ても人間じゃなかったw
上西門院@愛原実花(みなこちゃん)、八条院@佐藤仁美の醸し出す「王朝」感もすごく良かった。
ヅカファンとしても、みなこちゃんの評判が良いのが嬉しかったです。
藤原摂関家の皆々様も、白塗り・お歯黒・置き眉の公家メイクで
異様な世界観を構成してらっしゃいましたが、やはり、
「末世」のあだ花・悪左府こと藤原頼長@山本耕史を抜きにこのドラマは語れないでしょう。
保元の乱での壮絶な最期に至るまでの完璧な異次元感!
そしてまさか、あのオウム(「ナイミツ」ちゃんと呼ばれていました)に泣かされるとは…
忠実@國村隼のラストのあの演技にも大泣きさせられました。
朝廷サイドは、保元の乱がほぼクライマックス。そこが王朝の世の終わりで、
そこから「武士の世」にもつれ込んでいくわけですが、
その後も公家サイドで異彩を放っていたのが、藤原信頼@塚地武雅と、藤原成親@吉沢悠。
信西入道@阿部サダヲも、その弟子・西光@加藤虎ノ介も、すごく良かった。
サダヲちゃんだからこそ、少年のように夢を追う姿と、
冷徹な政治家の姿のギャップが本当に怖かった。
【清盛と「友」たちとの関係性】
主に泣いたのはこのラインかなー。
一番はやっぱり、清盛@松山ケンイチと源義朝@玉木宏。
実はこのドラマって、最初から最後まで、
この2人の時空を超えた壮大なラブストーリーだったよね?(真顔)
出会い(『源平の御曹司』)から『宿命の再会』を経て、『宿命の対決』に至り、
『友の子、友の妻』の回で、清盛が、もういない義朝にその心情を吐露する場面が
一番泣けたかもしれません。
わりとそれまでは、義朝の片思い感(ツンデレだけどね)が強かったのが、
清盛も同じくらい強く「友」を思っていたというのがね。
『勝利の代償』での、相変わらずの掛け合い(でも、これが最後だった)も、
もう、たまらなく好き。
そして、暗闇の中にいた晩年の清盛を救い出すのもやっぱり、今は亡き義朝の存在だった
(『頼朝挙兵』)という、徹底ぶりが好きでした。
私は主従萌えでもあるので、清盛には平盛国@上川隆也、義朝には鎌田正清という
掛け替えのない部下がついてくれているのも好きだったな。
(これは、頼盛-宗清とか、頼朝-藤九郎、義経-弁慶とかにも継承されていってましたね)
それから、前述した後白河院と清盛の関係。
『二人のはみだし者』から、『双六が終わるとき』までの、長い長い「双六遊び」。
わかりやすい友情でもなく信頼でもなく、むしろ憎しみや恨みが強くても、
この2人にしかわからない繋がりがあったのだと思わせてくれた。
信西入道との「夢」を追う関係。
「誰でも良い、助けてくれ」が「清盛殿、助けてくれ」に変化した、信西の最期には
泣かされました。
西光との対決も、信西との絆を巡るものだったしね。
海賊王・兎丸@加藤浩次との、同じく「夢」を追う関係。
オリジナルキャラの兎丸でしたが、最期も含めて、とっても上手く機能していたと思います。
最終回ラストには泣かされた~~
【平家は常に一蓮托生】
平氏一門、大好きでした。
偉大なる父・忠盛@中井貴一、偉大なる母・池禅尼宗子@和久井映見。
特に、報われない思いを抱き続ける宗子かあさまが切なかった。
ようやく彼女と清盛が分かり合えた(ずっと分かり合いたかったのに)『嵐の中の一門』。
やっと皆で同じ方向を向くことが出来たけれど、そこに家盛はいない。
悲劇の貴公子・家盛@大東駿介の儚さと武士としての矜持も良かった。
そこを頼長に付け込まれ、翻弄され、全てを奪い尽くされて自滅してしまうのだけれども。
家盛の最期の場面で、幼い頃の平太&平次の兄弟の思い出が挿入されるのは反則ですw
清盛の手はいつも、家盛にはあと少しだけ届かない。
そして、忠正叔父上@豊原功輔!!
『前夜の決断』~『叔父を斬る』は神回。
いつもいつも厳しいことを言いながら、いつだってその言葉の奥には
深い深い愛情があることが伝わってくる演技で、だからこそ、
その叔父の屍を乗り越えた先に、「平家の世」が来るというのは、
むごすぎる展開だなあ……と感じた。
弟たち、前述の家盛の死後、急に存在感を増していった頼盛@西島隆弘。
清盛への屈折した思いと、平氏の嫡流というプライド、そして母・宗子の思いを背負って、
最終回で下した決断には泣けた……!
教盛・経盛はいつも2個イチだったなあ…
忠度も含めて、もっと出番があっても良かったと思うけど。
でもみんなキャラが立ってて好きでした。
そして、何といっても、後半の花は、
重盛@窪田正孝ですよ。
窪田君って、「浪速の華」も「ゲゲゲの女房」も見ていたのに
そして好きだったのに、見る度に印象が変わるせいか、覚えていなくて、
初めて認識したのは「下流の宴」だと思います。
そして今回の、重盛。
もう、萌えました……
清盛の型破りと王朝社会との板ばさみになって、苦悩して、苦悩して、
自らの生命を削り取っていく様が、もう見ているだけで痛くて痛くて。
こっちまでキリキリ胃が痛くなる思いをしながら(重盛の死因は胃潰瘍)
堪能しました。突き刺さるような演技をするんだよね、彼。
好みで言うと、『殿下乗合事件』や『そこからの眺め』での、
ダークな表情するところがとっても好きだったなあ……
彼見たさに神戸のトークショーまで行きましたからね(笑)
ほかの息子たちも皆さん良かったですが、
個人的には早世した基盛@渡部豪太が好きだったなあ。
彼が生きていてくれれば、重盛も楽だったろうに…と。
家臣団も大好き。
中でも家貞@中村梅雀の安定感は凄かった。いてくれると安心できた。
あ、忘れちゃいけない、平時忠@森田剛。
実直なナンバーツーでも、ただの俗物でもない、
本能のままで生きているようでナチュラルに狡猾な、メフィストフェレス。
「平家にあらずんば人にあらず」があそこまで悲しく切ないセリフになるとは!
時忠本人は「悪」ではない。
人の心の暗部を炙り出し、暗部に誘い込む存在。
女性陣。
時子@深田恭子の、包容力。
最初は、「二位尼が深キョンって??」というのが正直な感想だったんですが、
初期の暴走オタク少女も、後半の、腹をくくって「武家の妻」となった姿も、
どちらも、彼女にしか出せない味でした。
最期の壇ノ浦、彼女は本当に、「波の下の都」を見てそこに飛び込んだのだと思う。
絶望ではなく、諦めでもなく、そこに確かに「都」があったから。
そして綺麗でしたね。
早く亡くなってしまったけれど、明子@加藤あいと清盛のカップルには素直にときめいたし、
重盛の妻・経子@高橋愛も良かったです。
【武家の雄・源氏】
…の中でも、女性陣が好きだったかな。
誇り高きツンデレ・由良さま@田中麗奈、
母になってからいきなり魅力が増した常盤@武井咲。
そしてあの強烈なビジュアルと、それに負けない強さを持った北条政子@杏。
男性陣だと、為義@小日向文世の情けなさと優しさ。
そしてそのDNAを確かに継いでいると思わせてくれた息子たち、孫たち。
頼朝は本役の岡田将生も綺麗だったけど、子役時代の中川君がとっても良かった!
義経@神木隆之介も美しかったなあ…
そして、忘れちゃいけない源三位頼政@宇梶剛士。
【伏線張りまくりの脚本、凝りまくった演出】
第1回の伏線がかなり後半になって利いていたりとか、最後まで
「最初から見ていて良かった……!」と思わせてくれる展開が多くて嬉しかった。
Twitterで交流しながら見ることで、他の人に気づかせてもらった伏線も多かったけどね。
【最後に】
視聴率が悪いことで世間ではいろいろ言われていたドラマですが
(原因と結果が逆かも?)
本当に、大好きでした。
脚本家の藤本有紀さん、主演の松山ケンイチさん、
プロデューサーやディレクターやスタッフの皆さん、すべてのキャストの方々、
「ありがとう」の言葉しか出てきません。
大河ドラマという枠で、ここまで好きな作品に出会えたことは
奇跡だったと思っています。
もちろん、描ききれてないと思った部分、物足りないと思う部分はあったけど、
それも含めて、最高の作品でした。
本当にありがとう。
何しろ始まる前から並々ならぬ期待をしていて。(このあたり)
「予習」とか称して40年前の「新・平家物語」まで見て(このあたり)
ハードル上げすぎじゃないか…とか心配していたのですが、
期待以上にはまりました。
ていうか。
始まる前に私、こんなこと書いてるんですよね。
>楽しみで…楽しみなんだけど…
>「花の乱」の匂いがするのは私だけでしょうか?(笑)
>いや、大歓迎なんですけどね(笑)(未だにマイベスト大河)
>そうなってしまうと一般受けしませんよという、いらん心配が(笑)
>ダイナミックでマニアックで禍々しいのを期待しています(笑)
……期待以上に私の好みで、懸念以上に一般受けしない作品になりましたね(爆)
本当に「花の乱」(1994年)よりも好きになるとは思ってなかったし、
「花の乱」の歴代最低視聴率を更新するとも思ってませんでした、さすがに。
ということで2012年終了時点での私の好き大河ベスト5はこんな感じ。
(あ、毎年欠かさず全話見ているわけではないです。好きになるとだいたい頑張って見るけど)
1.平清盛(2012)
2.花の乱(1994)
3.風林火山(2007)
4.新選組!(2002)
5.元禄繚乱(1999)
もちろん、リアルタイムで見ていない作品を見ていたらまた違うんでしょうけれども。
(特に「黄金の日日」「草燃える」「獅子の時代」あたりは絶対好きになってたと思う。)
閑話休題。
それぐらい好きだった今年の大河。
放送時にはTwitterで盛り上がりまくり、関心のないフォロワーの皆様には迷惑極まりない
TL荒らしと化していたわけですが(爆)
ネットを通じて双方向で楽しめたのもとっても良かった。
毎回の感想はTwitterで書いていましたが、
1年を振り返って「好きだった」思いをまとめたいと思います。
【王朝時代末期の魑魅魍魎】
振り返ると一番好きだったのはこの要素かなあ…とにかく素晴らしかった。
初期の、鳥羽院@三上博史を巡る人間模様。
「もののけ」白河院@伊藤四朗の影から逃れようともがき続ける鳥羽院と、
その心を翻弄するまさしく傾国の美女・待賢門院@檀れい様、
彼女への愛憎から権力に近づいていく美福門院@松雪泰子の歪んだ三角関係。
更にそこへ割り込んでいくw西行@藤木直人と堀河局@りょう。
待賢門院の死によって彼ら彼女らの葛藤が一段落し、ちょっとトーンダウンするかと思いきや、
その次世代が更に凄くて。
崇徳院@井浦新は期待以上の熱演。
というか、予想外に抑えた演技で、それが悲劇性を強めていて。
一転、憎悪から生霊と化す『平家納経』の回はもう…伝説になるね、あの回は。
そしてその弟・後白河院@松田翔太の、怪演。
初登場時の角髪姿の危ない少年から、「大天狗」と化す晩年まで、
ずっとトップテンションの奇人ぶり。
重盛役の窪田君がトークショーで「捕食者」と表現していたけれども、
どう見ても人間じゃなかったw
上西門院@愛原実花(みなこちゃん)、八条院@佐藤仁美の醸し出す「王朝」感もすごく良かった。
ヅカファンとしても、みなこちゃんの評判が良いのが嬉しかったです。
藤原摂関家の皆々様も、白塗り・お歯黒・置き眉の公家メイクで
異様な世界観を構成してらっしゃいましたが、やはり、
「末世」のあだ花・悪左府こと藤原頼長@山本耕史を抜きにこのドラマは語れないでしょう。
保元の乱での壮絶な最期に至るまでの完璧な異次元感!
そしてまさか、あのオウム(「ナイミツ」ちゃんと呼ばれていました)に泣かされるとは…
忠実@國村隼のラストのあの演技にも大泣きさせられました。
朝廷サイドは、保元の乱がほぼクライマックス。そこが王朝の世の終わりで、
そこから「武士の世」にもつれ込んでいくわけですが、
その後も公家サイドで異彩を放っていたのが、藤原信頼@塚地武雅と、藤原成親@吉沢悠。
信西入道@阿部サダヲも、その弟子・西光@加藤虎ノ介も、すごく良かった。
サダヲちゃんだからこそ、少年のように夢を追う姿と、
冷徹な政治家の姿のギャップが本当に怖かった。
【清盛と「友」たちとの関係性】
主に泣いたのはこのラインかなー。
一番はやっぱり、清盛@松山ケンイチと源義朝@玉木宏。
実はこのドラマって、最初から最後まで、
この2人の時空を超えた壮大なラブストーリーだったよね?(真顔)
出会い(『源平の御曹司』)から『宿命の再会』を経て、『宿命の対決』に至り、
『友の子、友の妻』の回で、清盛が、もういない義朝にその心情を吐露する場面が
一番泣けたかもしれません。
わりとそれまでは、義朝の片思い感(ツンデレだけどね)が強かったのが、
清盛も同じくらい強く「友」を思っていたというのがね。
『勝利の代償』での、相変わらずの掛け合い(でも、これが最後だった)も、
もう、たまらなく好き。
そして、暗闇の中にいた晩年の清盛を救い出すのもやっぱり、今は亡き義朝の存在だった
(『頼朝挙兵』)という、徹底ぶりが好きでした。
私は主従萌えでもあるので、清盛には平盛国@上川隆也、義朝には鎌田正清という
掛け替えのない部下がついてくれているのも好きだったな。
(これは、頼盛-宗清とか、頼朝-藤九郎、義経-弁慶とかにも継承されていってましたね)
それから、前述した後白河院と清盛の関係。
『二人のはみだし者』から、『双六が終わるとき』までの、長い長い「双六遊び」。
わかりやすい友情でもなく信頼でもなく、むしろ憎しみや恨みが強くても、
この2人にしかわからない繋がりがあったのだと思わせてくれた。
信西入道との「夢」を追う関係。
「誰でも良い、助けてくれ」が「清盛殿、助けてくれ」に変化した、信西の最期には
泣かされました。
西光との対決も、信西との絆を巡るものだったしね。
海賊王・兎丸@加藤浩次との、同じく「夢」を追う関係。
オリジナルキャラの兎丸でしたが、最期も含めて、とっても上手く機能していたと思います。
最終回ラストには泣かされた~~
【平家は常に一蓮托生】
平氏一門、大好きでした。
偉大なる父・忠盛@中井貴一、偉大なる母・池禅尼宗子@和久井映見。
特に、報われない思いを抱き続ける宗子かあさまが切なかった。
ようやく彼女と清盛が分かり合えた(ずっと分かり合いたかったのに)『嵐の中の一門』。
やっと皆で同じ方向を向くことが出来たけれど、そこに家盛はいない。
悲劇の貴公子・家盛@大東駿介の儚さと武士としての矜持も良かった。
そこを頼長に付け込まれ、翻弄され、全てを奪い尽くされて自滅してしまうのだけれども。
家盛の最期の場面で、幼い頃の平太&平次の兄弟の思い出が挿入されるのは反則ですw
清盛の手はいつも、家盛にはあと少しだけ届かない。
そして、忠正叔父上@豊原功輔!!
『前夜の決断』~『叔父を斬る』は神回。
いつもいつも厳しいことを言いながら、いつだってその言葉の奥には
深い深い愛情があることが伝わってくる演技で、だからこそ、
その叔父の屍を乗り越えた先に、「平家の世」が来るというのは、
むごすぎる展開だなあ……と感じた。
弟たち、前述の家盛の死後、急に存在感を増していった頼盛@西島隆弘。
清盛への屈折した思いと、平氏の嫡流というプライド、そして母・宗子の思いを背負って、
最終回で下した決断には泣けた……!
教盛・経盛はいつも2個イチだったなあ…
忠度も含めて、もっと出番があっても良かったと思うけど。
でもみんなキャラが立ってて好きでした。
そして、何といっても、後半の花は、
重盛@窪田正孝ですよ。
窪田君って、「浪速の華」も「ゲゲゲの女房」も見ていたのに
そして好きだったのに、見る度に印象が変わるせいか、覚えていなくて、
初めて認識したのは「下流の宴」だと思います。
そして今回の、重盛。
もう、萌えました……
清盛の型破りと王朝社会との板ばさみになって、苦悩して、苦悩して、
自らの生命を削り取っていく様が、もう見ているだけで痛くて痛くて。
こっちまでキリキリ胃が痛くなる思いをしながら(重盛の死因は胃潰瘍)
堪能しました。突き刺さるような演技をするんだよね、彼。
好みで言うと、『殿下乗合事件』や『そこからの眺め』での、
ダークな表情するところがとっても好きだったなあ……
彼見たさに神戸のトークショーまで行きましたからね(笑)
ほかの息子たちも皆さん良かったですが、
個人的には早世した基盛@渡部豪太が好きだったなあ。
彼が生きていてくれれば、重盛も楽だったろうに…と。
家臣団も大好き。
中でも家貞@中村梅雀の安定感は凄かった。いてくれると安心できた。
あ、忘れちゃいけない、平時忠@森田剛。
実直なナンバーツーでも、ただの俗物でもない、
本能のままで生きているようでナチュラルに狡猾な、メフィストフェレス。
「平家にあらずんば人にあらず」があそこまで悲しく切ないセリフになるとは!
時忠本人は「悪」ではない。
人の心の暗部を炙り出し、暗部に誘い込む存在。
女性陣。
時子@深田恭子の、包容力。
最初は、「二位尼が深キョンって??」というのが正直な感想だったんですが、
初期の暴走オタク少女も、後半の、腹をくくって「武家の妻」となった姿も、
どちらも、彼女にしか出せない味でした。
最期の壇ノ浦、彼女は本当に、「波の下の都」を見てそこに飛び込んだのだと思う。
絶望ではなく、諦めでもなく、そこに確かに「都」があったから。
そして綺麗でしたね。
早く亡くなってしまったけれど、明子@加藤あいと清盛のカップルには素直にときめいたし、
重盛の妻・経子@高橋愛も良かったです。
【武家の雄・源氏】
…の中でも、女性陣が好きだったかな。
誇り高きツンデレ・由良さま@田中麗奈、
母になってからいきなり魅力が増した常盤@武井咲。
そしてあの強烈なビジュアルと、それに負けない強さを持った北条政子@杏。
男性陣だと、為義@小日向文世の情けなさと優しさ。
そしてそのDNAを確かに継いでいると思わせてくれた息子たち、孫たち。
頼朝は本役の岡田将生も綺麗だったけど、子役時代の中川君がとっても良かった!
義経@神木隆之介も美しかったなあ…
そして、忘れちゃいけない源三位頼政@宇梶剛士。
【伏線張りまくりの脚本、凝りまくった演出】
第1回の伏線がかなり後半になって利いていたりとか、最後まで
「最初から見ていて良かった……!」と思わせてくれる展開が多くて嬉しかった。
Twitterで交流しながら見ることで、他の人に気づかせてもらった伏線も多かったけどね。
【最後に】
視聴率が悪いことで世間ではいろいろ言われていたドラマですが
(原因と結果が逆かも?)
本当に、大好きでした。
脚本家の藤本有紀さん、主演の松山ケンイチさん、
プロデューサーやディレクターやスタッフの皆さん、すべてのキャストの方々、
「ありがとう」の言葉しか出てきません。
大河ドラマという枠で、ここまで好きな作品に出会えたことは
奇跡だったと思っています。
もちろん、描ききれてないと思った部分、物足りないと思う部分はあったけど、
それも含めて、最高の作品でした。
本当にありがとう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます